1440話 平和な時間
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ニコには、俺に似通った味覚があることが判明した。俺が召喚したから、そういう部分も似たのだろうか? そんなこともあり、ニコがお勧めしてくれた屋台は全部美味かった。1人では食いきれなかったので、ダマたちと分け合って食べている。
俺たちがいなくなった後だが、俺が寄った屋台の中で「美味い」と口に出した屋台の売り上げが、普段の3倍くらいまで増えたらしい。
ニコが大量に買い込む屋台も売り上げが高くなるのだが、今回はそれの比では無かったようだ。屋台の店主からしたら、嬉しい悲鳴だとは思うがかなり大変だっただろうな。
家に帰ると、娘たちがリビングで遊んでいた。
あれ? 普段なら、自分たちの部屋、子ども部屋でゲームなどをしていた気がするんだが、今はリビングでゲームをしている。
一緒にいるのは、ケットシーや猫たち、スライムだけだな。だけ? って言っていいのか分からんけどな。
娘たちに母親はどうしたのか聞いてみると、午前の勉強が終わってお昼食べたら、仕事に行ったよ! だってさ。
娘たちも大きくなってきたから、家から出ないのであれば自由にしても問題ないくらいには、分別ができている。だから、母親が誰も残らないことが最近は増えてきたのだとか。
まぁ母親たちがいなくても、ケットシーとスライムたちが外には行かせないし、ブラウニーたちの誰かが付いているので問題は何も起こらないんだけどね。
それよりも気になったのが、何でリビングでゲームをしているかということだ。しかもやっているゲームが、よりにもよって友情破壊ゲームとして有名な〇鉄をやっているんだ!?
結構終盤に差し掛かっているが、仲良く遊んでいることには安心するが、心臓に悪いからそのゲームはやめてほしいところである。
妻たちはその危険性を理解したため、どんなゲームか少し体験して止めていたのに、それでもこのゲームが処分されないのは、俺の従魔たちがこのゲームが好きなんだよね。
魔獣のくせにゲームをするな! とか思うけど、こいつらにも娯楽が必要なんだと思い、処分せずに置いてあったんだよな。
ちなみに、従魔たちはこのゲームをする度にリアルファイトに発展している。それでも、このゲームを続けるのには理由があるらしい。一種のストレス発散なんだとか、特にダマの……
それを聞いて、俺は納得してしまった。色々と先輩従魔たちから押し付けられている仕事で、ストレスが溜まっているんだよな。それを発散させるためのゲームってことだな。ダマは実際に戦えば、バッハやリバイアサンたちを除けば、一番強いからな。
桃〇から始まるリアルファイトは、序列は関係ないって名目になっているらしく、ダマが参加する時はみんなボコボコになるらしい。それなのに仲良くしていられるのは、俺が召喚した魔獣だからということもあるのだろう。ダマは召喚してないけどな。
っと、この部屋で遊んでいる理由は、弟妹たちが寝ているから騒がないように、ここであそんでいるのだとか、あれ? 君たち、普通に子ども部屋で遊んでなかったっけ?
娘たちに突っ込んでも仕方がないので、とりあえず納得しておこう。俺がかえって来た事によって、娘たちはゲームを止めて俺にまとわりついてきた。嬉しいんだけど、何もできなくなるから止めてくれ。
俺の気持ちを察してか、ダマがウルの服を引っ張って毛繕いをしてほしいとブラシを置いていた。それを見たミーシャたちが、私たちもやる! といって、愛用のブラシをブラウニーに持ってきてもらっていた。
それを聞きつけたモフモフな従魔たちがリビングに集まって来た……大混雑だな。
娘たちは嫌な顔をせずに「順番だからね! 守らない子はブラッシングしてあげないよ!」といい、俺の従魔たちを完全に従えていた。本当に子の従魔たちは、俺よりも優先する相手が多すぎやしないかね?
俺もブラッシングする側の列に混ざってみたが……誰も並ばないのだが、どういうことだ!
そんな様子を憐れんでか、ブラッシングの終わった猫たちが俺を襲撃してきた。全員で俺に飛びついてきたのだ。ブラッシングの後に遊べってことか? せっかくキレイにしてもらったのに、娘たちに怒られるぞ?
あっ!? もしかしてこいつら、俺をだしにしてもう一度ブラッシングしてもらうつもりじゃねえのか? こういうことばかりに頭が働いて、嫌になるぜ。
そんな猫たちの画策に乗るわけもなく、無視していたのだが……次第に攻撃が激しいものとなって来た。
お前らは、家の主を敬うということを知らんのかね? 俺に歯向かうことの愚かさを教えてやろう。
俺は大人げなく魔法を使った。猫たちの嫌がる水を空中に生み出したのだ。10センチメートル程の水球を20個程生み出して、猫たちを追いかけさせる。先ほどまでの勢いはなく、猫たちは必死に逃げ回っている。
ふははははは、俺に歯向かうからこういう事になるんだよ!
なんてやっていたら、ウルにハリセンで頭を叩かれた。
「お父さん! 猫ちゃんたちをいじめちゃダメなの!」
でも、あいつらがさきに……はい、すいませんでした。
謝っている俺の横で猫たちは、ウルに見えないように俺に蹴りを入れてくる。こいつら、後で覚えておけよな。
家の猫は、お湯は好きなのだが、水は嫌いなんだよね。濡れると冷えるからかな? だから、風呂に入ってきたら、水風呂に一緒に入ってやるぜ。魔物みたいにレベルを上げて身体能力が高くなっていても、ネコだからな、逃げられないのだ!
妻たちにこの事を話したら、子どもの喧嘩か! って笑われたけど、俺と猫たちの戦いはこれだけじゃないんだぞ!
基本的には仲がいいのだが、たまにこうやって猫たちからちょっかいを受けて、反撃したら娘たちに怒られて、というルーティーンみたいになっている。まぁ、本気で怒っているわけでもなく、俺と猫たちのふれ合いの1つみたいなものだ。
本当に俺が怒ったときは、猫たちを相手にせずにシルキーたちを呼ぶからな。猫たちもそれを分かっているので、そこらへんは加減を攻撃をしてくるのだ。
そんな風に遊んでいたら、いつの間にか夕食の時間になっており、早く食堂に来るように注意を受けた。娘たちを顔を合わせて、苦笑いをしてから急いで食堂へ向かった。
猫たちは、飯の時間になったらいつの間にか消えており、すでに食堂で待機していたよ。娘たちが来なければ食べられないのに、一緒に行こうとしないあたり嫌らしい性格をしている気がする。
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