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ダンマス(異端者)  作者: AN@RCHY


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1003/2519

1003話 トルメキアの運命

アクセスありがとうございます。

 俺がディストピアに戻ってから11日目の朝。グリエルからの使いが来て、慌ててグリエルの執務室へ向かった。


「シュウ様。予想通り義勇軍が聖国の街で略奪を始めました。1日目は統制が取れていたようですが、2日目の朝、十分に食料が確保できていなかったのか、1組のチームが飲食店で食べ物を略奪したのがきっかけになったようです。


 報告によりますと、そのチームに気付かず放置してしまった結果、俺たちもしてもいいだろ? と言ったかたちで、止めようのないレベルにまで発展してしまったそうです。それでも何とか住人への被害は抑えられているようですね」


「やっぱり上位の冒険者でも4000人に対して100人前後だったっけ? 40倍はいるんだから、同時に事が起こり始めれば対処はできないよな。でも、食料まで略奪されるとなれば、抵抗は激しくなって、住民に被害が出て、今までたまった鬱憤をそこら辺の女性に晴らす奴が出てくるのも時間の問題か?」


「そうですね。だからと言って、シュウ様が悩む事なんて何もないですけどね。なにかしますか?」


「一応、リリスたちに冒険者ギルドの動きを伝えておいてやれ。あ~でも、今監視してる鬼人のメンバーの実力は、どの程度なんだ?」


「あの一族は、同数同レベルの戦闘になれば、おそらく世界最強の一族ですよ。レベルは300程で、一族の中では、中の上の実力らしいので、伝言を頼むには問題ない実力だと思います。伝言をさせますか? 内容は、冒険者ギルドの対応だけでいいですか?」


「それと一緒に、トルメキアがとる行動の予測と、聖国がとる行動の予測も書いといてやってくれ。リリスたちがどう判断するか分からないが、3つ目の街に攻め込むのは拙いくらいは考えるだろう。そこから先は、冒険者の自己判断だな」


「了解しました。それで内容は、冒険者ギルドの対応に対しては、ギルドの撤退と希望者に関しては……と言う部分を書いておけばいいですか?」


「そうだね。ついでに、リリスたちの契約も無効になる可能性もあるとほのめかしておいて。あっちに関しては、軍の金が出ると思うけど可能性の部分を強調しておいて」


「シュウ様も相当怒っているんですね。了解しました。適当に不安をあおるような内容も可能性として書いておきます。で、両国の動きに関しては、どう書きますか?」


「教皇に関しては、今回は見逃すって内容を書いて手紙を送ってるから、労働力を得るためにトルメキアを攻め落として、国民全員連れ帰るんじゃねえかな?


 あ、捕まえた中に獣人がいた場合は、奴隷でもミューズに届けるように強くお願いしたから、受け入れ態勢も進めておいて。トルメキアに関しては、適当でもいいか? なくなる国だしな」


 あれから2週間近くたっているのだが、冷静になって考えてもトルメキアの上層部に関してはイライラさせられるな。


「あ、教皇にもう1通手紙出しといて。トルメキアの王と側近、大臣たちは可能な限り生け捕りで、こちらに引き渡してほしい、と」


「無償で獣人以外に王や側近を渡してくれますかね?」


「あのヴァンパイアには、手紙と一緒にDPで召喚した血液パックでも特殊冷蔵で送ってやればいいだろ。生きるために必要ないらしいけど、嗜好品としては喜んでくれるだろ。それに国のトップなんて奴隷にしても、正直農民より使えんぞ。そんな奴のために俺の機嫌を損ねる事はしないだろ?」


 大国に対して普通はあり得ないが、三大国すべて1度は俺に屈してるからな。自分の身に危険が及ばなければ気にもしないかな?


 そういえば、血液型で美味い不味いとかあるんかな? 栄養たっぷりの血液と思い、でっぷりした貴族を頭に思い浮かべて、ちょっとえずきそうになった。あれは栄養たっぷりと言うよりは、不健康だよな。健康体の血液が美味しく感じるのだろうか?


 まぁいいや、血液パックって、何でこんなにいろんな種類の血液があるんだ?


 DPの召喚リストには、血液のタブが存在しており開いたら『~人の~型血液』みたいな形で、俺の知っている大きな国の名前は確認できた。とりあえず、人種的に白人・黒人・黄色人種系の血液の各種詰め合わせでいいか。今度感想を聞いてみよう。


 特殊冷蔵に関しては、DPで機材を召喚して、それを魔導具化して完成。簡単なお仕事だった。


「あっ! ゼニス、ジェノサイドキャラバンの商隊は、どっかに出発しちゃった?」


「いえ、今回はかなり稼いでもらいましたので、ボーナスを出して中立地域の街にいるなら、どこに行ってもいいと許可を出していますね。全員、ディストピアにいますけどね」


「ディストピアがそれだけ心地がいいって事か。あいつらに、もう一仕事頼みたいから……そうだな、1週間後に食料やポーションや薬、売れそうな物を積んでトルメキアに行ってもらっていいか?」


「え? トルメキアでまた商売するんですか?」


「火事場泥棒みたいなもんだよ。あの国は、物資が色々と足りてないから高く売れるぞ。徴発されるかもしれないけど、それは実力で排除すればいいし冒険者ギルドも守ってくれるよ。


 本命は、冒険者ギルドの関係者の荷物を運んでやってほしいんだけどな。俺の件がきっかけで撤退する事になったのに、荷物運べなくて残る人が出たら後味悪いじゃん? だからお願い」


「そういう事ですか。分かりました。監視させてる鬼人のメンバーと合流するのはもちろんとして、追加で何チームか一緒に行かせましょうか?」


「あ~念のためよろしく。ジェノサイドキャラバンのみんなも強いけど、戦闘要員として3チーム位一緒によろしく」


「分かりました。最近仕事がないって鬼人の族長も言っていましたので、シュウ様のお願いとなれば張り切るかもしれませんね。後、商品に粗悪品の武器防具も入れておきます。ドワーフの弟子たちやヴローツマインに失敗品がたくさんあるって聞いてますので、この機会に全部売りさばいてしまいましょう」


 ゼニスの前半のセリフに不安を覚えたが無視した。それに、武器防具の失敗品と言っても、弱小領主の兵士達の装備より数段上なんだけどな。むしり取ってきてくれるだろう。滅びゆく国には興味ないしもういいか?

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

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