1213話 戦利品の回収
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1つ目の街についた。名前は……覚える必要もないから気にしてもしょうがないか。
先に出発して勧告していた部隊はいたが、改めて街に攻め込む事を通告している所だった。もちろん聖国の街も無抵抗とはいかず徹底抗戦の構えであるが、先の戦闘に送り出した兵士がいないためおそらく相手にもならない。
誰が襲ってくるか分からないので、武器を持っている者、襲い掛かってくる者、警告にしたがわない者は、殲滅対象になる事を通告している。兵士が隠れていたりした場合は、近くにいる人間も殲滅対象になるので注意するように! といった感じだ。
この最後の通告文は、前にも使った覚えがあるな。街の人間……民間人に恐怖を与え、自分たちが殺されないようにするために、俺たちの敵……街の人間からしたら味方なのだが、それを差し出すように仕向ける作戦だ。
前に使った時は、予想以上の効果を発揮していたから、今回もある程度の効果は期待できるだろう。だけど、警戒を緩める理由にはならないので、しっかりと警戒はするように!
門に近付こうとすると、城壁の上から矢の雨が飛んでくるが、その中で1人だけ矢の雨を気にせずに突っ込んでいく影がある。小柄でスカルズの装備に似たような物を身に着けているのはライガだ。
専用装備を受け取り、それを身に着けているライガには、あの程度の矢の雨では傷すらつけられない。ただでさえ強かったライガが、手に負えなくなっている気がするが大丈夫だろうか?
そのまま門にぶつかり……弾かれた。さすがに一撃で壊せるほど軟な門では無かったようだ。ライガは普段使わない武器を取り出した。自分の背丈より大きなウォーハンマーだ。片方は槌の様に打撃面が平べったく、反対側がつるはしのように尖っている。
何度も門に打ち込むと、門が耐えきれずボロボロになっていく。何度目の攻撃か分からないが、とうとう閂を壊し門が完全に開いた。
ライガはそれで止まる事なく進んでいく……おぃ!
それを追いかけるのはスカルズのメンバーだ。しばらくすると、城壁の上で戦闘が起きていた。それを見た兵士冒険者が一斉に門の中に雪崩れ込んでいった。
門の近くには、軍事施設があるようでまずはそこの制圧が始まる。ここを抑えられれば、拠点にする事も可能だと思われるので戦いやすくなる。
治療院の人は、かなりの数が野戦病院に残っていたが、ついて来ている人もいる。そこに護衛を割かないといけないので、護りやすい拠点になる場所が街の近く、この場合は街の中になるが……あると便利なのだとか。
門が突破されると街の中にいたの大半の兵士は、どうやら投降したようだ。投降すると後が大変だからしないって話じゃなかったか?
いつの間にか近くに来ていたレイリーに聞いてみた。
「それは、戦争に出て行った兵士の話です。今回に限っていえば、もし死ぬまで戦えと住人が言った場合には、その住人も戦闘を煽った者として殲滅対象になりますからね。それに、門まで壊されて兵士のほとんどが戦場で死んでしまったこの街で、これ以上戦えと言う人はほとんどいないでしょう」
ん~初めに民間人には手を出さないって言ってるし、問題行動をとらなければ危害は加えられていない現状を見れば……言わないか? もしここで兵士が全員死ねば、俺たちが去った後の街の治安を守れる人がいなくなるから、拙いって分かってるのかな?
戦場に行った奴らには、死んで来い。残っている人間には死なずに守れ……って感じか? 自分勝手な奴らだな。
この街には軍事施設が4つあり、そこを全部制圧して、保管されていた武器防具を全部回収したようだ。
中には、投降した後に隙を窺って指揮官を狙って不意打ちを仕掛けようとしている奴もいたが、指揮官の護衛を突破できるわけもなく、その場で処刑されていた。
軍事施設が終わると、大店の商会へ兵士が向かっていく。どうやら、商会で雇っている専属の兵士がいるようで、勧告をしていた。
俺も一緒に街の中に入っているので、兵士の後を追って街の中の様子を見ている。護衛として、妻たちが全員周りにいるので少し歩きにくいが、俺の命が優先順位のトップなのでこういう対応なのだとか。
商会のトップは、戦えと叫んでいるようだが、専属の兵士だって命は惜しい。特に今回の勧告は悪辣だった。
できる限り街での人殺しはしたくないので、その目的を達成するためにある勧告をしていた。
要約すると、今回の戦争に関与していた商会を放置する事は出来ない。なので、商品や私財を差し押さえさせてもらう。邪魔をするのであれば、邪魔をした家族も同罪とみなし殲滅対象とする。
と言った感じだ。
本当に家族まで殺すつもりはないが、それはわざわざ言う必要はないだろう。専属の護衛を無力化するための方便だ。だけど、それを知らない相手から見れば、悪辣ともいえる一手だろう。
自分だけでなく家族まで危険にさらされるのだ。心理的にこれ以上動けなくなる者が大半だろう。
商会の一族は最後まで必死に抵抗していたが、すべて取り上げられた。殺すほど危険はなかったので、簀巻きにされ放置されている。他にあった3つの商会も同じ末路をたどった。
領主館は、到着した時にはもぬけの殻だった。蓄えられていたお金もすべて持ち出されていた。
街の外には出ていないと思われるが……マップ先生を見ると、街から1キロメートル程離れた場所を移動している一団がいた。領主が街を捨てて既に逃げ出していたのだ。
しかも、各門にはこちらの兵士がいるので、門以外から外に出た事になる。どこからは、別に今はどうでもいいか。
レイリーがウォーホースを使って追えと命令をすぐに出した。5分後には100騎の兵士が追いつき、街に戻る様に誘導していた。
この街で回収するすべての物を回収したので、最後に逃げ出して守る事を放棄した領主一族を街の中心地で処刑して、街を後にする。
次の街まで半分ほどの距離になると、空が暗くなってきたため野営の準備に入る。俺たちが始めた馬車を使った野営地の作成を真似て、馬車を並べテントの屋根になる布と革を張っていく。
この方法だと、4つの馬車と中心にポールを使えば200人位を収容できる空間が簡単に作れるのだ。強い風には弱いが、今日は無風に近いので問題はないそうだ。
次の日には、2つ目、3つ目の街も問題なく処理が終わり、次の日の4つ目の街で問題が発生した。
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