表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
101/2519

101話 フレデリクの街の改革

アクセスありがとうござい

 みんなに五日間、便座の作成の修行をしてもらった。俺が初めにお手本を見せてからやってもらったためか、特に問題なく修行が進んでいた。


 もともと魔法を使っていた、ピーチ・キリエ・アリス・レミー・ジュリエット・ライム・イリアの七人は、この数日で実用に耐えうるレベルのものを作成できるようになっていた。二十二人いうち七人か。


 三分の一のメンバーが作れるようになった。三人一組にして作らせれば、それなりの数のトイレを作れるかな? 余った一人とレイリーを護衛につければ、俺が外出するのも問題ないだろう。


 まぁ、その前に地下の空洞を作ってかないといけないんだよな、がんばろう。


 地下への入り口は一ヵ所にするべきだろう。となると、どこに入口を作るかが問題になってくるな。きちんと管理してくれる場所に任せられるならそれがいいんだよな。


 貴族に任せたら何するかわからんからな、フレデリクとリーファスはスライムに任せる予定だから、色々な証拠隠滅に使われる可能性だってあるかもしれない。小説とかの貴族の事を考えれば、ありうる話だ。


 となると、管理がしっかりしている場所となれば、やっぱりギルドだろうな。スライムが増えすぎたら処理してもらわないといけないから、冒険者ギルドがベストかな?


 入口は誰でも入れる場所に作ると勝手に入って、経験値にする馬鹿どもがいる可能性があるので、ギルドの職員と一緒に入るクエストを定期的してもらう必要があるな。もちろん街の管理の一部なので、メルビン男爵もちでやらせる。


 スライム自体は弱い魔物なので、ランクの低い冒険者の経験値にもなって安く雇えるので経済的だろう。冒険者ギルドの職員は、全員それなりの戦闘力があるので、ランクの低い冒険者には安全に経験値を稼げる場所になるかな? うむ、我ながら良い考えだわるくない!


 そうと決まれば冒険者ギルドのマスターに話を通しに行こう。今日の護衛は、キリエ・リリー・チェルシー・ジュリエットの年中組の四名だ。街中の移動だけなのに、過剰な戦力じゃないだろうか? なんてぽろっと口にいたら、キリエに大目玉をくらってしまった。


 それによって三十分も出発が遅れてしまった。怒られた内容は何ともむず痒くなる物だった。だって、私たちにとって、ご主人様が如何に大切な存在か。その大切なご主人様に傷でも負わせようモノなら、他の娘たちに何をされるか……仲は大丈夫なのか?


 そしてご主人様に何かあれば、私たち全員が命尽きるまで元凶を追い回して、報いを受けさせてから後を追います! と言われてしまえば、気持ちが重い以上にむず痒くなってしまう。下手なことは口にできないぞ。


 そんなこんなで、三十分遅れて出発したが無事に冒険者ギルドに到着する。


「ミリーさん、こんにちわ。ちょっと相談したいことがあるのですが、ギルドマスターはお手すきですか?」


「あ、シュウ君。マスターですか? 今日は特に予定はなかったはずなので、奥で事務処理をしてると思います、見てきますね」


 ミリーさんの言った通り、特に忙しい様子がなかったようで、ギルドマスターに連れられて部屋へ移動する。


「えっと、シュウ君。ミリーから聞きました、が何やら相談があると……どう言った内容でしょうか?」


「さくっと要件に入りましたね。えっと相談というか協力していただきたい事がありまして。それは、冒険者ギルドの管理下にある場所から地下への入り口を作りたいんです。衛生面をよくするための施設を、地下に作りたいと考えているんです。その入口の管理をギルドでしていただきたいと思いまして」


「ちょっと待ってくれないか。衛生面をよくするっていうのはどういうことだい? その施設を作ると何が変わるんだ?」


 みんなと同じような疑問を口にしてきた。とりあえず、かみ砕いて説明をしてみる。衛生がよくなると病気の菌が繁殖しにくくなって、病気にかかる人が減る事。


 施設=下水道と言っていいのだろうか? 排泄や生ごみの処理施設を作る事と、それを利用することによって、街のにおいや綺麗な街並みにすることができると熱く語ってみた。


「ふむ、衛生面のいい街の中心に近い住人の方が病気になる人が少ないのはそういう理由があったのか。だが、地下にその排泄物などの病気のもとが貯まるようにするんだよね? その入口がここにあると衛生的には大丈夫なのかい?」


