1293話 面倒事?
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次の日の朝、マップ先生を確認すると、ドッペルが拉致された大陸……いちいちこの名称も面倒だな。何番目に上陸したんだっけ? 確か5番目? じゃあ、ファイブでいいか。
ファイブ大陸に着いたドッペルたちは、拠点でくつろいでいた。ドッペル自身には自我がなく、写し取った者の影響を強く受けるらしい。だけど、ダンジョンで魔物として出てくるドッペルは、ダンジョンの意味に会わせて侵入者に攻撃を仕掛けるようにできている。
そのドッペルたちの行動だが、俺のドッペルには、ダンジョンマスターの力の一部を付与していたためか、自分で拠点を改造してゲームを召喚して遊んでいた。
制限をかけるのを忘れていたので、基本的に行動が自由になっていたようだ。DPは有り余っているので、それくらいは問題ないからいいんだけどな。だけどさ、対戦ゲームでヒューマンと獣人の俺がガチバトルしているのには、笑ってしまったな。
後は、年長組のドッペルにも、制限をかけていなかったので個々に行動をとっているのが面白かったな。
特に分かりやすかったのは、英雄症候群のシュリのドッペルだろう。呪いとも言えるこの体質のせいで、食事量が多いのだ。その影響を受けシュリのドッペルも、大食いだった。
ドッペルの性質なのか、魔物の性質なのか分からないが、どれだけ食べても体型が変わらないらしく、俺のシュリを除く妻たちに嫉妬の視線を向けられている。魔物に突っかかるなよ!
っと、ドッペル観察をしている場合じゃないな。時間は有限! 急いでやることをやってしまおう。
アリス・ライラ・マリーの年長組の獣人3人を呼び、妻たちを拉致した国の人間を送り届けた獣人の国に向かう事にした。
って、おい! シリウス、お前ってそんな風に寝るのか?
獣人タイプのドッペルに意識を移して、シリウスを探していたら、蛇のようにとぐろを巻いていた。元からいたリバイアサンと同様に、体のサイズを変えられるようで、体を小さくして柔らかいクッションの上にいたのだ。
起こしたら、餌を要求してきたので、しまった! 飯を準備していなかった。と思ったらピーチのドッペルが準備してくれていた。
妻の中で一番、奉仕精神が強いんだよな。何て言うか、俺の事を中心に考えるのがピーチなんだよね。夜の営みでも、ピーチが……ゲフンゲフン。
ピーチのドッペルが作ってくれた食事をシリウスにあげると、元気いっぱいになったようだ。めんどくさそうではあるが、この後の予定について尋ねて来た。
予定しているのは、獣人の国に行くだけなのだが、行ってから仕事が増えるかもしれないけどな。人間の国が聖国以上に下種な事をしていたからな。他の国が同じじゃないとは言い切れないよな。特に種族間の争いが激しいって話だからな。
さて、どうやって獣人の国まで行くか? やはり、シリウスに頼んで送った奴らと同じように行くのが信用されるかな?
シリウスにお願いして、奴らを送った川を使って移動を開始する。
おぉ! 川を高速で移動するとこんなに怖いんだな。海の上だとどれだけ早く動いても、あまり気にならなかったけど、これはヤバい! 氷の上を滑り落ちるボブスレーもこんな感じなんだろうか?
そろそろ獣人の国に入るはずだけど、見張っている獣人はいなそうだな。
ここを使って攻めてこようなんて、俺みたいに水棲の高ランク魔物を従魔にしているか、自身が高ランクの水魔法使いでもなければ、いい的にしかならないか。
シリウスの移動でだが、しばらく進んでいくと、大きな街にたどり着いた。
人間の街は森から離れた場所に作られているが、獣人の街は比較的自然の多い地域に多いな。魔物の危険があるのにどうしてなんだろう? この大陸にはこの大陸のルールみたいなのがあるのだろう。
「お前ら何者だ! 止まれ!」
おっと、やっと見張りが現れた。
「少し前に隣の国の人間をこの川を使って送り届けた者だ。一緒に手紙を乗せていたと思うが読んでいただけていないか?」
念のために一緒に届けた手紙の事を伝えてみる。あいつらを送った理由と、近々挨拶に行く事を書いていたので、誰かが呼んでいると思うのだが、
「確認してくる。少し待て!」
現場の人間には伝わっていない? 少し嫌な予感がするのは気のせいだろうか?
しばらくすると聞きに戻っていった見張りが戻って来た。
「確認が取れた。ついて来ていただきたいが問題ないだろうか?」
「了解した。そちらに行こうと思うので、少し離れて頂いていいだろうか?」
そう言って、飛び乗るための場所をあけてもらう。その裏でアリスが、シリウスに小さくなって服の中に潜り込むように命令していた。
俺たちは、開けてもらった場所に飛んで移動し、見張りに案内をしてもらう。
マップ先生で調べて王のいる街に川を繋げたのだから、王城に向かっているのは不思議では無いが、王城にしては小さい気がするのは気のせいだろうか?
城に入って登る階段ではなく、下る階段を進んでいく……どういう事だろう?
しばらく進むと、城が小さかった事の理由が分かった。
獣人の国の城は、地下にある部分の方が大きかったのだ。地下にあるとは思えないような作りの建物だった。簡単に言うと、小規模なゴーストタウンのような物だ。
ゴーストタウンはダンジョンなので問題ないのだが、ここはダンジョンではなく、人間が掘って作った空間に建物を建てているので、少し無茶なつくりな気がする。
松明を使っている地下空間、日常的にたかれているのであれば、空気の流れなどは問題ないのだろう。
それなりに豪華な部屋に通された。そこには、偉そうな獣人たちが半円形に並べられた机に座り、集まっていた。後ろに優秀な兵士を並べて、
何となく、査問会みたいな、取り調べられるイメージだ。
「本当にこの者たちが、人間の国王や貴族を送って来たのか? 信じられんな」
「ですが、手紙の事を知っているのは、国の人間でも極わずかだ。知っているのは、送ってきた本人だという事だろう」
獣人の国のお偉方も、俺たちが本物かどうか……という事を論議している段階だった。なぜ話し合っている場に呼んだし! せめて、身内の話が終わるで何処かに逗留って形でもよかったんじゃないか?
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