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第1章 その1

 降りかかった災いを嘆いても仕方がない。不幸はいつも予期せぬ形で訪れるものだ。より良い明日を目指すなら、さっさと頭を切り替えて、できる努力を続けていくほかないのである。


「闇を切り裂く青き光! 王都防衛隊、ブルーノ・ブルータス参上!」


 高らかに名乗りを上げてルディアは細いレイピアを抜いた。掲げた刃に蒼い月光がきらりと反射する。いかにも正義の使者の登場場面に相応しく。

 折からの風も肩甲に縫いつけられた短いマントを翻し、剣士の姿をますます華麗なものにした。見せつけるように高く跳び、葬り去るべき『敵』の正面に着地する。


(よし、決まった)


 レイピアの映える角度で停止したままルディアはちらと背後を仰いだ。口上を聞いた仲間たちは我も続けと各々の武器を構える。


「同じく! 赤き光、アルフレッド・ハートフィールド参上!」

「同じく! モモ・ハートフィールド参上!」

「同じく! レイモンド・オルブライト参上!」


 夜更けの街に響くのは勇ましいポーズを取った若人の声。アクアレイア王国王都防衛隊の面々はレンガ塀から次々に暗い通りへジャンプした。できるだけ派手に、できるだけ目立つように。この三ヶ月、ルディアが叩き込んだ教えの通りに。


「あのー、動物相手に名乗る必要あるんでしょうか……?」


 と、一人だけ塀に残り、降りてくる気もなさそうなバジル・グリーンウッドが尋ねた。まだあどけない顔立ちの、緑の癖毛を三つ編みにした弓兵は路上でとぐろを巻く大蛇に冷めた眼差しを向けている。「あんな爬虫類にこんな革装備で偉ぶってもなあ」とでも言いたげに。


「何をたわけたことをぬかしている! これは敵に聞かせているのではない! 味方に聞かせているのだ! 我々の活躍ぶりが噂になれば、それだけ早く昇進できるかもしれんだろうが!」


 ルディアは憎きブルーノ・ブルータスの声で怒鳴った。少年はびくりと肩をすくませながら「でも、でも」としつこく食い下がってくる。


「勤務地が王都じゃないのに王都防衛隊を主張するのはちょっぴり恥ずかしいって言うか……!」

「だからさっさと栄転してアクアレイアに帰りたいと言っているのだ、馬鹿者め!」


 浜通りの色彩豊かな石畳が甲高い怒声に震える。いきり立つルディアを隊長のアルフレッドと槍兵のレイモンドが両側から「まあまあ」となだめた。

 カッカするなと言われても無理な話だ。肉体を奪われ、城どころか都からも追い出された現状では。


「やってみたら案外楽しいけどな。バジル、お前もいっぺん『緑の光!』って叫んでみれば?」


 と、ノリも頭も軽いレイモンド。オールバックの金髪を掻き上げ、垂れ目男はへらへら笑う。


「そうだぞ。第一こういうのは全員でやらないと逆にみっともない」


 続いて堅物騎士のアルフレッドが諭した。短く切られた赤い髪とまっすぐな太眉はいつ見ても彼の愚直な性格を反映するかのごときである。


「モモたちが王都防衛隊なのは事実なんだし、気にしすぎでしょ」


 紅一点の斧兵は弓兵に対し冷ややかだった。可憐なツーサイドアップの髪と同じピンク色の目をぷいと背け、小柄な彼女はいかつい双頭斧を担ぎ直す。


「そ、そんなあ! モモ!」


 惚れた女にとことん弱いバジルは「は、放てばいいんでしょ!? 僕の緑の光!」と大慌てで弓を構えた。

 選抜戦を勝ち抜いただけあって隊員たちの実力は確かだ。茶番の間、余裕綽々に身をくねらせていた大蛇はただちに頭部を射抜かれた。


「ヒギュッ!」


 短い悲鳴が夜闇に響く。大蛇は額から血を散らし、我が身に何が起きたのかわからぬ様子で篝火の周囲をのたうった。そこへすかさずアルフレッドが切りかかる。


「成敗ッ!」


 ずしりと重いバスタードソードは樹木の幹ほどもある蛇の胴体を両断した。と同時、浜通りに軒を連ねる宿や商館から拍手喝采が巻き起こる。


「ありがとよ、王都防衛隊!」

「いつも痺れるねえ!」


 熱い賛辞を送ってくるのは自国の商人と船乗りたち。地元住民の姿はない。

 ここはマルゴー公国領、港町ニンフィ――その一角を占めるアクアレイア人居留区。潮騒を背負い、ルディアは窓辺の王国民らへ手を振った。王都防衛隊の一員、ブルーノ・ブルータスとして。




 ******




 公にならなかった誘拐事件から三ヶ月余りが過ぎた。毎朝水桶に映る自分と睨めっこしてみるが、ルディアが元のルディアに戻る兆しはない。

 あの冬の夜、何がどうしてこうなったのか。殺されるか犯されるか、状況的にはせいぜい二択であったろうに。

 意識を取り戻したとき、ルディアは十八歳の健康な成人男子に変わっていた。濃紺の髪と青い目をした細身の剣士ブルーノに。更に奇怪なことに、その日は予定時刻ぴったりにマルゴー公国の王子と結婚する旨を伝える己の姿を大衆に紛れて見上げることになったのだ。

