1115話 ダンジョンバトルのルール?
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『決まってないわ!』
無い胸を張って偉そうに言い放っている姿が思い浮かんで、ずっこけそうになった。
『失礼ね! 多少はあるのよ! 多少はね! ルールが決まっていないのは、あなたからも意見を聞いてすり合わせるためよ』
基本的に干渉しないとか言ってたのに、めっちゃ干渉してくるのは気のせいだろうか?
『そんなの、全部あなたが悪いのよ! 無駄に神たちを楽しませてしまったあなたがね! 他に言えば、神のダンジョンを攻略しちゃったのも原因があるわね! ダンジョンバトルの無敗だって、すべてがあなたのせいだと言っているのよ!』
なんか言い争うのが面倒になるくらい言いきられたな。とりあえず、ルールを決める必要があるのか、ルールって言っても、縛りみたいな物だろ?
『そうね。使っていいDPの制限だったり、使っていい魔物のランクの指定だったり、武器防具の制限だったりいろいろあるわね』
ん~自分で決めるとなると面倒だな。抜け道とか潰すのも面倒だしな。念のため聞くけど、ルール違反するとどうなるんだ?
『ん~所持DPの没収とかかな? DPで出した物まではさすがに回収できないからね!』
まぁ回収されたら、お前に渡してるそれも没収されるもんな。
『……! 絶対に召喚した物は回収されないようにするわ!』
ビックリするくらい大きな声で宣言したな。ん~自分で考えるとあれだから、向こうから提示してもらったルールとかない?
『無いわね。必要なら今聞いてこようか?』
おう、よろしく頼む。
とりあえず、今日は仕事しなくても大丈夫なので、家に戻って対策を練ることにしよう。
「2人共、チビ神から連絡があって、どうやらダンジョンバトルをしなきゃいけなくなるみたいでさ、ここにいても仕事が手につかなそうだからディストピアに戻ろうと思うんだ」
「いいんじゃない? と言うか、私をのけ者にはしないよね? 今回は参加させてもらうからね!」
「某も知恵を貸すでござる。チビ神様とやらは無理難題を吹っ掛けるのが得意でござるからな」
と言う事で、バザールと綾乃も参戦が決まった・・・が、一応ここの管理者的役割の俺達がまとめて抜ける事に問題がないかをドワーフに聞きに行く。
「ん? シュウ様たちが工房を離れる? だから何だっていうんだい? いつも通りすぐに連絡はつけられるんだろ? じゃぁいつもと何も変わらないじゃないか。あんたたちは、開発担当みたいな物なんだから、仕事をしててもしなくても一緒だろ?」
なんて言われてしまった。俺たちの評価ってそんなもんなのか……3人で肩を落としながら、ディストピアに帰る事にした。
まず家に着いてからした事は、あらかじめ戻れるメンバーに声をかけておいたので、チビ神から連絡があってダンジョンバトルをしなきゃいけない事を伝え、これからその対策に入る事を話した。
次にした事は、ダンジョンバトルを見る部屋の拡張と、快適に過ごせるように改装をした。ただ、階段から若干遠いのでキャスリングを久々に使い、スプリガンの皆さんの努める監視室と一緒に移動させている。
その上で、俺の趣味部屋に直結できるように改造した。移動に関しては強引にエスカレーターを導入した。エレベーターにしようかと思ったのだが、スペース的な問題もあってエスカレーターになった。
それ以外にも、綾乃やバザールが寝泊まりする部屋に、俺の妻が来ても大丈夫なようにかなり広くリビングをとってある。リビングなんかは、近未来的な感じになっていてかなり違和感が強いけど、気にしない!
空間投影ディスプレイ等は無いので、壁のいたるところに有機ELのテレビを仕込んでいる。個々にも映像を映せるし、繋げて1つの映像も映せるようになっている。
まぁ妻たちも子どもの世話をしながら、ダンジョンバトルの様子を見れるようになっている。娘たちも元気の育っているので、問題ないだろうとの事でシルキーからも許可が出ている。もちろん、シルキーが待機する場所やキッチンも作っている。
早い話、家の機能をすべて詰め込んでいる。
俺以外の全員にそこまでする必要があるのか? みたいな目で見られたが、あたりまえやろ! ダンジョンバトルだって、1日中張りついていなきゃいけないわけじゃないんだから、手の空いている時は娘たちとふれ合いたいだろうが!
真面目な顔でそう言ったら、母親3人は呆れた顔になり、他の妻たちは苦笑い、バザールと綾乃は我関せずと言った感じで違う事を話していた。
ちなみに娘たちはタイミングよく「だー!」「あいー!」と同意を示してくれたので、お父さんとしては満足である!
俺の事を分かってくれる娘たちでありがたいな。そんな事を赤ちゃん言葉で言うと、さすがに馬鹿言ってるんじゃないよ、と母親3人に軽く蹴られた。蹴られたのは、3人共娘を抱いていたからだ。
そういえば、スミレとブルムはミリーに抱かれる事が好きなんだよね。最近分かった事だけど、ミリーの耳が気になるようでピクピク動いている様子を見てよくつかもうとしている。ただ、無暗につかまれると痛いので毎回注意している。
まぁまだ言っても分からないので、軽く言っているだけだ。ただミーシャの猫耳にも興味を示すスミレとブルムなので、3人で近くにいる時しに耳に手を伸ばしたら、さりげなく母親たちで阻止をしているようだ。
コルクマットを敷き詰めたリビングに、娘たちでも登ろうと思えば登れる低いソファーに寝転がりながら、チビ神の連絡を待っているうちに意識が薄れていった。
『あんた! 私が話に行っている間に何寝てるのよ!』
んぁ? 涎を垂らして寝てしまっていたらしい。ネテナイヨ?
『そんなバレバレの言い訳するんじゃないわよ!』
いや……様式美だろ?
『むしろ寝起きでボケるとか、その根性がおかしいわ!』
ほめるなよ! 照れるだろ?
『ほめてないわよ! って、前にもこんなやり取りがあった気がするわ。ふぅ、あなたのペースのままだと疲れるから放置放置。よし! 先方と話をしてルールが決まったわ』
チビ神から説明されたルールは、
DPの上限は無し、召喚できる魔物の数は各階100匹まで、ダンジョンは10階まで、攻める魔物は100匹まで、ダンジョンは一から作る事、ん~ガバガバなルールな気がするな。大丈夫かこれ?
とりあえず、これ以外の説明は無かった。
『最後に、バトル開始は1週間後だけど問題ない?』
ん~2週間欲しいな。久しぶりのダンジョンバトルだから、じっくりと考えたいという理由でよろしく。
『ふ~ん、考えたいという理由ね。って事は期待していいのよね?』
お前さんがどう期待しているか分からないけど、全力で頑張るさ。心強いブレインが俺以外にも後2人いるからな。
『分かったわ。あっちにはそう伝えておくわ。前日にまた連絡を入れるから、それまで準備しておいてね』
さて、準備を始めるか!
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