1105話 お風呂に入れて初めて分かった事
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ゼニスからの報告を受けた後、何故かゴーストタウンの中を歩く事になった。バザールも綾乃も、特に忙しくないから言ってくれば? みたいな感じで送り出してくれた。いちいち2人の許可をとる必要はないけど、一応な。
何か重要な話でもあるのかと思ったら、本当に街の中を散策しながら歩くだけあった。おっさんと街中デートって……誰得だよ!
昼食前には工房に戻ってこれたので、ブラウニーが用意してくれた昼食にがっついた。帰りに良い匂いのしていた露店で買い食いしなくてよかった。
美味しい食事があると分かっていても、充満する匂いや美味しそうな音を聞いていると、誘惑に負けて食べてしまう時があるんだよな。そして後悔する。
午後は、なんか仕事が手につかず、午前中にゼニスから聞いた普及状況についた考えていた。
便利道具って誰でも欲しくなるわけじゃないんだな。それすら買うお金がない人たちだってもちろんいるし、そもそも必要ないと思っている人もいるからな。
結局のところは、買うのは消費者であって俺たちが押し付ける物ではないから、個人の判断って事か。
それにしても普及状況より気になったのが、工房で作ってる便利道具の数だよな。娘たちが産まれる前からちょこちょこやっている事を考えても、半年って所だろ? それなのに万単位でミキサーや洗濯機、脱水機を作っている事になるんだよな。
多すぎね?
スキルが効果を発揮しているからと言って、そんなに作れる物なのだろうか? 実際に作れているからできちゃうんだよな。精密機器は作れないけど、下手な工場より生産能力が高いな。
そんな事を考えていたら、すでに終業の時間になっていた。今日一日何してたし俺!
そんな日があってもいいか。本来なら働かなくても問題ない位にお金はあるし、今現在もDPを稼ぎ続けているしお金に困る事なんてないもんな。養う人間が万単位になっても、問題なく養えるくらいの経済力が俺にはある!
だから何だって感じだよな。働かずに家でゴロゴロしている所を娘たちに見られて、学校の作文とかでうちのお父さんは仕事に行かずに、一日中家でゴロゴロしています! 何て発表された日には……
そんなこと考えるだけで怖い! 何もしていないダサいお父さん! なんて言われたくないからな!
帰りの魔導列車でそんな事を考えていた。
そして家に帰って軽くシャワーを浴びる。娘たちに会いに行くためだ。お風呂とは別に、汚れた状態で娘たちに合うのは禁止されているので、しっかりと汚れを流している。
そういえば娘たちが、自分の名前に反応するようになったんだよな。名前を呼ぶと声のする方を向いて呼んだ人を探す仕草をしたりするのだ。それがまた可愛いのなんのって……
他にも、娘たちの間では言葉が通じているのか「あい!」とか「だぁ!」とか、言葉にすらなっていない声に反応して、他の2人が同じ方向を向いたりするんだよね、あれ何なんだろう?
さて、娘たちは何をしているかな? 部屋に入る前に、静かにするように言われたので寝ているのかな?
そーっと部屋の中に入ると、娘たちがくっついて寝ていた……可愛いな。
俺と一緒に寝てから、娘たちを一緒に寝かせてみたりしているらしい。そうすると3人で通じ合っているのか、何かを話しているように見えるらしい。まぁ見えるだけで会話っぽいそれらも深い意味は無いんだろうけどね。
で、その後に寝ると、今みたいにくっ付いて寝る事があるらしい。今はみんな同じ方向を向いて、ミーシャを先頭にスミレ、ブルムの順で背中にくっついて寝ているのだ。団子状態……もちろん写真に収めた!
母親たちも俺の気持ちが分かるみたいで良かった! すでに写真は撮った後だったみたいだ。
あれからうつ伏せに寝る事もあるみたいで、怖い所もあるみたいだが、シルキーの話では何の問題も無いらしい。で問題がある時は、猫やケットシーが気付いて体で押して状態を変えてくれるんだってさ。ケットシーはともかく猫、どんだけ万能なんだよ!
娘たち3人だけでも可愛いけど、その万能猫が娘たちの周りで思い思いに寝ている様子も可愛いんだよな。
中には野生を忘れて、腹を出してあおむけで寝ている奴もいるし、腹を撫でても嫌がらずに、撫でている相手を確認して更に寝る位だ、図太いな。
「シュウ、3人で話したんだけど、前からお風呂とか入れてあげたいって言ってたじゃん? 下のお世話はあれだけど、お風呂ならいいんじゃないかって話になったから入れてみない?」
始めカエデに言われた言葉が理解できずに、目をぱちぱちさせていた。どうやらお風呂に入れてもいいらしい……声をあげようとして、すぐに口を抑えられた。
ごめん、娘たちが寝ているんだった。
この後、小さな声でシルキーたちの言う事を聞いて入れるんだよ。でも、3人共入れるのは無理だから、今日は一番成長の早いミーシャをお風呂に入れてね! との事だった。
娘たちのお風呂は、専用のお風呂を作っている。そして、俺は念のためにミーシャをお風呂に入れる前に、全身を綺麗に洗ってから入れる事にした。
ミーシャは最近良く動くので、おぼれないように注意して、一緒にお風呂に入る方がいいと言われていたのだ。とはいえ、俺からしたら腰位までしかお湯を張らないので、一緒に入るという感覚とは違う気がするけどな。
お風呂に入れる親組は、ぴったりとした服を着て入れるみたいだ。俺も服を渡されて着替えてから、ミーシャを抱きかかえてお風呂に向かう。
初めにミーシャの体を簡単に洗って、湯船の中で髪の毛を洗ってほしいとの事だった。
娘たち専用のお風呂には、洗うための湯船、浸かるための湯船、キレイに流すための湯船が準備してある。
無駄! とか思わない! 全部に共通して言えるのは、常にお湯が供給されている事だろう。それならシャワーで誰かにかけていてもらえばよくないか? とも思ったが、一応理由があった。シャワーだとお湯が跳ねるので、出来るだけ使わない方針だとか。
洗う湯船に入ってあぐらの中にミーシャをすっぽりとハメ、頭の位置を内膝の所に来るように調整して、ミーシャの猫耳にお湯が入らないようにタオルを当て耳を抑えて、お湯をすくいかけるようにして洗っていく。
途中で何度かスカーレットに注意されたが、概ね問題ないとの事だった。
今日思ったのは、獣耳の赤ちゃんの髪の毛洗うのって大変だな……
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