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144話 ジャルジャンへ帰ってこれた

アクセスありがとうございます。

 リブロフの街から迎撃部隊が出てくることもなく、夜は平和?に過ごせた。疑問形なのは追撃部隊じゃなく、魔物が現れたのだ。


 初めて見た魔物で、猫系の魔物のフォアキャットという名前だった。猫やモフモフ好きではあるが、敵に慈悲は無い。初めは可愛いと思っていたが、爪を出し襲い掛かってきた瞬間から、排除すべき敵になった。そこからの排除は速やかだった。


 フォアキャットが表れたのは、早番・中番・遅番の三つに分けた中番で現れたのだ。その時間は、俺・リリー・マリーの見張り番の時だ。俺たちはコタツに入りながらキッチン馬車の上から、まわりを見張りながら索敵スキルについて話している時だった。


 マリーは斥候も兼任しているため、スキルについて色々聞いてきたのだ。普段ほとんど話すことのなかったマリーだけに俺も気になっていたところはあった。俺の考えとしては、この世界のスキルは技術の塊であり知識が詰まったものだと思っている。


 俺たち個人を個別のPCと考えた場合、宝珠はそのPCにサーバーからインストールするアイテムで、DPはインストールした物をサーバーからUPグレードするための代金みたいなものだろう。DPの代わりに経験をつむことでUPグレードできる感じかな? 説明は上手くできないがそんな感じだと考えている。


 索敵スキルの範囲は大体五十メートル。俺とマリーはその索敵距離を伸ばす方法を考えていた。武器を使ったスキルであればトレーニングも解りやすいが、システムに決められたスキルを拡張することができるのか? そんな話をしていた時に索敵に敵性反応があったのだ。


 俺とマリーは一緒に反応して戦闘態勢をとったが、索敵のないリリーは突然の事に戸惑っていたが雰囲気を把握して戦闘態勢をとったのだった。


 反応があった方に飛び降りると普通の猫より大きめの、虎サイズの少しモフモフした猫だ。虎ではなく猫と言ったのは、見た目が野良猫をそのまま大きくした感じだったためだ。


 猫と対峙した俺の一言『モフモフだ』。猫好きの俺としては、召喚をする際に魔物のモフモフが狼系と犬系と狐系しかいなかったためがっかりしていたのだ。DPで猫が召喚できるとわかった時に、反動で沢山呼んでしまった過去がある。


 猫であったため、テイムでもしようかと考えていたら、マリーに向かってとびかかり爪を出していたのだ。その攻撃はリリーに止められた。突然現れたリリーに驚いたのか硬直しており隙だらけの所に、俺がローリングソバット風に蹴り込み吹っ飛ばす。


 おそらく何本か骨が折れただろう、足に鈍い音が聞こえたので間違いないだろう。骨が折れたにもかかわらず、戦意を失わずにこちらに向かってくるようだ。でもその前にマリーの双剣が首を落としていた。


 流れた血の匂いが充満しないように土魔法で掘り返して、首を落とした後の血を底に埋めた。ドロップになる前に流れた血は消えないので、こういった小細工をしないとわらわらと獣系の魔物が寄ってくるのだ。ちなみにドロップは、毛皮だった。


 それ以降は特に何もなく朝をむかえたのだ。朝食は昨日の残りのシチューを中心に芋を蒸かした物やパンが出てきた。ここには俺達の他にも人がいるので、食事のレベルを下げているのだ。さすがに俺達のレベルの食事を食べさせるのはあれだし、見られながら食べるのは勘弁してほしいのでこういう風にしたのだ。


 それでも、暖かい食事を食べられることに俺たち以外のメンバーは感激していた。


 食事も終わってジャルジャンに向かって出発する。特に何もなく道を進んでいく。途中でマップ先生を見ていたイリアが、リブロフの街の外に兵士が出てきたのを発見して報告してくれたが、どうやらこの兵士たちは、俺たちに慰謝料を強引に払わされた人たちが逃げ出して、それを追いかけて外に出たようだった。


 わかったのは一人が光点から黒点に変わったため名前を調べたためだ。多分色々やってたんだろうな。恨みを買って金が無くなって逃げ出したはいいけど、バレて反抗して処刑みたいな流れだろうか?


 日が落ちる前に遠くの方にジャルジャンの城壁が見えてきた。ジャルジャン組の人たちは、久々に帰ってこれた自分たちの街を見て涙を流すものもいた。俺も今作っている街ができて、久々に帰ってきたら泣けるほどうれしくなるのかな? どうでもいいことを思いながらみんなの様子を見ていた。


 門に到着し見覚えのある門番に声をかける。俺が帰ってきたことをフェピーに伝えてもらうようにお願いする。俺たちは自分たちの家に帰ることを伝え門の抜けていく。


 シビルには家の場所を教えて明日来てもらうようにお願いし、その後に冒険者ギルドに一緒に行くように伝えた。


 それにしても護衛系の仕事は嫌だな。食事には気を使わなきゃいけないし、俺たちの特性を他の人に知られるわけにはいかないから、プチダンジョンも作れないしな。やっぱり身内だけで移動できる方が苦労ないから楽でいいよな。


 とりあえず、風呂に入りたい! 家に着くとミドリは食事の準備をすると、そのままキッチン馬車で仕込んでいた物をもって、家のキッチンへ向っていった。俺は、ニコとハクを確保してお風呂へ向かう。娘たちもお風呂に向かってダッシュしていく。


 今日の夕食は、豪華だった。昨日の夕食、今日の朝と昼はミドリにとって不本意だったため、ストレスが溜まったいたようだ。そのストレスを発散するがごとく、手の込んだ食事を準備したようだ。途中から娘たちも参加して、わいわいがやがやと調理していた。


 食事も終わり自分の部屋に戻ると、無線機が反応していた。無線機を操作して返信をするとピーチがでた。


 急ぎの無線が入ってると思い何かあったかと考えたが、そういう事ではなくただの状況報告だったようだ。だけど、ここまで長い期間会わなかったことがなかったためか、居残り組の娘たちが寂しがっていると言われ苦い顔をするしかなかった。


 地下通路を使って来てもらってもよかったが、そこまで家は大きくないのだ。せめて映像だけでもなんとかなればな? 何とかなるじゃん。マップ先生はダンジョンの監視にも使える。という事はダンジョンを作ればこっちの姿も向こうの姿も確認できるな。


 居残り組に以前作ったダンジョン監視用の部屋に行くように伝え、俺はこの家の地下にダンジョンを作り、向こうにある監視用の部屋と同じものを作り連れてきた娘たちを呼び集める。お互いに監視部屋の中を見れるようにすると、娘たちが大喜びしていた。


 長く離れた事もなかったためか、娘たち同士でも話が弾みそれを温かい目で見守った。離れていても姿を見て会話できることが分かったので、毎日時間を決めてみんなで話をすることが決まった。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

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