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ダンマス(異端者)  作者: AN@RCHY


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1249/2519

1249話 体験なら何とか?

アクセスありがとうございます。

 夜中に娘に2度程起こされたが、しっかりと眠れたと思う。


 そしていままで気付かなかった事に気付いてしまった。


「まさか、ライラ・チェルシー・ソフィーの3人って、娘たちの泣き声でも起きないんだな。そこまで大きな声で泣いたわけじゃないけど、あの位の音が聞こえたら目が覚める気がするんだけどな」


「ご主人様、ソフィーちゃんは昔からあの位じゃ起きないんだよ! 声とかで起きないのに、不穏な空気を感じ取ったりすると、すぐにトップギアに入って対処するからすごいよね!」


 朝食の席でその話をすると、こんな感じで帰って来たのだ。


 ソフィー以外の2人も一緒で、声とか別に起きる必要のない状況だと、基本的に目が覚めないようだ。


 3人に共通する特徴として、パーティーで行動する際に斥候を担当するメンバーなんだよね。斥候って物音や気配に敏感になるようだから、目が覚めないのって不思議だよね、みたいな話になった。でもピーチが、


「その3人も初めから音とかで起きなかったわけでは無いですよ。ご主人様のもとに来て、一緒の部屋で寝るようになった時は普通に目を覚ましていました。ご主人様の元に来るまでは、何かあった時に目を覚まさないと怒られましたからね」


 この3人も昔からそうでは無かったらしい。俺の元に来る前、奴隷商にいた時は、きちんと目が覚めないと怒られるのか。地球の子供で、寝起きが悪くて学校に遅刻しそうになるから怒られる、と言ったのとは違うだろうけどな。


「ですが、冒険者として活動を始めてしばらくした頃です。3人が多少の声や起きる必要のない時には、目を覚まさなくなったのです。気配に敏感になってから、無意識が安心できる仲間内であれば、目を覚まさなくても問題ないと判断して目が覚めないのかもしれませんね。斥候の仕事はタダでさえ神経を使いますからね」


 ピーチの言葉を聞いて納得してしまった。


 ダンジョンを進んだりするのはとても神経を使う。その中でも斥候の役割を担う3人は、特に神経を使って進んでいる。だから神経を使う必要のない時には、あまり反応をしなくなるのではないだろうか? 俺も含めて、目覚めが悪いメンバーはいないからな。


 それにしても、娘たち3人共少しの時間差はあるけど、大体同じ時間にオムツ交換とかがあるんだな。1人がトイレで泣いたせいで、他の2人も反応して目が覚めて排泄をしてしまうのだろうか?


 そこら辺はよく分からないが、別々に泣かれるよりはマシだろう。まぁ、普段はブラウニーも同じ部屋で寝ており、娘の世話をしてくれるので母親の負担はかなり少ないんだけどね。


 訳が分からないけど、娘たたの守護神的なケットシーが何故か俺の上で丸くなっていたのだ。ダマたち聖獣は専用の寝床で寝ていたが、ケットシーだけは何故か下ろしても下ろしても、俺の胸や腹の上に戻って来た。本当に何だったのだろうか?


 朝食は終わったが、今日も今日とてする事がない。グリエルに連絡を入れてみたが、色々な処理でしばらくは俺の相手ができないので呼ばれた時だけ来てください! と念を押されて言われた。まぁ、仕事はしても基本的に足手まといだから邪魔だもんな。


 ただただ本を読んでゲームして過ごすのはよろしくないよな、何かしないとな。


 朝食を食べ終わり、食後の一服をしているとせこせこと仕事をするブラウニーが目に入った。もう食器は洗い終わっているのだが、休む気配はない。ブラウニーは朝食の片付けが終われば、そのまま昼食の準備に入るのだ。食事中に休憩をとっているという理由で、止まる事を知らない。


 もうちょっと休憩をしたらどうか? と思うって言った事があるが、仕事をとらないでください! とマジ顔で言われて怖かったので、それ以降言わない事にしている。全員が全員働いているわけでは無く、シフトで別れているので、俺から無駄に口をはさむ必要は無いようなのだ。


 今日はその働いている姿を見て、ピーンと来る物があった。料理とか一緒に出来ないだろうか? よく考えたら、シルキーたちにキッチンの使い方を教えた時以外、あまり料理する事がなくなっている気が……色々教えたりはするけど、料理を一から作る事ってほとんどなかったのでは? と思う。


 みんなで楽しむ、タコ焼きやお好み焼き、ピザ生地へのトッピングは別枠だ。他にも、ソーセージ作りのような加工系もカウントは無し! と考えると、思い出せないくらいには料理をしていない気がするのだ。


「という事で、俺も料理したい!」


 ブラウニーを1人捕まえてそう言ったら、スカーレットが連れてこられてもう一度同じ事を言った。


「何がどうしてそういう事そういうなのかさっぱりわかりませんが、ご主人様も一緒に料理をしたいという事でしょうか?」


 スカーレットは、全く説明無しに俺が言った「という事で、俺も料理したい!」という言葉の意味を完璧に理解してくれた。かなりビビっている。普段ならこの後に色々説明して納得してもらうのだが、その工程が今回は無かったのだ。


「と言いましても、料理の知識や技術の多くはご主人様に教えていただきましたが、普段している様な仕込みなどは、しっかり役割分担をして調理していますからね。いきなりご主人様を入れても邪魔にしかならないんですよね」


 話を聞くと、ホテルとかの調理場に素人がいきなり入って調理に参加すると言った、無謀な挑戦になってしまうようなのだ。そんな状況だと、任せられる役割として皿洗い位だろうとの事だ。


 皮むきやカット等の下ごしらえは、調理が始まる前にまとめてやるが、それにも参加できないくらいには俺とブラウニーの技術には差があるらしい。細かい説明を受けると、俺にはできそうになかった。


 簡単に言えば、切り方1つとっても何十種類とあり、料理料理に適した切り方、厚さがあり、それに適した火の通し方があるのだとか。特に、フランス料理の技法の名前を言われても、俺にはさっぱり意味が分からん! ポワレするとかスエーすると言われても、何の事か全然わからないのだ。


 邪魔にしかならないという事が分かったので、ソーセージみたいに加工品の体験みたいな事は出来ないか聞いてみると、それなら問題は無いようでダンジョン農園にある加工場に行く事を勧められた。


 って、ダンジョン農園に加工場なんてあるんだな!


 ちょっとワクワクしながらダンジョン農園に向かった!

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

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