一章第5 菜屋兼冒険者
「ここがカシューの街・・・」
「でかい街だろ?」
「ああ、とても栄えている・・・。あの神殿のような建物は?」
「あれがダンジョンギルドだ。この町にはクエストを受け、ダンジョンで魔物と戦って生活をする冒険者と野菜、魚、肉などの食い物を売って生活をする商人が集まってるんだ」
「なるほどな。魔物を倒すことによって金は得られるのか?」
「各クエストで魔物の討伐があってそれをこなせば金を得られる。あとは魔物が落とすアイテムやダンジョン内にある宝箱やアイテムを換金することによって金を得られることができるぞ。だが魔物と戦うにはパーティが必要だ。一人ではまず無理な話だ」
「やることは簡単だな。仲間と魔物を狩って金を得ればいいんだろ?」
「簡単に言ってくれるが本当に厳しい世界なんだぞ。毎年多くの死者を出してる」
「せっかくこんな世界に来たんだ。野菜作るだけじゃなくて冒険もできるなんて最高じゃないか!」
「まあ止めはしないがな・・・。冒険者になるにはまず冒険者登録が必要になる。ダンジョンギルドに行けば登録できるから行ってきな」
「なんだ。一緒に行ってくれるんじゃないのか」
「俺はあそこは好きじゃねぇんだ。ここで待ってるぜ」
「わかった」
ジゴと別れ、俺はダンジョンギルドに向けて歩き出した。
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「いやあほんとに栄えてるな。宿に冒険者専用の武器屋、八百屋に魚屋・・・魔物の肉なんてものも売ってるのか・・・。てか魔物食えるのかよ・・・。」
町を見ながらギルドを目指して歩くこと30分、見ながら来たから時間がかかったがなんとかたどり着いた。
「あのすみません。冒険者登録をしたいのですが・・・」
「冒険者登録は窓口はあちらになりますにゃ」
「ありがとうございます」
獣人といったところだろうか。中に入って声をかけた猫耳のギルド職員に教えてもらった窓口に行き、今度はうさ耳の職員に話しかける。
「冒険者登録をしたいのですが」
「冒険者登録ですね!私は冒険者窓口担当のナーサリーと言います。ではこの『現身の鏡』に向かってお名前と志望理由を唱えてください。鏡が冒険者になれるか否かを教えてくれます」
「わかりました。名前はナクマユウシ。志望理由は野菜を育てるための資金稼ぎをするためだ!」
「そんな大きく声を張らなくても大丈夫ですよ。では結果をご覧ください!」
ーーーナクマユウシーーー
レベル20
力 730 速さ 400 防御 580 魔力 890
職業 オベロン
ーーー冒険者としての活動を認めるーーー
「合格おめでとうございます!それにしても最初からランク20とは驚きです」
「このレベルと職業は何ですか?あとパーティの説明をお願いします」
「レベルは自分の強さを示していてこれによって強さが決まります。最大レベルは100まであります。基本的に1レベルからなのですが稀に高レベルの方もいますので心配しないでください。
職業はその名の通りで自分が得意とする戦い方です。主な職業は近接戦闘が得意なハムレット、攻撃魔法を駆使するクレシダ、サポート、回復魔法を使うシコラックス、近接攻撃と攻撃魔法両方を使えるのがオベロン、攻撃魔法と回復魔法両方使えるのがチタニア、これら全てを使いこなすのがセテボスと呼ばれています。
冒険者はパーティを組むことが必要なのはご存知ですよね?パーティは2人から6人までで構成されます。これより多くの人とパーティを組むとなるとキャリバンと呼び方が変わります。キャリバンは6人から10人まで組むことができます。例外として1人でクエストを受ける人もいますがあくまで例外です」
「詳しくありがとうございます」
「クエストはあそこにある掲示版にありますので受けるクエストが決まったらこの隣のクエスト窓口で受けれます。パーティ募集等はクエストの隣の掲示板にあります。これで冒険者登録を終わります。良い冒険者ライフを!」
「了解です。ありがとうございました!」
こうして冒険者登録を終え、ジゴのいる屋敷へと戻った。
『カシュー』 大きく栄えている街。ダンジョンギルドがあり、商人が集まり、海と山に囲まれている。
『冒険者』 ダンジョンで魔物と戦い、クエストの報酬で得た金で生活する者。
『獣人』 動物の耳がついていて他は人間と一緒であったり、完全に動物の見た目をした者もいて見た目は統一されていない。
『レベル』 自分の強さをあらわすもの。これによって受けれるクエストも変わり、レベルが上がるにつれて上級のクエストを受けることができる。
『職業』 自分の戦い方を表すもの。6つあり、これによって自分の戦い方が決まる。
『パーティ・キャリバン』 ダンジョンでは基本パーティでの行動が必要である。パーティは2人から6人、キャリバンは6人から10人での行動となる。例外で1人でダンジョンに挑む者もいるがあくまで例外である。
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