1316話 娘たちとのふれあい
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2徹をして、必要数のクロスボウとボルトを作成し、各街へ送り出した。ゴーストタウンには必要ないので、ディストピアに合わせておいてある。
「それにしても、この直進性は凄いわね。原理が全く分からないけど、これはこれで面白いわ!」
綾乃は、まっすぐ飛ぶのが楽しいようで、バスバスとクロスボウを撃っている。
「便利でござるが、音速を少し超えたくらいでは、シングル冒険者には通じないでござるよ」
今まで意識していなかったが、シングル冒険者ともなれば、武器を振る速度が音速を超えるとか……どういう原理か分からないが、音速を超えた際のソニックブームは何故か起きない。よくわからん縛りがこの世界にはあるようだ。
「とりあえず、ランナーズハイみたいに危ない状態になってるから、俺はひとまず寝る!」
工房から出て家に戻る途中で、
「あ! とーたんだ!」
そう言って、ミーシャが俺を見つけてトテトテ走ってくる。でもさ、どうして泥まみれなんだい? 後ろから走ってくるスミレやブルムだけじゃなくて、ウルまで泥まみれなのだが……
泥まみれだからどうしようか悩んだが、俺も2徹して軽くシャワーしか浴びてないから、たいしてきれいでもない事を思い出し、近寄って来た娘たち3人を抱きかかえる。
後ろから着いて来ていたウルは、俺の前で止まって娘たちを羨ましそうに見ていた。
ウルも抱っこしてほしいのかな? でもさすがに隙間が無いんだよね。あー肩車ならいいかな?
「ミリー、手伝ってくれ!」
急に呼ばれたミリーは、目を点にしてるが俺の近くまで来てくれた。ミリーの前でしゃがんでウルの方をチラッと見ると、ミリーは察したかのようにウルを捕まえて俺の肩に乗せてくれた。
「ウー姉、高い!」
「ウー姉、いいな!」
「とーたん! 後でやって!」
と娘たちから三者三様の言葉が返って来た。
「ウル、しっかり掴まっておけよ! このまま、みんなでお風呂に行くぞ!」
ちょうどお風呂に入りたかったのでちょうどいい。ウルも含め娘たち4人をお風呂場へ連れて行く。ただ、4人が泥まみれなのでこのまま家の中を歩くと、シルキーかブラウニーの誰かに怒られるので、敷地の一角につくった露天風呂の方へ突入する。
ここは、俺が汚れて帰ってきたりする事が多かった時に、外に作ってください! と怒られてDPで作った温泉露天風呂だ。無駄にサウナ付きである!
全員の服を脱がすと、お風呂場に走って行ってしまったので、さすがに怒った。はしゃぎたい気持ちは分かるが、お風呂場で騒いだら危ないので、しっかりと理由を伝えて、いけない事を説明する。理解しているか分からんんが「はい!」と返事だけはいい。
ウルはここの生活に慣れたようで、お風呂も問題なく入れている。3人のお姉さんとして、面倒を見てくれるしっかり者でもある。
俺が順番に娘たちの髪の毛を洗っていると、終わった娘たち……妹たちの髪の毛のシャンプーを流してくれている。しっかりと水気を拭きとって、トリートメントをしてくれている。子どもの順応性の高さってすごいな。
みんなの髪の毛が洗い終わったので、トリートメントの付いている髪をまとめてから、タオルを頭に巻いてやる。
俺は良く知らないのだが、トリートメントはつけてから多少時間を置いてから流すといいらしい。リンスはつけおきする必要がなく、すぐに洗い流していいのだとか。
トリートメントは、髪の中に浸透させる物で、リンスは髪をコーティングするのだとか。
「よーし、体の前と足は自分で洗うんだぞ!」
俺がそう言うと、ミーシャ・スミレ・ブルムの3人は「は~い」と返事をして、ウルが用意してくれたスポンジを使って体中をアワアワにしている。
その様子を見ながら、
「ウル、こっちにおいで、洗ってあげるよ」
少し恥ずかしそうな仕草をするが、俺の前に来た。丁寧に髪の毛を洗ってあげる。少し乱暴にタオルで髪の毛を拭いてあげると、イヤー! と言っているが、少し嬉しそうな表情をしている。
「「「とーたん! せなか!」」」
体を洗い終えた3人が背中を洗うように要求してきた。3人で揃ってスポンジを差し出すんじゃない! 1人ずつだ!
