1047話 娘たちの成長
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そういえば、俺の子供たちが声を出し始めた。
娘たちが産まれてから約1ヶ月が経過した。娘たちにも変化が現れたのだ。
まだ「あ~」とか「う~」とかしか声を出せないのだが、その様子が可愛くて身もだえしてしまいそうだ。子どもたちに優劣をつけるわけではないが、ミリーの娘は獣人で猫耳猫尻尾であるため、赤ちゃんとしても可愛いのだが、子猫みたいでもあって可愛いのだ!
それにしても、パパは君たちの声が聞けて嬉しいぞ! 早く何かを喋ってくれるようになってほしいな! 健康に関しては、チビ神に賄賂……ゲフンゲフン……貢物をして加護をもらっているので、多分大丈夫だろう。
あんな感じでも一応は神だからな!
『一応って何よ! これでもちゃんとした女神様なんだからね!』
自分で『これでも』とか言っちゃってる時点で、微妙なのは自覚しているようだな。それにしても、聞こえるはずのない空耳が聞こえてくる気がするな。娘たちはみんな可愛いな……
『ちょっ! 何言ってんのよあんた! 空耳じゃなくて念話ですから! って、こいつ全く人の話を聞いてないわ。あなたなんか、将来娘たちに嫌われる呪いにでもかかればいい……わ? あれ? 何で寒気を感じてるのかしら?』
空耳でも言っていい事と悪い事がある。この空耳をどうにかしないといけないか?
『ちょっと! 私が悪かったから! 謝るから許して! 本当にごめんなさい!』
ん? 何かあった気がするけど、まぁいいか。
それにしても、まだはっきりと物を識別できていないと思うが、おもちゃを目の前で動かすと目で追ってくれるのだ。その様子が可愛くて身もだえしてしまいそうだ。
なんて、娘たちと楽しい一時を過ごしていたら、スカーレットに頭をハリセンで叩かれた。無駄に良い音が出るようになってきたな。娘たちも初めはびっくりして泣いてしまい、すべて俺の所為にされていたのだが、最近は何が面白いのかこの音を聞くと笑ってくれるのだ。
なんでか分からないけど、娘たちが笑ってくれるのは嬉しい。笑うと言っても笑顔で手足をバタつかせるだけだけどね。それでも、笑ってくれるなら!
「そんな体を張る必要はありません!」
俺の考えを先読みしたかのようにスカーレットが、言葉を挟んできた。
「それより何時間もお子様たちと遊ばないでください! みんなが疲れてしまいます! それにもうすぐ、授乳やオムツを変えないといけないので、邪魔ですから出て行ってください!」
そんな事を言われた? まだ10分位した経ってないけど? さすがにオムツ交換や授乳は早いんじゃないか? さっきしたばかりだろ?
「何をそんなに不思議な顔をしてるんですか? ご主人様がこの部屋に入ってからすでに、1時間30分近くが経っています! その間、おもちゃを目で追う様子が可愛いからって、ずっとそんな事をしていたら嫌われますよ?」
……なん……だと。俺が娘に嫌われるのか? そんな事になったら、俺はどうしたらいいんだ!?
「嫌われたくないのでしたら、さっさと部屋から出て行ってください。これからは私たちがお世話をしますので! いつもの時間的に、授乳とオムツ交換が終わったら寝ると思いますので、今日はもうだめですよ!」
嫌われたくないので部屋を出ていこうとしたが、オムツ交換なら俺だってできるんだから、手伝ってもいいんじゃないか? 俺の娘だし世話をしてもおかしくないよな? 従兄弟の兄ちゃんが、従兄弟の姉ちゃんの子どものオムツ交換させられてたりしたんだから、俺がしたって……!
「いった~~!!」
「痛いじゃありません! この世界では、貴族……領主は直接子供の面倒を見る事はありません! そんな事をしたら、家全体が侮られてしまうのです! ですから、ご主人様はこのまま部屋を出て行ってください! そして私たちの仕事をとらないでください!」
すごい剣幕でまくし立ててくるが、娘たちには聞こえないよに、超至近距離ですごまれて言われたら、出ていくしかないよね。俺も娘たちの世話をしたいんだけどな……
ってか、領主は子育てに参加しない! みたいな事言ってるけど、俺、丸投げ領主だし! 普通の領主と違うんだから、お世話に参加しても良くない? って、なんか今とても寒気を感じた。あたりを見回すと、娘たちの部屋の扉からこちらを見ている目を発見した。
すいませんでした!
無言でその意思を伝えるためにその場に土下座した。
シルキーの仕事はやりがいであるため、とってはいけないという事を改めて心に刻まれた形となった。とりあえず、する事が無くなったので、最近従魔たちが集まっている部屋に俺も乗り込む事にした。
従魔たちが集まっている理由は簡単である。まだ実物を見せてもらえるのがスライムだけなので(ケットシーは護衛なので除く)、娘たちの姿を見るために、写真が自動でスライドしていく部屋が準備されたのだ。
これには従魔たちも大喜びして、俺の護衛は新人のダマ、シエル、グレンの3匹に任せっきりになっている。
娘たちに見とれている従魔たちも可愛いので、娘たちの写真を見ながらブラッシングをしてやるのだ。
ただ所々で、スライムが写っておりニコがはしゃぎだすと、恨みがましい目をしてニコを見る従魔が何とも言えない。ニコだから平気だろうが、これが、フレデリクの騎士団長だった男であれば、視線だけで殺せるのではないかと思う程、濃い殺気を放っているのだ。
仮にも俺の従魔同士なんだから仲良くしてくれよ。それとニコ、仲間の従魔をあおるような行動は慎んでくれ!
その殺気も今日撮った新しい写真が映し出されると霧散して、食い入るように見ている。
俺には昨日と今日の写真の違いはよく分からないが、従魔たちにとってはその違いがはっきりと判るらしい。どういった能力なのか分からないが、ダマに通訳させると、どこどこが0.1ミリ程大きくなっているとかいうのだ。写真でそんなことまでわかるのか?
娘達の写真コレクションは、1ヶ月しか経っていないのに1000枚を超える枚数になっている。まぁ、1日に30枚。3人いる娘を毎日たった10枚しかとっていない程度の枚数なので大した事では無いだろう。
自分の親世代の写真であれば多すぎると言いたいところだが、デジタルカメラだからパソコンさえあれば写真をいくらでも保存できるからな!
夕食の時間を告げにアマレロが来るまで、娘たちの写真鑑賞会が続いた。
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