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114話 光精霊と闇精霊

アクセスありがとうございます。

「あらあら、レムちゃんにシェイドちゃんですね。元気してたかしら?」


「あ! ウンディーネの姉御!」


「あらあら、口の悪い子ね。姉御じゃなくてお姉ちゃんでしょ?」


 アクアの言葉と行動が全く伴っていなかった。優しい言葉をかけているのに、闇精霊の頭がアクアの手によってキリキリとしめられていた。


 闇精霊は頭をつかまれて、いたーーーーいと足をバタバタさせている。ノーマン・ガルド・アクア・メイはあまりサイズは変わらないのだが、光精霊と闇精霊は一回り小さく見える。


 四大精霊たちは、成人した人間を1m程に圧縮した外見に、各属性の色の髪に衣をまとっているような感じだ。


 ノーマンは男性型で茶髪の坊主だ。硬そうな土色の衣服を着ている。


 ガルドは男性型で赤髪の短髪の逆毛だ。常に燃えている炎の服を着ている。


 アクアは女性型で水色のウェーブのかかった腰まで伸びている髪だ。水で出来た衣の水が常に流動している。


 メイは女性型で緑色のボーイッシュなボブカットだ。服は緑色の風が渦巻いている服だ。


 光精霊と闇精霊の見た目は、身長八十センチメートル位の五頭身の漫画チックな外見だ。


 光精霊は女性型で落ち着いた印象で、白いストーレートの髪だ。服は虹色の生地を何重にも重ねたような不思議な感じだ。


 闇精霊は男性型でいたずらっ子の様な印象で、オールバックのセミロングだ。服は黒色に黒いもやがかかった不思議な感じだ。


 キリキリ頭を絞められている闇精霊を救出して名前を付けることにした。光精霊はシルク、闇精霊はツィードに決めた。よく分からないが名前を付けてあげると、喜んで両側から抱き着かれた。何か子犬にじゃれつかれている感じがするな。とりあえず今回の主な目的は、奴隷の首輪についてなので聞いてみよう。


「ツィード君、早速で悪いんだけどこの首輪について何か分からないかな?」


「ん? 見せて見せて!」


 しばらく奴隷の首輪をこねくり回していると、気になったシルクちゃんも一緒になってみていた。


「うん、分かった! これって僕の技術を使った首輪だね。多分、着用者に命令を聞かせる感じの物だよね?」


「おぉ~流石だね。それで聞きたいのは、この首輪をつけている人間から強制的に外すことはできる?」


「ん~僕は拘束する系の術式を作るのは得意だけど、解除は得意じゃないんだよな。シルクちゃんなら解除系が得意じゃなかったっけ? 僕が術式教えたら解除できない?」


「術式が分かれば解除できると思いますよ? ツィード君、ちょっとどんなものか教えてもらってもいいかな?」


 奴隷の首輪を見せながら、そこに使われている魔導具の技術、術式を何やらゴニョゴニョと話し合っていた。


「なんだ、こんな簡単な術式を使ってたんだね。これならツィード君も解除できるんじゃない? それにこの部分を書き換えれば、生半可な技量じゃ解除できなくなるのにね。何でこんな解除しやすい術式使っているんだろうね?」


「シルクちゃん、ツィード君、もしかしたらそれを作った人間が、自分に着けられた時の事を考えたんじゃないかな? 自分でも解除できるように余白を残した可能性が考えられるわ。


 時間が経つにつれて術式が分かる人がいなくなって、現存する物をコピーして使ってるんじゃないかしら? 私は術式については全くわからないから、何とも言えないけど」


 ん~よくわからないが、魔法と魔導具の技術は全く違うのだろうか。そもそも術式術式っていうけど、意味が解らないな。確か娘たちに作らせた魔導具は、回路みたいなものを作って、そこに魔力を通すと魔導具としての効果を発揮するんだよな? あれ、これが術式って事か?


「さすがアクアの姉御! 確かにこの術式なら自分で解除でk・・・イダダダダ!!!」


「ツィード君の口は悪い子ですね」


 アクアがまた笑顔でツィード君の頭を鷲掴みにしていた。


「確かにアクアお姉ちゃんの言う通りかもしれませんね。基本的には命令を聞く事と命令がない限り他者を攻撃することができない様になってますが、解除する行為は命令より上位の許可が出てますね。てっきり他人が解除する時の物かと思ってましたが、この術式でしたら自分でも解除できる」


 問題なく奴隷の首輪は解除できるようだった。合わせて一部を書き換えるだけでさらに強力な奴隷の首輪になるといういい情報をゲットできた。


 シルクちゃんとツィード君を、アリスとライムの魔導具作成組に合流させたら、もっと性能のいいものが作れるんじゃないか?


「シルクちゃん、この前俺たちを襲撃してきた奴らから、奴隷の首輪を解除してほしいから付いてきてもらっていいかな? ツィード君には外した奴隷の首輪を、加工してもらいたいけど問題ないかな?」


「もちろん! でも、加工ってどんなことしたらいいんですか?」


「自分で解除できない様にと、命令にそむけない様にできるか?」


「ん~奴隷の魔導具では、そこまでは無理だよ。ペナルティーは与えられるけど、命令に従う従わないは本人の意思だもん。でも、命令を聞かせたいなら奴隷の首輪をつけた後に、一時的に魅了とかすればいいんじゃないのかな? 奴隷の首輪の効果を書き換えた後なら、情報は引き出せるはずですよ」


 ツィード君、意外に賢いな。アクアとの絡み的にみてポンコツかと思ってごめん。


「じゃぁ、シルクちゃんとツィード君、今から行くからお願いね。後ピーチ、シュリを連れてきてもらっていいか、あの牢屋の前で待ってるからよろしく」


 シルクちゃんとツィード君だけで行くつもりだったが、四大精霊も気になるようでみんなついてくるようだった。空腹で力なく俺の事をにらんでいる奴隷兵を見ながら、シュリの到着を待った。


「シュリ、忙しいところ呼びつけてごめんな。念のために来てもらったんだ。レイリーとピーチは、奥の2人をみといてくれ。シュリはこいつを抑えておいてくれるか、首の位置を見えるように抑えてほしい。じゃあシルクちゃん外してもらっていいかな?」


「了解です。こうやって……こうやって、こう! うん、完璧! じゃぁツィード君、後はよろしくね!」


 おぉ、もう解除が終わってる。そんな簡単に外せるもんなのか? 自分で外せるようにしてあるんだから当たり前か? おっと、奴隷の首輪を外された奴隷兵が、目をひんむいてこっち見てるな。


 そりゃ驚くか普通取ろうとしたら死んじゃうんだから、死なずにとられたら何が待ってるかなんて明白だもんな、南無。


 こんなことやってる間にツィード君の作業が終わったみたいだ。


「ほぃ、ご主人様。終わりました。ご主人様に着けてもらっていいですか?」


 頭を撫でながら奴隷の首輪を奴隷兵につけた。他の2人にも同じことをして作業を終了する。さて情報を引き出すとしますか。

読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

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