俺の前に列を作って、洗う順番を待っている姿は可愛いな。背中を洗ってあげると、自分でシャワーを使ってしっかりと流しているが残りがあるので、後で流してあげないといけなそうだな。子ども用のシャワーだから少し小さめだしな。
ウルはその間に自分でトリートメントをつけて、体を洗い終えていた。自分でできるみたいだからさすがにはやいな。
「次は、髪の毛を流すぞー」
そうすると、娘たち3人は円を組んで丸くなり、頭を出して下を向いている。3人共頭がくっついているので、一緒に流せという事だろうか?
「しっかり目をつぶっておくんだぞ!」
手間はかかるが、3人の髪の毛を流してあげる。リンスは、地肌につかないように髪に付けてから、シャワーを押し当てるようにして洗い流してあげる。
「よし、3人共キレイになったな! そっちのお風呂につかって危ない事はするなよ!」
「美人になった!」
ミーシャが何を言ったかと思えば、キレイは美人ではなく汚れが落ちたって意味だぞ! それにお前たちは綺麗というよりは可愛いだ!
小さい浴槽の方に3人で入った。目の届く位置に子ども用の小さい湯船を準備しているのだ。親だって体を洗わないといけないからな。
全部終わったウルも、3人の所へ行き俺の代わりに面倒をみてくれている。
「ふ~さっぱりした!」
「とーたん! そっちで一緒に入っていい?」
「いいぞ、だけどいつも言っているように、こっち側の浅いほうだけだからな! 後一緒に椅子も持ってこないとな」
温泉に椅子何てつけるなど、どういうことか! って怒られるかもしれないが、ここは俺の物だし文句は一切受け付けるつもりは無い! 娘たちが危なくないように、重しのついた椅子を湯船に沈め、そこに4人が座る。
俺はその近くで、寝そべるように湯船に浮いている。
「とーたん! それやりたい!」
とは言われたが、さすがに危ないので許可はしない。今度、スライムがいる時にね、となだめてから、娘たちが湯あたりしない内にお風呂から上がる。
そうすると、母親3人が着替えを準備してくれており、自分の娘を着替えさせている。俺は、ウルの様子を見ながら一緒に着替えて、ちょっともたついている所に少し手を貸して、自分でできるように促した。
この露天風呂恒例の、お風呂上がりのコーヒー牛乳を5人で並んで飲む。俺は普通のタイプの200ミリリットル、ウルは俺の半分、3人の娘たちは60ミリリットルのコーヒー牛乳を、腰に手を当ててグイッと飲む。
特に深い意味は無いのでが、面白半分でやっていたこれが娘たちは気に入ったみたいで、しばらくこっちのお風呂に入っていないと、向こうに行く! と言い出す事がある。
俺が来るまで全力で遊んでいた娘たちは、お風呂から上がるとウトウトとしはじめ、今にも寝てしまいそうになっている。俺はウルを、ミリーはリンドを、カエデはミーシャを、リンドはスミレを抱っこしていた。
ミリーたちも自分で産んだ子を中心に面倒を見るが、他の娘たちと仲が悪いわけでは無い。母乳を上げている時も、誰かに変わって母乳を上げるって事もあったしね。
娘たちもミリーたちだけでなく、俺の妻たち全員を母親と認識している。母親が20人以上いる子供ってどうなんだ? とは思うが、今の所特に問題は無い。
娘たちが寝る部屋に来ると、俺の眠気も限界に来てしまい一緒に寝る事にした。俺が大の字で寝ている所に4人が思い思いに寝るという、起きていたら大歓喜したであろうこの状態で、俺は意識を手放し眠りについた。
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