表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンマス(異端者)  作者: AN@RCHY


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1210/2519

1210話 戦闘の終結に向かって

アクセスありがとうございます。

 腕の中で何かがバタバタ暴れる感覚で目を覚ます。そういえば、ダマを抱き枕にして寝たのを思い出し、抱いているダマを解放する……と見せかけて脇の下に手を入れて持ち上げる。


『主! 目を覚ましたのなら解放してほしいですにゃ!』


「やだ。モフモフがいなくなるこの寂しさを今は味わいたくない!」


 ショックを受けたダマは、獣の顔なのにガーンという擬音が聞こえるような顔をしていた。


『それは困りますにゃ』


 そう言うと、ダマが何やらモジモジし始めた。


『そろそろおトイレに行かないと、爆発してしまうのですが……』


 どうやらトイレに行きたかったようなので、解放する事にした。意地悪してここでもらされても困るからな。


 目を覚まして夜の報告をしに来たレイリーの副官の話を聞く。


 どうやら、大きな問題も無く日が明けたようだ。問題と言えば、戦死した敵兵の回収に時間がかかり、回収部隊が休憩に入ったのが2時間程前だったとか。


 という事は、後方の処理部隊も頑張ってるって言う事だよな。確かあの部隊は、結構な人数がいるけど昨日の夜からずっと活動していなかったか?


 どうやら、疲れた人から休憩にはいる緩い感じで作業をしているらしい。だけど、そうするとサボる人間が必ず出てしまうので、何人かで一組になり一定量の処理をしないと、お金がもらえないシステムになっているのだとか。


 サボり過ぎるとお金がもらえないので、みんなが注意しあって作業をするので効率がいいのだとか。


 無理して作業をさせているわけでは無いみたいなので安心した。


 最後に、おそらく今日も聖国は攻めてきます、と。今回に関しては、もう何度も衝突しており和解はあり得ない状態まで来ているため、全滅するまで攻めてくるとの事だ。


 厳しい世界だな。昨日、この世界の常識を1つ知って、和解がない戦争に突入している事を理解している。けど、色々思う事があるな。


 2時間もすると昨日と同じように聖国が攻めてきた。そうするとレイリーから連絡が入る。


『シュウ様。朝は自分が報告に行けず、申し訳ございませんでした。戦闘が始まった今連絡をさせていたのは、今日の戦闘の事で相談がありまして』


 わざわざ俺に相談? どういう事だろうか?


 よく話を聞いてみると、


 おそらく、今日の夕方までにこの戦場が終わるとの事だ。まだ半数位は残っているはずなのに、今日中に終わると聞いて疑問に思って聞いてみた。


『今の衝突で敵兵が半数を失った段階で攻めに転じます。それまでの時間が2~3時間だと思われます。そこから殲滅戦が始まると思いますが、今回は敵兵に撤退がありませんので、夕方には処理が終わります』


 との事だった。では何で相談が必要なのか? と思ったら、


 聖国の騎士や兵士は皆殺しにするのが決まっているが、騎士や兵士以外、いわゆる、冒険者や傭兵の処遇をどうするかという話だった。


 こういう戦場では、負けが決まると生き残っている冒険者は逃げるのが普通らしい。冒険者は根無し草が基本なので、騎士や兵士みたいに住人に責められる事は無いらしい。そもそも、勝てなければお金も入らないので、負けると分かってその戦場に残る冒険者はいないのだとか。


 それって敵前逃亡じゃん! って言ったら、冒険者は生き延びてなんぼの職業なので、ギルドも戦争に参加する冒険者には、負ける前に逃げろと言っているらしい。


 条件的に逃げたら罰せられる状況というのもあるが、今回は指名依頼で戦争に参加しているだろうが、勝つ事が決まっているといった感じの進軍だったので、逃げる際の決まりが無かったと思われる……だってさ。


 だけど、冒険者は殺さなくても問題は無いが、逃げたならともかく逃げられない状況で、殺さずに捕えた場合はどうしましょうか? という相談だった。


 そう言われても、俺には分からん! なので、


 軍に任せる。殺すも捕らえるも自由にしてくれ、と伝えた。


 そういえば、ダブルの冒険者が3人、シングルの冒険者も複数いたんだったな。スカルズの持っている毒竜の武器で毒にやられ、て戦闘不能にはなっているけど、撤退せずにまだ残ってたんだっけ?


 状況的に撤退しているかと思ったが、ダブル以外はまだ戦闘が可能な奴らが多かったので、兵士に混ざって戦闘している様だったのだ。


 リーダーが動けなくなった時に逃げていれば、巻き込まれなかったのに……まぁ、敵対してしまい、しかもこちらの人間を行動不能にしているし、殺された人もいる。戦場に残っているなら、ロクな事にならないだろうな。


 色々な情報が魔導無線を通じて入ってくるが、重傷者が出ても回収されエリクサーなどを使って、一命はとりとめている。ケガで戦線を離脱したこっちの兵士の比率が昨日に比べてかなり多い、その数1000人を超えていた。


 レイリーの考察では、昨日突撃してきた騎士兵士は、使い捨てレベルの弱い奴らだったのではないか? という事だった。それを聞いてマップ先生でレベルを調べると、確かに低レベルの敵兵がかなり減っていた。


 そのため今日はレベルの高い騎士兵士に冒険者が混ざって攻めて来ていたようだ。昨日の戦闘で疲れさせて物資を消費させて、今日の戦闘に少しでも有利になる様にしたのだろう。残っている兵士の半数を消費した捨て身の作戦か?


 とはいえ2割以上の兵士が、戦線を離脱したって、勝っている状況とはいえ不味くないか?


 負傷兵1000人の内1割に当たる約100人程が重傷で戦線を離脱している。その100人は重傷を負ったため、エリクサーで治っても感覚が微妙にずれてしまっているので、戦線には戻れないらしい。


 負傷兵の内900人は戦線に戻っているため、大した影響は出ていないらしい。地球とは違い、負傷しても戦線に戻れる……戻される、かなりブラックな状況じゃないか?


 他の軍でもここまですぐに戦線に戻れることはないらしい。ポーションもヒーラーも少ないため、重傷でなければ回復の対象にならないため手当てを受けて待機らしい。


 そして、殲滅戦が始まり塹壕からこちらの軍が外に出始めた。その先頭にいるのは……ライガ、お前か!


 1人で突出して、待ち構えている聖国に突っ込んでいった。さすがに放置はできないので、レイリーがスカルズにお願いして援軍に行かせていた。


 そこからは蹂躙劇始まった。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