1244話 サイズ感が……
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次に着た場所は、馬車で移動した先、家畜エリアだ。
「あれ? 建物が変わっているのは分かるけど、めっちゃ広くなってないか?」
「そうなのです! 保護した人たちがここで働きだしてから、家畜から作られる加工品の人気が高くなったので、グリエルさんが正当な報酬として何か欲しい物はないか? と聞いた所、もっとおいしい物を作りたいという事でエリア拡張を希望されたため、広くしています」
「それって、正当報酬じゃなくね? ただの施設投資じゃん」
「もちろん、施設拡張を報酬としたわけではありませんよ? 拡張とは別に、報酬として良い生活環境になるようにあっちの方に新しく住むための建物と言いますか、集落がつくられています」
そう言って指さした方向には壁しかないけど、門があるからその先が集落になっているのだろう。
来たばかりのあの人たちは、生活できる場所だけでも十分だといって、貢献していないのにいい場所なんてと言って、結構劣悪な環境で生活していたからな。環境が良くなるのは良い事だ。
加工品となれば、清潔にして作ってもらいたいしな。
「なるほど、ダンジョン農園との違いはあるのか?」
「そうですね。最近ダンジョン農園で作られた物は、ご主人様や関係者、各街の領主代行や領主館に派遣されている人たちで消費されています。ディストピアで売るにしても、高級品過ぎてたくさん売れる物ではありませんでしたし、あそこの物で現金収入があると面倒なのです。ですが、希望が少しはありますので、少量だけ卸しています」
あそこで作っている物は、超高級品みたいな感じか。という事は、
「その代わりに質は劣りますが、大量に生産できるように工夫された技術を持ったここの人達が代替品として作ってくれた加工品が人気がある感じですね」
そう言いながら馬車は進んでいく。
到着した先は、
「水牛の牛舎になります」
「水牛? 水牛で何を作っているんだ?」
「それはお楽しみです。話は通してありますので、中に入っていきましょう」
中に入ってびっくり、
「おぉ、でけえ! 水牛ってこんなにデカかったのか?」
目の前にいるのは、体高が3メートルちかくある牛がそこにはいたのだ。でもさ、これって俺の知っている牛と違うのだが……
「そうですね。普通の牛はここまで大きくはありませんが、ダンジョン農園で行われた品種改良された水牛を、こちらに持ってきて育てています。知っていますか? 水牛って、普通の牛乳をとる牛とサイズは同じなのになの、その牛と比べると5分の1くらいしか牛乳を出さないんですよ」
知らなかった。牛ってみんないっぱい出すものだと思ってたよ。
っておい、娘たちよ! 怖くないのか? めっちゃはしゃいでいて、母親に近付くようにお願いしている。そしてペチペチと叩いていた。水牛が賢いのか、鼻先を差し出して撫でるように要求していた。
「で、この隣には同じく品種改良された、牛乳のたくさんとれる牛もいます。食用の牛もいますが、それはまた別の場所で育てています」
「へ~同じ牛なのに、育てる環境が違うんだ。何か意味があるのか?」
「もちろんありますが、その前にここでの加工品を紹介させてください」
そう言って水牛と普通の牛の牛舎の隣に建てられた工場のような場所に入っていく。そこで目にしたのは、
「あそこでしぼられた牛乳をここでチーズに加工しているのか」
そこには見た事のある機材が並んでいて理解した。俺が知っている物とはちょっと違うが、その理由はすぐわかった。
「お酒好きのドワーフの方々が、安くチーズを食べたいという事で技術の粋を込めて作った機材が納品されたんです」
との事だ。あいつらかなり金を稼いでいるのに安いチーズって……
「あの方たちは高給取りなんですが、大衆居酒屋で浴びるように飲むのが好きなんですよね。居合わせた人たちにもお酒をすすめ奢るので、安く大量にでないとお金が無くなってしまうそうです」
マジか! 無駄使いとは言えないけど、お酒や雰囲気に全力すぎないか? それとは関係なしに、気になる事がある。
「そういえばさ、気になったんだけど、チーズをたくさん作るのであれば、水牛は向いていないんじゃないか?」
「それなんですが、移住してきた人たちの話では、チーズは加工品なので生という言葉が正しいのかわかりませんが、生や生に近い状態で食べるチーズは水牛がいいそうです。普通の牛乳で作るのは、熟成させるのに使うのがいいそうですので、こういう形になりました」
そう言って、何かを取り出す。
「どちらがどちらの牛乳だと思いますか?」
見た目的には同じ牛乳なのだが、片方はちょっと色が付いている気がする。
「そう聞くって事は、何かあるんだよな。こっちの真っ白なのが水牛?」
「そうです。この白い方が水牛の牛乳で、これがモッツァレラチーズ等の作ってすぐや、1週間程度で食べる物に使い、普通の物は熟成させるものに使っています。後、パルミジャーノレッジャーノの作り方を教えて、作ってもらい始めています。あれはどこでも人気ですからね」
そういって、シルキーたちが俺が教えたパルミジャーノレッジャーノ作りをここの人に伝授したようだ。
「お昼にここで作ったチーズと、この後に見に行く食用の牛を実食してもらう形になります」
そう言って次の場所に移動を開始する。
「「「おっきい!」」」
娘たちが広大に広がった草原を見てそう声をあげた。確かに広いのだ。ぱっと見た感じでも俺の街であるディストピアが何個も入るくらいでかい。
「でもさ、なんでこんなに起伏が激しいつくりになってるんだ?」
「えっと、ここの人に教えてもらった所、平坦な土地で育った牛より、こういった起伏の激しい所で育った牛の方が、赤身肉が美味しくなるそうです」
個人的に霜降りより、赤身が好きだって言った俺の意見がここにも適用されている感じか?
「ちなみに赤身肉については、ご主人様の意向だけでは無いのです。生えている牧草だけで育った牛の赤身がとても美味しいとのことなのです」
「だからこれだけ広い牧場を準備したのか、すげえな。ノーマンが準備したと思うけど、グリエルが良くこの広さの開拓に踏み切ったな」
「それは……ドワーフのお爺ちゃんたちの圧力ですね」
あの酒飲み共の所為か。さすがのグリエルもあの圧力には勝てなかったか。
「って、俺の目がおかしくなければ、あの牛も水牛みたいにでかいのか?」
「水牛よりは小さいですが、一般的な牛よりははるかに大きいですね」
娘たちは大きな牛に大はしゃぎして疲れたのか、船をこぎながらウトウトしている。
「移動時間もあったので、少し昼食の時間を過ぎていますが、あちらで準備をしていますので、行きましょうか」
エレノアが牛舎と牧場の説明が終わると、食事を準備してようでキッチン馬車のある場所へ移動する。妻の数とシルキーが少なくなっていた理由は、食事の準備のために離れていたって事か。
昼食、という言葉が聞こえたウトウトしていた娘たちが、
「「「ごはん!」」」
と言って目を覚ましている。
そんな様子を見て俺や、ミリー、カエデ、リンドが苦笑する事となった。
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