1277話 2つ目の大陸
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敵性リバイアサンを何とか仲間に引き入れて、俺が新しい大陸に着いたのは、妻と娘たちが連れ去られてから75時間が経過した頃だ。
「それにしてもバザール、綾乃、そっちのは今何時位だ?」
『こっちは大体20時位ね』
『こっちも20時位でござる』
「そして俺の所も20時……かなり離れているのに時差がないってどういうことだ? それだけこの星がデカいって事か?」
『神たちが絡んでいるんだから、星のすべてが同じ時間で動いていてもおかしくないかもよ?』
綾乃の言葉には強い説得力を感じる。
『もしかしたらでござるが、この世界には宇宙が無かったりするのでは?』
「有りえそうだな……そこら辺は考えても仕方がないか。それにしてもこの大陸は、至る所で戦争をしている感じだな。パッと調べた感じだけで、20ヵ所近くで現在進行形で人が死んでる」
強襲型広域掌握で格子状に掌握して調べたところ、戦争の起こっている範囲では、今現在で人の数が減っているのだ。DPがもったいないので、早めに戦争しているエリアを掌握してDP回収にいそしむ。
死んだ時に回収できるDPは、継続性がない分まとまった量のDPが回収できるからな。
「やっぱりみんなの反応がないな。こんな戦争ばかりの大陸で、情報収集は厳しくないかな、どうするべきか」
『こっちでも確認したけど、その大陸は酷いね。そもそも夜なのに戦争が継続している時点で異常な気がするよ。でも、現地の情報も無いと判断できないから、近場の大きな街に行って調査した方がいいよ。各街の掌握範囲拡大は、スプリガンの皆にやってもらうから情報収集を優先して』
「スプリガンの皆を休ませているよな?」
『そこら辺は大丈夫よ。元々シフトで24時間監視しててくれたみたいだから、そこら辺は何の問題も無いのよ。人数の調整だけが必要だったわ。それに、こっちのダンジョンの中なら、報告が上がってから過去の映像を引っ張ってくれば問題ないみたいだし、何よりシルキーさんがここに来て料理してくれているから、指揮はすこぶる高いわよ』
シルキーたちがフォローしてくれているのか。ブラウニーの作る飯も美味いけど、シルキーたちが作るとすぐに分かるレベルで美味いもんな。
「とりあえず、ある程度大きそうな国の首都っぽい所に向かってみるわ」
と言ったものの、どういうメンバーで情報収集に行くべきか? 人が多い地域、獣人が多い地域、エルフやドワーフ、その他種族で集まっている地域がとにかく多いのだ。
そして戦争している地域では、他種族と殺し合っているのが現状だ。他種族に奴隷として扱われて、同族と戦争をしている奴らもいるけど、それは例外としておこう。
この状態を見る限り、種族間で戦争を繰り返しているんだろうな。
各種族毎に特徴がある程度あるのだ。人間や獣人は、数が多いがレベルが他の種族に比べて低い。ドワーフやエルフは、数は少ないが一人ひとりのレベルやスキルが他に比べて高い。
そしてこの大陸に掌握できていない場所、ダンジョンがありそうな場所は、10ヵ所位だ。そのうち1つが神のダンジョンだろう。ダンジョンマスターが少ないって事だよな……
それに勇者もいるのだが、まさしく奴隷として扱われている便利屋だな。勇者をこの大陸に呼んで神は何をしたいんだ? 同郷の人間が奴隷として、戦闘の矢面に立っているのは許せないが、現状はみんなの安全が大切だ。
優先順位を間違えてはいけない!
俺が直接情報収集に行くのであれば、人の国だよな。一緒に付いてこれるのは、マリアとクシュリナか……メルフィもなんだけど、成人していないから連れて行くのは躊躇われる。
従魔も一般的ではないようなので、余計なトラブルを避けるために連れていく事は出来ない。
これから向かう街は、街にいる戦力で一番上がレベル150だ。俺がこの世界に来た時のフレデリクに毛が生えた程度だ。おそらく首都なのにこのレベルが一番高いのだ。大した国では無いと思う。まぁ獣人の国も他の人の国も最大で200ちょっと位しかレベルがないからな。
その代わりエルフやドワーフは、数が少ないけどレベル300超えがたくさんいる。数が50倍とか違うから、物量戦の人間や獣人と戦場が拮抗している感じだな。
量対質という構図かな? 人外の強さを持っていても、広範囲を少数で守るのは厳しいのだろう。一点突破で相手の首都を落としても、こちらの街もいくつも落とされるとなれば、意味がない。
とまぁ、そんな事はどうでもいい。
勇者がいるのは分かったが、どうやら俺たちの大陸に比べて数が少ない。そして、レベルもあまり高くない。そもそも、魔物やダンマスに特効を持っている勇者を人同士の戦争に持ち出す事が間違っていると思う。
情報収集は、綾乃とスプリガンの皆に任せて俺は、マリアとクシュリナを連れて近くの人間の街に移動する。移動方法は、グレンによる飛行なのですぐについた。
魔力を俺からも譲渡して、音速の3倍以上のスピードで20分程進んだ街へ到着する。近くで待機してもらい、俺たちは街へ近付く。残りのメンバーは、海岸の近くにダンジョンを作り、その中で待機中だ。
夜も人の出入りは出来るみたいで、主門の隣に小さな門があった。この大陸でも、俺たちと同じお金が使われていたので、かなり助かった。もし使えなかったら、お酒や宝石など価値のある物で交渉しなければいけない所だった。
とりあえず、酒場兼宿屋へ行く事にした。門番の人に差し入れをして、いくつかお勧めの宿を聞いて、マップ先生のおかげで場所は分かるので楽ちんだ。一応先に検索をかけ情報が得られそうな酒場兼宿屋へ向かう。
街を歩いていて気になるのは、やはり臭いだろう。この時間でも、ある程度活気は見られるのだが、やはり衛生面はあまりよろしくないようだ。魔法を使って臭いを遮断し、内側にはラベンダーの香りがする臭い袋を出しておいた。
メイン通りは思ったより明るい印象だ。昔のフレデリクよりは明るい。そしてにぎやかだ。人口も3倍ほどいるし、広いな。そりゃ、首都だから当たり前か?
酒場はどんちゃん騒ぎのようだ。傭兵の一団が半分程借りているみたいだが、泊まる分には何も問題はなさそうだ。
情報を集めたいけど、どんちゃん騒ぎの中に入る気はない。席を取り食事を注文する。クシュリナは無線の電源を入れており、この酒場の会話を待機しているみんなにも聞こえるようにしている。
傭兵の一団は、結構名が売れているようで色々な話をしていた。中に、獣人の国に召喚された人間の勇者を殺したと自慢している奴もいたな。マップ先生で調べたら、シュリたちみたいに勇者を殺して得た意味不明のスキルを持っていた。
どうやら、現地の人間が呼び出された勇者を殺すと、勇者の何かが殺した相手に譲渡されるのかもな。
そしてテンプレのように、酒を飲み気が大きくなっている下っ端が、俺たちに絡んできた。簡単に言えば、見た感じ強そうに見えない俺より、自分たちの方がよっぽどいいぜ! 夜も満足させてやる! と言った、下半身に忠実なアホ共だ。
そして、それを止める事なくニヤニヤと傭兵の一団が様子をうかがっていた。面倒なとは思ったが、名が売れているという事は、他国の情勢にも詳しいのでは? と思い直し相手をする事にした。
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