1082話 緊急事態
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ブラウニーが慌てた様子で俺に駆け寄ってきた!?
先週の事があるので、慌てるようなことはしないぞ!
「ご主人様! 王国にあるご主人様の領内に、ダンジョンができたようです!」
……? はぁ?
「それ以外の事はよくわかっていないのですが、至急ディストピアにお戻りください!」
俺の掌握しているアリア内にダンジョンができた? マジで意味が分からんのだが……だけど、放置するわけにはいかない内容だ。
移動を開始しようとして、転んだ。
頭が混乱しすぎて、体がしっかりと動いていないようだ。呼びに来たブラウニーに立たせてもらい、自分の体を確認しながら、再度歩き出す。
こういう時は少しでも考える力が多い方がいい。
「バザール! 綾乃! ちょっと来てくれ」
2人を呼んで、今分かっている俺の掌握したエリアに急にダンジョンができた事、これからディストピアに戻って対策を考えるため一緒に来てほしいことを伝える。2人は快諾してもらえた。
工房に関してはブラウニーたちに一任して、ドワーフたちが暴走しないように監視してもらう事にしている。まぁ俺たちがいないからって暴走するような事も無いけど、状況が分からないので俺が対応できるか分からないため、何かがあった時のためにブラウニーに任せてある。
俺の混乱は収まってはいないが、魔導列車に乗ってディストピアに帰っている途中だ。
「それにしても、掌握していたエリアに急にダンジョンができたってどういう事でござるか? 確か掌握したエリアに干渉するためには、そのエリアの起点になっているダンジョンコアに干渉しないとできないのでござらんかったか?」
「私もそう聞いてたんだけど、何があったの?」
「俺も報告を受けただけだから、本当によくわかってないんだよ。それに、俺も掌握したエリアに干渉する方法は、コアに干渉すること以外知らないんだけど、そのコアは俺でも入るのに苦労する所に設置してあるから干渉できるわけないんだよな……
ゴースト系なら物理法則を無視して入れるかもしれないけど、その時間の記録をさかのぼってみてみたけど、監視カメラにもダンジョンマスターの能力でも何も確認できていない」
どうやって俺のエリアにダンジョンを作ったか不明なのだ。あ、何でダンジョンがあるのか分かったかと言うと、フレデリクにいる俺の……違うな、グリエルの部下が直接見に行って確認しているそうだ。そんな危ない事させるなよ、と思ったが誰かがやらねばいけないという事で命令したそうだ。
後で、ねぎらってやらねばな。
分からない事を考えても仕方がないので、頭を切り替える事にした。
「ダンジョンができたのは分かったでござるが、どうするでござるか?」
「放置はできないから、ダンジョンを攻略する必要があるかもしれないな。攻略できてもできなくても、ダンジョンマスターがいないタイプのダンジョンだとしたら、魔物があふれる可能性があるから、ダンジョンの入口の周りに壁を作る必要もあるかもな、ダンジョンマスターがいても必要か」
「そうね。私はダンジョンについてよくわかってないけど、放置するのが良くない事は分かるわ。小説みたいに、迷宮都市みたいに作るの?」
「あ~、確かにそうした方がいいかもしれないな。どんなものがドロップするのか、どれだけ深いのか、どんな地形なのか、全く分かっていない状況では都市を作るわけにはいかないけどな。とりあえず、壁と監視役位は最低でも置く必要があるな」
そんな事を話している間にディストピアに到着した。
ダンジョン農園の一角に作られた、今まで使われた事のない大会議場に人が集まっている。ディストピアやゴーストタウンの主だった人間で、俺がダンジョンマスターと知っている人間がここへきているようだ。
離れた場所で活動しているスカルズは、魔導無線により傍聴する形らしい。他にもグリエルとガリアの息子、モーリスとテオも魔導無線による傍聴のようだ。意見があったらそのまま発言するようにお願いした。カエデ・ミリー・リンドの3人は、娘たちが優先なので会議の様子を娘たちの部屋で見ているとの事だ。
お父さん頑張るよ!
ちょっと物々しいけど、それだけの緊急事態と言う事だ。気を引き締めて話し合う必要がある。
「えっと、現状は聞いていると思うけど、再度確認します」
そう言って話し合いが始まる。今俺が知っている事を話して、補足をスプリガンやグリエル達がしてくれている。と言っても、やはり分かっている事が少なすぎる。なので、やはり確認に行く必要がある。
「まずは、土木組とスカルズに先行してもらって、ダンジョンの入り口周辺に壁を作ってもらおうと思う」
「ご主人様、ダンジョンの影響下にある所だと魔法で干渉できないですよ?」
「それなら大丈夫だ。みんなに教えたアースサージでダンジョンの影響下にある場所を埋めてその上に壁を作ればいい。それに今回使う土はDPで召喚した物を使ってもいいから、ダンマスのスキルを使えるバザールやノーマンにもいってもらうぞ。後、治水に関しても知識が欲しいかもしれないからアクアも頼む」
ダンジョンの影響下が狭ければよかったのだが、結構な広さがあるため、ただ壁を作るだけだと、半径5キロメートル位の壁をたてる必要が出てくるのだ。それだけで一つの街がすっぽり入ってもおかしくないサイズの壁になってしまう。
「後は、少なくとも監視するための人員を置かなきゃいけないから、老ドワーフたちとその弟子も連れて行こうかと思う。今のうちに住ませておかない事があったら、早めに片付けておいてくれ。俺は一応先行して向かうグループについていく」
妻たちから反対が出たが、もしコアがあるなら直接行かなければならない事と、ダンジョンの周りが整ったら、一旦フレデリクに戻ってドッペルを使って先に潜る事にすると言って強引に押し切った。妻たちも全員ドッペルでの参加になるので、安全の確認が取れたらみんなで潜る事になるだろう。
分からない事をこれ以上話しても仕方がないので、とりあえず先行して向かうメンバーを集めフレデリクに向かう事にした。スカルズは今いる場所から直接フレデリクに行ってもらう予定だ。
さて、何が待っているのやら。
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