1008話 続・状況報告
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あっという間に3日が過ぎた。
カエデもミリーもリンドも調子がよさそうだ。だけど、あまり運動をさせてもらえないせいか、ストレスが溜まっているような気がする。
カエデとリンドなんて、鍛冶は運動じゃないから問題ない! とか言って、工房に行こうとしてスカーレットに大目玉をくらっていたくらいだ。
かといって、俺に出来る事は話を聞いたりするくらいしかできないからな。それも、俺の家に出入りするおばちゃんたちが、3人の話を聞いてくれるし、アドバイスもしてくれているみたいなので、俺は温かく見守るくらいしかできないよ。
最近は、俺の家の近くに作った総合施設、本当に何でもできる施設だ。そこで、料理教室だったり、裁縫教室だったり、ブラウニーが開催するあらゆる家事スキルの勉強会が人気で、おばちゃんたちが良く来るのだ。
そこで、3人が妊娠してる事を知って、気にかけてくれているみたいなのだ。おばちゃんたちに……本当に感謝なのだ。
今度、お世話になった人たちって言うと贔屓になりそうなので、3人が出産して落ち着いたら、ディストピアでお礼のお祭りみたいな事でもしようかな? 花火大会みたいにはいかないだろうけど、飲み食い自由なパーティーでもいいか? 来たい人だけ来てくれ! みたいなのでもいいよな。
っと、そろそろ庁舎に行かないとな。今日もいつものメンバーを連れてグリエルの執務室へ向かった。
「お待ちしておりました。そこまで進展が無かったので、報告する事はあまりありませんが、サクッと報告していきます」
冒険者と盗賊軍隊は、まだ遭遇しておらず戦闘にはなっていないようだ。
神殿騎士団は、予想していたよりも早く略奪された街に到着して、怒り心頭になっているらしい。疲れているだろうが、街の復興を助けているようだ。
冒険者ギルドの関係者達は、今日の野営地で準備したすべての馬車と合流できるそうだ。それと、俺たちが調子に乗って作った馬車が有能過ぎて、冒険者ギルドのマスターがロールスクリーンの秘密だけでもいいから、教えてくれと泣き付いてきたそうだ。
あれって、見た事あれば、大した手間かからないと思うんだよな。実際、布なんかは棒に巻き付けて計り売りしている問屋だってあるのに、思いつかないのだろうか? あれくらいなら、教えても損がないし許可を出しておこう。
知ったからといって、馬車に使えるように仕上げられるかは別なんだけどな。俺たちは、クリエイトゴーレムに、DPによる召喚、力仕事はゴーレムがいるから出来る裏技みたいなものだからな。
馬車を持っている冒険者たちには、どれくらい恩恵があるか分からないけど、商人たちからしたらテント分のスペースが空けられる画期的なモノだろうからな。ギルドマスターが知りたがるのは、よくわからないけどな。
「そういえば、冒険者ギルドの関係者が移動を開始してからすぐに、横のつながりのあるギルドが軒並み揃って、トルメキアを出ようと移動を開始していますね。かなりの数が移動をしているので、運が悪ければ後発の人たちは聖国に捕らわれるかもしれませんね」
「それは面白くないな。教皇に言って各ギルド関係者で、トルメキアから出ようとしている人たちは狙うなとでも言っておくか?
神殿騎士団は、しばらくあの街で復興活動するだろうし、復活した兵士たちも呼びよせられるだろうから、時間はあるよな? いざとなったら、バッハに飛んでいってもらえば何とかなるだろうし、そうしよう!」
細かい情報や、街に来た聖国の人たちの途中経過みたいなものも聞いた。ほぼ100パーセント、自分たちなりに必死にやれることをしているようだ。余裕が出れば先の事も考えれるようになるだろう。
ほぼと言うだけで全員では無かったのが残念だ。家族を連れて来ていない、独り身の兵士2人が街でストレス発散のために強姦をしようとしたらしく、行為に至る前に発見できたが、女性はかなり心に傷を負っていたようだ。
そのままゴーストタウンに連れていかれ、ホモークの生活する空間にぶち込まれたそうだ。
そのホモークは最近変な趣味に目覚めたのか、人に見られることに興奮するらしく、見物人がくるとそういう行為にいたるそうだ。
初めのうちは、欲望が制御できずに時間など関係なく襲っていたが、欲求が満たされてくると恥ずかしくて行為は人がいない時に行われることが多かったらしい。それが今は、変な快感を覚えてしまったらしく人がくると行為に及ぶのだから、俺は近付きたくない!
それにしても、聖国って歪んでるよな。自分の国で略奪等をされれば怒るのに、自分たちがする分にはでっち上げの大義名分で、複数の街を襲って住人を連れ去るんだからな。
やられるのがいやなら、やるなって言う話だと思うんだけどな。
盗まれる前に盗め! ってわけじゃないだろうし……俺がいくら考えても分かる訳ないか。
今回は成り行きで介入したけど、本来なら無視する予定だったっけ?
思ったのは、簡単に国の関わる案件に頭をつっこまない方が良いって事だな。
だって、報酬も受け取れなかったし、トラブルも多かったし、何より不快な思いが多かったしな。
「じゃぁ、今度はいつくればいい?」
「そうですね。明日だと状況が動いてないと思いますので、また3日後くらいにお願いします。もし状況が大きく変わるようでしたら、こちらから使いを出しますのでお願いします」
そういう話になり、報告会は終了した。
思ったより時間が余ったな。久しぶりに何か料理でもしてみようかな?
「……と言う事で、ブラウニーの皆さんよろしくお願いします」
「ご主人様のためでしたら、この位どうって事ないのですが、何を作られるのです?」
「普通の料理は、シルキーとブラウニーに任せた方がいいのは分かりきってる事だから、それ以外の、デザート的な何かで、簡単に作れてみんなの好きな物。特に、妊娠してる3人に何か作ってあげたくてね」
普通の料理、と言った時はブラウニーの絶望につつまれた顔をしていたが、任せた方がいいというセリフを聞いた瞬間に満面の笑みになった。
ブラウニーは、仕事、家事をとられる事をすごく嫌がるが、細かい事であればそこまででも無いらしい。
「で、何を作ろうかと思ったんだけど、ダンジョン農園、牧場? で品種改良した鳥たちの美味しい卵を使った、プリンなんかどうかな?」
「なるほど! プリンは最近食事に出してませんね。シュリ様以外は、体重に気を使っているようで、ヘルシーな食事をとる事が多いですからね」
ブラウニーが言うヘルシーな食事と言うのは、野菜中心とかそういう話ではない。タ〇タ食堂のレシピのように、徹底的に余分な脂などを除去したりしてヘルシーにするそれだ。
とはいえ、運動量の多い妻たちは、そこまで気にする必要はないんだと思うんだけどね。前にみんなに突っ込んだら、妻たちに白い目で見られたけどね。それから、体形については突っ込まない事にしている。
準備した材料は、品種改良した鶏の卵、品種改良した牛の乳、王蜜、その他、作り方は簡単に、混ぜて温めて何度かこす。こした液をカップに注ぎ蒸し器で蒸していく。
その間に砂糖と水でカラメルを作っていくのだが、火加減を間違えて失敗してしまった。怒られたが、コツを聞いて何とか完成させることに成功した。
みんなが喜んで食べてくれて良かった。特に妊娠した3人は2つ食べていた。赤ちゃんのためにしっかりと栄養とってね。なんて言わなくても、シルキーが完璧に管理してくれているのだ問題はないだろう。
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