1202話 今後の展開
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レイリーが出て行ってから、俺は改めてライガの事を考えた。
装備については、身近にいて訓練も行ったレイリーが手配する事になったので、俺は手に出さない事にした。
ライガ……10歳と言っていたが、同じ年齢の子どもからすると大分小さい気がする。シュリも出会ったときは他の妻たちに比べて気持ち小さかったが、ライガはそれ以上に差があると感じた。
英雄症候群の所為で体を作る栄養が取られてしまって、成長が遅れたのだろうか? 半年前って事は、もっと目に見えて小さかったのかもしれないな。
栄養状態が改善して、話にあったようにガリガリでは無かったが、それでも同じ年代に比べて小さく見える。話だと、シュリのようによく食べるそうだ。
英雄症候群であれば、それくらい食べるのが普通なのだろう。空腹状態でも大人の冒険者相手に力負けしないって言うんだから、反則じみた肉体能力だよな。だけど本来のパフォーマンスを発揮するには、食料が10倍近くかかる。
それは普通の家庭では……いや、ある程度裕福な家庭でも相当厳しいはずだ。文字通り自分の身を削りながら、母親と妹の事の面倒を看ていたのだろう。
でも、これ以上の肩入れは良くないよな。同じような境遇の子なら、ディストピアにはそれなりの数がいる。家族全員が奴隷落ちして、病気の家族は売り物にならないと、すぐにでも死にそうな状態の所を助けた者もいると聞いている。
戦争に出るから……戦力を考慮して、装備の融通くらいは肩入れしてもいいと思うが、さすがにこれ以上をするとなると、贔屓しすぎだよな。
そこで考えるのを止めた。これ以上の考えは、ドツボにはまりそうな気がしたのだ。
さて、ライガの事はレイリーに任せよう。俺は俺の仕事、責任を果たそう。
聖国の被害は大きいが、主力が残っている上に数は圧倒しているから引く事は無いだろう。おそらく聖国の指揮官は、俺たちの陣地内で戦ったための不利だと考えているに違いない。
だけど、少し考えればわかるだろうに……相手の陣地内とは言え、聖国側の最高戦力のダブルの冒険者の3人が負傷して、継続戦闘が不能になっている。それが不利だからと考えるのはあまりにもおろかだ。
部分的にでも戦況を覆す事ができる存在が、シングルと呼ばれている冒険者たちなのだ。しかも、それより高位のダブルが負傷したという事は、同等以上の戦力が相手にいるという事だ。普通ならそんな状況で戦争を継続しないと思う。
可能性としては、指揮官は冒険者に頼らずに何とかできると考えている。そして、ダブルの冒険者の実力を見当違いしている所だろう。もしかしたら、冒険者を排除したい勢力の可能性もあるが、そもそもそれならこの戦場に聖国にいるダブルの冒険者を全員派遣する事は無いだろうな。
ん? そう考えると、こちらの戦力は予想以上に強い事になるな。死人は出てるけど、こちらに負ける要素はないか?
いや、油断は禁物だ。練度の高い神殿騎士が10000人、こちらの全戦力の倍はいるのだ。それに一般兵もまだ後から来て15000人を超えるんだ。数を見れば、籠城戦をしても負けるレベルで差がある。
でも、作戦を考えるのは俺じゃない。何かあった時に俺が責任をとれるように準備する。
みんなは寝てるかな? 時間的には寝る前位だと思うけど、今回俺が用事があるのは、夜目の中でも一番下であるシェリルたちなのだ。ちょっと様子を見に行こう。
妻たちはこの砦では、各組毎に部屋が分かれているので、年少組の使っている部屋に足を運ぶ。
年少組の皆は、俺の従魔をブラッシングしていた。そういえば、近くにいるのが聖獣の3匹だけだったから、他のメンバーが何処にいるのかと思ってたら、かまってくれる年少組の部屋にいたのか。
クロやギンなんて、もっとしてくれ! と言わんばかりに、腹まで出して年少組にブラッシングを要求してやがる……そんな奴にはこうだ!
出してる腹をワシャワシャしてやる。
ビックリしたギンは、跳ねるように起きてあたりを確認する。俺を見つけると、甘えたような鳴き声をするが、お前の様子見てたぞ! と視線で訴えると、何も見たくない! と体で表現しているのか、伏せてから前足で顔を覆った。
そんな様子に年少組が笑っているが、用事があるんだった!
「なぁ、ネル。聞きたい事があるんだけどいいか? 今、腕の中で気持ちよさそうに寝てるリバイアサンなんだけど、いざって時は協力してくれそうか?」
「ご主人様や私たちの誰かがお願いすれば、力を貸してくれると思うよ。ただ、ミーシャちゃんたちに会えなくて拗ねてるみたいだけど」
リバイアサンは、シェリルたちとも仲がいいようだが、ミーシャたちとも仲がいいようだ。そういえば、壁と溝を作った時に、溝に水がないって娘たちが騒いだ時に水が流れる様にしてたっけ。
協力をしてもらう時は、娘たちの負担にならない様に遊び相手になる事を条件とかにしたら、喜んでやってくれねえかな?
まぁそこら辺は本当に必要になった時に考えよう。もし拗ねて言う事を聞いてくれないのであれば、やりたくないけど、隷属魔法の力を使ってどうにかするしかない。
いざという時は何とかなるだろう。
だけど、いざという状態にならない様にするべきなんだ。そのために、下準備として壁と溝を作ったり、塹壕をつくったり、竜騎士に爆弾壺をなげさせたりしてきたのだ。
レイリーは、ダブルの冒険者に対抗するためにスカルズのメンバーに連絡をつけ、前線に出張ってもらったのだ。
でも、この状態からできる事って何があるのだろうか?
俺は戦場に出るわけではないので、寝不足でも問題ない。考える時間はいくらでもあるのだ。っとその前に、
「みんなは早く寝るんだぞ。後、シェリル・ネル・イリア、俺が対応できない状態でレイリーから援護要請が来たら、その時はリバイアサンにお願いしてくれ。それでダメだったら、バッハやダマ、シエル、グレン……ワイバーン家族にお願いしてほしい」
よく分かっていないようだったが、了承してくれた。従魔たちは、俺の言う事よりこの3人のお願いの方をよく聞くからな。
さて、必死に考えよう。
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