1370話 やっと終わった
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入浴も終わり一息付けると思ったが、そうは問屋が卸さなかった。
「「「とーたん! 髪の毛!」」」
これでおわかりだろうか? お風呂から上がったら、娘たちが髪の毛を乾かしてくれと要求してきたのだ。
子どもの髪の毛は柔らかいな。櫛で髪の毛を梳かしながら、初めは毛の流れに逆らうように下からドライヤーの風を当ててやる。大体乾いたら流れに逆らわずに梳きながら、キレイに整えて完了。
4人分の髪の毛を乾かす頃には、ドライヤーの熱風とお風呂からくる熱気で、お風呂に入った後なのに汗をかいてしまった。せっかく水風呂に入ってからお風呂をあがったのに。
4人を送り出してから、もう一度汗を流してからお風呂を上がった。
起きてからずっと大変だったな。スライムたちのサポートの無い状態で、自力でバナナボートでバランスをとってしがみついていた。
次にパラセーリングでスライムたちが娘たちのサポートをしたが、根幹を支えていたのは俺だった。娘たちはくっついているだけで良かったが、俺は体幹をガッツリと鍛えたかのように疲れたよ。
最後のアクアウォークは危なげなくすべてを見終わったが、やはり水の中で動くというのは、ステータスが高くても疲れることには変わりない。
マリンスポーツが終わって娘たちが寝た後、俺も休もうかと思ったがすでに昼寝をしていたので全く寝れなかったのだ。
そのままお風呂で娘たちの世話をしたので疲労困憊である。
昼食が海鮮系だったので夕食は、肉系が中心の食事となった。
地球にいた時は、バーベキューなんてしたことはほとんどなかく、焼肉のとき等は肉よりご飯が中心だった。お米大好き人間なのだ。
だけどこの世界に来てからは、お米より肉の方が簡単に手に入るしブラウニーたちの処理が上手いので、ご飯を食べるのがもったいなく感じて、こういう時はご飯を一切食べなくなった。
お昼は魚だったとはいえ、しっかりと脂ののった魚を食べているので、俺が食べるお肉は赤身や鳥が中心だ。その前に出てくるのは、ダンジョン農園から持ち込まれた新鮮な野菜たちだ。タマネギうみゃー。
ちなみに食事をしている場所は、昼と同じ場所で娘たちが焼いて取り分けてくれる。ブラウニーたちが娘たちの食事を準備しているようで、娘たちに焼き加減を伝えている。だからブラウニーたちよ、少しは隠せ!
野菜のときは鉄板が七輪の所に置かれていたが、お肉の順番になると網に変えられていた。
お肉を焼き始めて疑問に思ったことがあった。専用のトングを使っているのだが、焼き始めからちょこちょこと牛タンを持ち上げている。ブラウニーたちが焼いてくれるときと同じ焼き方なのだ。
何でそこまで持ち上げるのかを疑問に思ったので聞いてみた。そうするとブラウニーに聞きながらたどたどしくだが、説明してくれた。
どうやら焼き始めに何度か牛タンを持ち上げていたのは、最初からずっと置いておくと肉がくっついてしまうらしい。だから、肉が多少焼けるまで放置してしまうと網にくっ付いてしまうので、焼き始めは細かく上げた方が網にくっ付かずに上手く焼けるそうだ。
ブラウニーの指示に従って真剣な顔をしてお肉を焼いてくれている娘たちは、ちょっと鬼気迫る表情をしているので邪魔はできないな。
「今度は、牛の解体に見学しに来てみてはどうですか? 時間の経過がない収納系アイテムがふんだんにあるので、毎日行っているわけではないですが来てください。解体を担当しているブラウニーたちが喜ぶと思います」
肉の焼き方から何故解体の話になったのか分からないが、何となく興味があるので機会があれば行ってみよう。特に内臓系は足がはやいというので、地球では管理が大変だと思うが、こちらの世界では……いや俺の周りでは収納系のアイテムを使い放題なので、足がはやくても管理に問題はでない。
そういう意味ではこの世界の鮮度管理って、地球より圧倒的に上だよな。お金持ちや高ランク冒険者限定と条件が付くけどね。
完全に時間が止まる収納アイテムは数が少ないが、4分の3から半分程であれば売りに出されているので手に入れるのは、お金があれば容易である。
世間に出回っている物の多くが、容量と時間経過が正比例している。なので、ランクが低くて時間の経過が緩い収納アイテムを手に入れたら、容量が多く時間経過が普通の物に買い替える冒険者が多い。もちろん売るだけ売って装備を買い替える冒険者も多い。
高ランクになれば、両方を持っている冒険者もいるらしいが、時間経過が緩い収納アイテムは高位貴族が買う傾向があるので、住み分けが出来ている感じかな?
っと、そんな事を考えている間にブルムが牛タンを俺のお皿においてくれた。
一番初めは、さっぱりとネギ塩だれでいこうか! もちろんそれ以外にも理由がある。このネギ塩だれは、娘たちがブラウニーに手伝ってもらって作った物らしいからな。
ねぎの大きさがちょっと不揃いだけど、味はブラウニーが監修しているので美味い。
「このネギ塩だれ美味いな!」
こういえば、
「「「みんなで作ったんだよ! 美味しいでしょ!」」」
と、喜んでくれた。御世辞で言ってるわけではないので、セーフだと思う。
次に焼いていたのは、ハラミだ。変わらずブルムが焼いていたが、ミーシャとスミレはウルの指示を受けて、葉野菜を準備していた。
サニーレタスに似ている気がするが、その上にシソの葉……にしてはちょっと違う気がするな。そこに青唐辛子を切った物を一欠、ニンニクが乗っているな。なるほど、サニーレタスじゃなくてサンチュか。ということは、包んで食べるっていう事だな。
シソの葉に見えるのは、エゴマの葉ってことだな。そんな食べ方を聞いた覚えがある。
タレのハラミを包んで食べる……美味いな。
今度はレバーだ! 日本ではレバ刺しを食えないが、この世界にはそんな法律もなく、ブラウニーたちが管理しているのだからハズレがあるはずもない! ごま油にニンニクにちょっと塩……美味いな。
それで終わりかと思ったが、レバ焼きも出て来た。生でも食べられるレバーを焼くのだから、不味いはずがない!
次は初めて聞く、カイノミという部位だった。今まではそこまで大きくなかったが、カイノミという部位は、結構厚く切られておりかなりジューシーなお肉だった。ただ、大きいまま噛み切ろうとしたが、それでは食べにくいということで、キッチンバサミで切って食べた。
その後も、出されるがままに食べて行ったがハズレは無かったな。全体的に脂が綺麗に削ぎ取られていて、くどくなく美味しく食べることが出来たな。
娘たちはやり切った顔をしており、満足げな表情だ。お疲れ様。今日は一緒に寝てあげよう……いや、寝て下さい! ミリーたち母親も誘って一緒に寝るかな。
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