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ダンマス(異端者)  作者: AN@RCHY


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1141話 デート中に別メニュー

アクセスありがとうございます。

 梅紫蘇ジュースを堪能した俺たちは、もうすぐ昼食の時間だという事を知り、1時間程昼食の時間を遅くしてもらう事にした。


 動いて遊んだので、ガッツリとお腹は空いているのだが、梅紫蘇ジュースをちょっと飲み過ぎたので、食事をするのはもう少し後にしたかったのだ。


 その1時間の間に何をするかと言えば、飲み物を飲んで少し休んだとはいえ、水の中で全力で遊んでいたので体が火照っているのだ。先ほどから全然汗が止まっていない。年中組の妻たちがみんな色っぽく見えるが……ってそんな事言っている場合ではない!


 火照った体を冷やすために流れるプールでみんなでくつろぐ事にしたのだ。


 浮き輪やいかだタイプの物、イルカやワニ等好きな物をチョイスして泳がずに流れに乗っている。


「ご主人様は、こういう風に遊びたかったのですか?」


 リリーは器用にイルカの浮き具に乗りながら聞いてきた。


「ん~ちょっと違う気もするけど、こんな感じでゆっくりとしたかったんだよね。水かけもあんなに本気じゃなくて、冷たい! やったな! でお返しするような優しいやつをね」


「あっ! それって、学園漫画や恋愛系のマンガで何か見た事がある! でも、楽しいのかな? ってずっと思ってたんだよね。激しい水かけあいっこの方が私は、楽しいと思うけどな~」


 そんな本を読んでいたジュリエットが浮き輪を枕のようにして、仰向けになりながらそんな事を言っている。


「まぁね。世界が違えが価値観が違うさ。同じ世界でも場所や種族が違えば、考え方も違うような物だよね。それに、最初からあの水かけあいが目的だったら、あれはあれで楽しいと思うしね」


 その後は他愛のない話をしながら、火照った体を冷やした。昼食の前にシャワーを浴びてさっぱりとした。


 シャワーを出るとブラウニーが待っており、食事をする場所へ誘導された。


「おぉ! 今日はいきなり、船のてっぺんでバーベキューか! なんかいいな!」


 海辺や庭でするバーベキューとは違い、なんだかいい雰囲気だ! しかも、俺が作った覚えのない窯まで準備されていた。ピザでも焼くのかと思ったら、その窯の中では鳥が1羽丸々焼かれていたのだ。


「今日は御希望のあったバーベキューです。ですが、少し趣向が違いますのでゆっくりと楽しんでください!」


 途中まで火を通してあった焼き鳥やスペアリブ等を、ブラウニー達のスキル【メイドの嗜み】から取り出して焼き始めた。


 色んな肉を炭火で焼くのではなく、少し手のかかった料理を目の前で仕上げてくれている感じだ。とにかくにおいがたまらない!


 焼き鳥はいろんな部位があり、注文に応じてドンドン焼いてくれた。ポンジリ、セセリ、皮、モモ等々、とにかく注文して堪能してしまった。


 俺はお酒は好きでは無いので、ブラウニー特製の辛口ジンジャーエールで、仕事帰りのサラリーマン達のようにプハー!と言いながら飲んでいる。このジンジャーエールの甘味は、王蜜が少しだけなのでビールよりは体にいいとブラウニーは言っていた。本当かどうかは知らないけどね!


 ブラウニーを交えながら、1時間程食事を楽しんだ。最後に窯から出された丸々1羽の鳥を食べれるかな? って思ったが、特製調合ハーブのおかげか食が進んでしまい、ぺろりと完食。さすがに食べ過ぎてしまったので、ブラウニーも一緒に食休みをする事にした。


 そういえば、ブラウニーがこんな風に休憩している所って、めったに見られないよな。かなりレアだ!


 夕食の仕込みに関しては、年中組の皆と話はついているのか休憩後にみんなで行うらしい。俺も手伝おうとしたが、俺はくつろいでいてほしいとの事だ。


「暇になったな」


 特製の寝床でくつろいでいるダマを突きながらそう言ってみた。


『午前中にあれだけ楽しんで、食事もいっぱい……ケプッ……食べたので、ゆっくりしていればいいにゃ』


 食後1時間は経過しているのに、まだゲップをしているダマだった。どれだけ食ったんだよ!


「そういえばさ、最近お前太ってないか? ちょっとフォルムが前よりも、丸くなっている気がするぞ?」


『そんな事はにゃい!』


 勢い良く否定した事も、噛んでしまった事も全然隠しきれていない感じだな! それより、太らないと思っていた従魔だが、しっかりと運動をしているという事だろうか? ニコはともかく獣タイプの従魔は、かなり食欲旺盛なんだよな。


 俺の前ではぐーたらしている姿しか見ないけど、もしかしたら陰で運動しているのかもしれないな。今度、ニコみたいに何しているのか見てみるか!


 それより、ダマをどうするか……別にたくさん食っても、俺の懐は痛まない位稼いでるので問題ないのだが、さすがに俺の護衛としてよく行動するお前が俊敏さが無くなったら……妻たちに怒られるんじゃないか? 太っちょペットも可愛いけど、お前はその枠じゃないだろ?


 シエルは今、湖の中を泳ぎながら危険がないかシールドと確認しているし、グレンも船の周りを飛んで魔物をけん制してくれているのに、ダマときたら……


 ん~ちょっと相談してみるか。


「カエデ~いるか~」


 魔導無線で娘たちの部屋に声を届ける。


『え? シュウ? 朝出発したばかりなのに何かあったの!?』


「ん~何かあったと言えばあったんだけど……モニターにつなげていい?」


『本当に何があったの? 今繋げるね』


 一応プライバシーのために、娘たちの部屋にいる母親の誰かが許可しないと、双方の映像が見れないようになっているのだ。


 画面が黒から切り替わると、娘たちを抱いた3人の妻が映る……娘は可愛いし、妻は美人だな~何て思いながら、ダマを前に抱きかかえる。


『ダマがどうかしたの?』


 リンドがそう聞き返してくる。母親たちの腕の中で、娘たちがあーだー言っている姿は可愛いが……


「何か見て思わない?」


 しばらく沈黙が続いて、ミリーが


『前よりちょっと太ってない?』


 そう言われてみれば、とリンドやカエデも頷いている。


「それはそれで可愛いかもしれないけど、ダマが護衛している事が多いじゃん? みんなが護衛は絶対に付ける事! って言ってるでしょ? その護衛がこの状態でもいいのかなって思って聞いてみたんだよ」


 そう言われて3人は、はっとしていた。何やら話し合いを始め……


『ダマ! あなたダイエットしなさい! 食べる量を減らせとは言わないわ! 食べ多分しっかり動きなさい! もし船の上にいる3週間で衰えてるってわかったら……どうなるか分かっているわよね?』


 カエデの迫力にダマが、首がちぎれるんじゃないかと思う程早く縦に振っていた。


 こうして、俺と妻たちのデートの間にダマはダイエットをする事になった。


 でも、どうやって衰えたとか判断するんだろうな?妻たちの匙加減だったら、大丈夫じゃない気がする。頑張れ、ダマ!

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

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