「そのことですが、地下に近くの沼にいるスライムを連れてきて飼おうと思いまして。スライムは何でも消化してきれいにしてくれるからちょうどいいと思いす。まぁ、実験的に作りたいわけです。


 一応スライムを使うわけですので、戦闘力のある冒険者ギルドに入口を作らせていただけないかな、と相談しに来たんです。色々消化したスライムはどんどん増えていくので、ギルド職員同伴でランクの低い冒険者に依頼を出して、ついでにレベル上げに使えないかとも考えています」


「なる程、そういう事なんですね。それでトイレとやらはどうやって準備するんですか?」


「みんなで、その施設までの穴を掘れるように訓練してまして、トイレも魔法で作れるようにしています」


 この後も色々な質問を受けたが、娘たちがしたような質問も多かったので、順々に答えてマスターの疑問をどんどん解消していった。


 この施設を作るのが俺たちで、今回は実験の意味合いが強い事を理解してくれた。これが成功したら、俺のもう一つの支配下にあるリーファスの街にも、同じものを作る予定であることを伝えると、賛成してくれた。


 二つの街で問題なければ、きちんとした作り方を文章にまとめて、他の街の貴族に売り出してもいいことを話したら、マスターに苦笑されてしまった。


 理由を聞いたら、貴族はそんなことに金を使わない。貴族にとって住人は入れ替わる税金を収める道具みたいな認識だと、教えられた。やっぱりそういう貴族が多いのか、嫌になってくるな。


 色々話し合って許可がもらえたので、地下への入り口を職員専用のスペースに作らせてもらった。俺が階段を掘っている間に、チェルシーに便座の作成の修行が終わってる魔法組とノーマンを呼んできてもらうように伝言をする。


 約三十メートル程縦堀りして、クリエイトゴーレムを使って階段を頑丈に作り、魔核を使った修復機能をつけておいた。ちなみに、クリエイトゴーレムで魔核を作る際に修復機能を組み込むと、ある程度の損傷は自動修復されるようになる。


 魔法組が来たので、どんどん穴を掘ってもらう事にした。掘る時に、魔力で干渉する部分に気を付けてもらいながら、ある程度の空間を掘ってもらう。適度な間隔で俺が、クリエイトゴーレムで柱を作って天井と床も滑らかにしていく。


 柱にはDPで出したEランク魔物の魔石を魔核にして修復機能をつけたものを埋め込んでおいた。見える位置にあると絶対に盗むバカが出てくるので見えない様に工夫している。


 街の下に地下を作るのにかかった時間は、約十日間程だ。何に時間がかかったかと言えば、土を収納にしまって運ぶ作業だ。入る上限が決まっているので、何度も行き来をしなくてはならなかったためだ。


 ある程度土の入った収納のカバンが増えたら街の外にもっていって、土を山積みにしても問題ない場所に捨てに行っていたので時間がかかった。後は各家と広場にトイレを作れば衛生面の改革はひとまず終了だ。


 メルビン男爵の所に行って、各家と街の広場にトイレを作る事を告知しろと、脅して周知させてからトイレづくりをはじめ、すべての作業が終わったのが大体三週間程かかった。一週間ほどで街に告知が終わってそこから二週間で家にトイレの設置が終わったのだ。


 告知に使った一週間で農業の改革をするために、農業ギルドに行って説明したら、諸手を挙げてお願いされてしまった。


 今回は実験の意味が強いので、場所を提供してくれる農家を紹介してほしいと言ったら、すべての農家が立候補してきて大混乱になった。農家の人たちに色々聞きながら使いやすい配置に水路をひいて、畑を囲むように壁を建てて入口は管理しやすいように門の近くに作っている。


 壁は侵入しにくいように四メートル程の高さにして、外側には二メートル程の深さの下り坂と返しをつけて侵入しにくいようにしている。ちなみに下り坂の部分で掘った土を使って壁を作っている。


 今までの様に簡単には侵入できなくなったのでおそらく収穫量に響くほどの被害が出ることは少ないだろう。

読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 面白いです! まだ読み初めの序盤付近ですけど、ダンジョンマスターの力をフルに使わず、現地人の力でも街の設計ができるようにしているところを見て、感心いたしました。 [気になる点] キャラクタ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