1311話 戦闘開始
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準備が完了したスケルトンと人造ゴーレムがスタンバイしている。
勇者の歩みはさほど早くない。3Dマップによる監視をしているが、特段に勇者一行が強い様子は見られない。樹海の魔物達に囲まれて、撃退はしているもののそこまで余裕は感じられない。
見られていると分かっての行動なのか、これが全力なのか、それとも隠した何かがあるのか?
俺は準備をしてもらっている間に、いざという時のためのサポートとして使い捨ててもいい魔物を召喚して強化している。モフモフ系だと使い捨て前提に出来ないので、前にも使った強化ゴブリン君だ。
正直ゴブリンには愛着がわかないので、DPを湯水のように使って強化したゴブリンを配置している。最悪グレイプニル持ちのスケルトンを逃がすための肉壁だ。
「シュウ、準備できたわよ。どうやって移動させるつもり?」
「もちろん空から行ってもらうよ。死んでも大丈夫なようにワイバーンも100匹程召喚している。人造ゴーレムで異形型には重たいのもいるから、このくらいいれば運べるだろ?」
「わざわざワイバーンを召喚したでござるか?」
「そうだよ。強力な遠距離攻撃を持ってて、ワイバーン家族やバッハが致命傷を受けたら嫌だからな」
2人共納得した表情になった。
ワイバーンに命令を出して、スケルトンと人造ゴーレムを運んでもらう。
俺たちは、そのまま監視室へ戻る。
「Sランク相当の魔物が175匹、さすがにこれで終わると思うけど、まさかあいつら勝つなんて事ないよね?」
「神にできる事は分かってないからな……正直これで勝てないなら、なりふり構ってられなくなるぞ」
「そうでござるね。スケルトンも人造ゴーレムも、勇者の持っている魔物やダンマスへの特効は利かないでござるからな。これで倒されるような事があるでござるなら、正面から当たるのは愚策でござる」
人造ゴーレムはともかく、実はスケルトンも勇者の特効対象にはなってないんだよね。魔石を落とすから魔物かと思っていたのだが、精霊に近い扱いのようだった。
さすがワイバーン。多少強化しているから、移動が速いね。後10分もすれば勇者の所まで移動が出来そうだ。
「そろそろスケルトンとリンクするでござる。もし何かあるようでござったら、肩でも叩いてほしいでござる」
戦闘に集中するためにスケルトンとリンクを始めたバザール。簡単な指示だけならリンクする必要も無いのだが、戦略的な戦闘をするためにはリンクする必要があるんだってさ。自分で考えて行動できるスケルトンだけど、指揮官がいれば違うからね。
「私の方は、準備できてるわよ。いざって時のサポート、指示出しだけだから、準備もクソも無いんだけどね」
「了解。じゃぁ俺は、戦闘の様子を見て分析って所だな」
戦闘に備えていると、
『あいつらの近くの眷属に景色を送ってもらった』
そう言ってきたユグドラシルの分体が指さした物は、空間投影で映し出された勇者達の映像だ。360度どこからでも見れる。やばいなこれ……ユグドラシル便利すぎんだろ!
「スプリガンの皆さん、周辺の監視を強めて下さい。俺たちは、戦闘に集中すると思いますので、監視はまかせます」
空間投影で映し出された勇者は、男4、女7だった。このうち勇者が男2、女1……様子を見る限りでは、男勇者1に対して女従者が3、女勇者1に対して男従者が2付き添っている。
連携は取っているが、基本的には独立したパーティーのようだ。3Dマップで見てそう予想していたが、映し出された映像を見て確信した。
そして、男勇者の方は恋仲なのかは分からないが、そういう関係なのだろうと思わせる距離感だ。女勇者の方は、どうなんだろうな? 男従者がベタ惚れなのは間違いないが、誘導できたってそう言う事なんだろう。
お? どうやらワイバーンが接近している事に気付いたみたいだ。100匹近くいるのに逃げないってことは、撃退するだけの力があるとみていいのだろう。
11人中7人が魔法を使って迎撃に入った。
勇者3人の魔法は、他の4人に比べると威力が高そうに見える。レベル的には全員350程なのだが、3人が突き抜けて威力が高そうに見えるのは、やっぱり勇者の称号の所為かな?
ワイバーンは回避して当たらないようにしているが、何十発も打ち出される火の玉や氷の槍を避け切る事は出来ずに被弾してしまう。だけど、2~3発でやられるほど強化したワイバーンは弱くないぞ。
足に掴んでいるスケルトンや人造ゴーレムを投下するために、高度を落とし放り投げた。戦闘機が爆弾をピンポイントで落とすような感じか?
勇者がスケルトンと人造ゴーレムを認識すると、偉そうにしている従者の女が何かを指示していた。
ん? このパーティーの指揮は、勇者じゃないのか?
「勇者の体が何か光ってるな……これはスキルか? なんなんだ?」
「何だろね? 無意味に光るなんて事ないし、神が関わっているなら、何かしらの意味があるはず。一応ステータス確認しておくわね」
すると、綾乃が驚きの声をあげた。
「シュウ! あいつらのステータスが全員4倍くらいになってる! シュリちゃんのステータスより高いわよ!」
「マジかよ! ステータスを直接上げる干渉は出来ないけど、スキルか何かを付与してブーストさせるのは問題なくできるのか? 勇者1人に付き100パーセントUPって所か? それが3人で300パーセント……元の分を合わせて4倍か?」
「とはいえ、あのステータスでもシュウに喧嘩を売るには役不足だと思うわ。隠し玉が1つとは限らないって事ね」
確かに、シュリよりステータスが高い人間が11人いた所で、攻めるには役不足だな。神が複数関わっているなら、これだけって事は無いよな。
「従者は勇者みたいに光らんのかな? 全員で同じような事ができるなら、12倍までステータスを引き上げられるだろ? 勇者以外には付与できないとかか?」
「この戦闘を監視されているのを理解して、隠している可能性だってあるわよ」
175対11の戦闘が始まっている。
隊を組んで連携できないように、パーティーごとに切り離した。強引に割り込み勇者の各パーティーが分かれるように仕向けた。
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