 どんな妖術か知らないが、とにかく二人の精神と肉体は入れ替えられたようである。目が合った直後、そそくさと宮殿に引っ込んだ『ルディア姫』を見て確信した。自分はブルーノに王女としてのすべてを乗っ取られたのだと。

 だがそんな摩訶不思議、誰が信じてくれるだろう? まともな人間なら鼻で笑い飛ばす妄言だ。ルディアにはぐっと言葉を飲み込むしかなかった。「あの姫は偽者だ!」という言葉を。そうして命じられるまま、部隊ごと隣国の居留区に飛ばされてしまったのだ――。


「はあッ! たあッ! 首を洗って待っていろ、命知らずの逆賊どもめ!」


 巻藁のくずが飛ぶ。親の仇とばかりに飛ぶ。稽古用人形の首が落ちてもまだ満ち足りず、ルディアは剣を振り回した。

 鍛錬と称してやっているのは憂さ晴らしだ。隊員たちが怯えているのは百も承知で日課のストレス解消を続ける。ありったけの憎しみをこめ、罪なき巻藁をいたぶるルディアに防衛隊の男たちは恐ろしげに息を飲んだ。


「なあ、アル、最近ちょっとブルーノの奴ピリピリしてねー?」

「いや、あれはちょっとどころじゃないだろう。ニンフィに来てから昇進昇進とうるさいし、まさかこんなに出世欲が強かったとは」


 レイモンドとアルフレッドがひそひそと話し合う。ブルーノと同じ十八歳の二人は鬼気迫る一面を見せる仲間に戸惑いを隠せない様子だった。そこに弓兵が加わって得意げに指を立てる。


「違いますよ、もっと前からブルーノさんは不機嫌です。僕の推理では失恋が原因ですね! あの豹変ぶりはルディア王女とチャド王子のご成婚が決まってからですもん!」


 バジルのずれた発言にうっかり手元が狂いかけた。誰が誰に失恋だ。小声の会話も筒抜けになる狭い中庭を振り返り、ルディアはきつく三人を睨む。


「ええっ!? あいつ姫様に惚れてたの!?」

「案外高望みだったんだな……」

「姫様よりモモのほうがずっと高嶺の花ですけどねえ。何してもちっとも振り向いてくれないですし」


 ルディアが目を吊り上げているのにも気づかず、親しい幼馴染同士の彼らは恋愛話に花を咲かせ始めた。どこの誰それに男ができたの、誰と誰が別れたの、しょうもない私語が飛び交う。


「そういやアルには気になる女の子とかいねーの?」

「いや、俺は任務で手いっぱいだ」

「うんうん、アルフレッドさんはいつも一生懸命働いてますもんねー」

「たまには息抜きすりゃどうだ? 可愛い看板娘のいる定食屋、教えてやろうか?」

「いや、食事中は食事に集中したいからな。遠慮しておくよ」


 口よりも手を動かせと叱りたいところだが、あいにくそれは不可能だった。仮宿舎の窮屈な稽古場は一度に二人しか使えない。順番待ちの間はどうしても手持ち無沙汰にならざるを得なかった。古い商館を使い回せば防衛隊には十分だろうと予算をけちった女が今更恨めしい。


「バッカみたい。どうせならもっと建設的な話すれば?」

 と、見下げた顔で隣のモモが振り返った。使い込まれた大斧を

構えた少女が向かうのは山と積まれた藁の束。彼女は自身の訓練がてら、不足しがちな巻藁を量産してくれているのである。隊長の妹という立場に甘えない、今時感心な働き者だ。


「建設的かどうかはわからないが、仕事で気にかかっていることはある」


 少女の苦言に口を開いたのは妹に負けず劣らず実直なアルフレッドだった。赤髪の騎士の表情は険しい。真剣に思い悩んでいるらしく、一体なんだと皆が彼に注目する。


「俺たちはアクアレイア人居留区を荒らす盗人を懲らしめるためにニンフィへ派遣されたんだろう? それなのにここ数週間、害獣駆除ばかりしている気がする。はたして王国騎士としてこのままでいいんだろうか……?」


 至って真面目にアルフレッドは問いかけた。眉間のしわをますます濃くした彼の顔には「いいはずない」と既に答えが書いてある。


「ええー? でもそれって俺らが来たから平和になったってことじゃねーの? 去年の暮れなんてもうメチャクチャだったって聞いたぜ?」

「警備の成果が出てるんですよ! 防衛隊の駐在が防犯効果を高めている証拠です!」


 レイモンドとバジルは明るく隊長を励ました。だがモモだけは冷静に「左遷なんだし、実績伸びなくて当たり前じゃない? 干されてるんだよ、防衛隊」と非情な現実を突きつける。


「お、お前なー! やめろよ、騎士道に命かけてる兄貴を悲しませるのは!」

「だって本当のことでしょ。陸軍新設の第一歩として防衛隊を結成するって話だったのに、初年度から五人のまんま増えてないし。しかも二年目の勤務地はニンフィだよ? 国内ですらないって……」

「こらこらモモ! お前はいつもズバズバ物を言いすぎだぞ!」

「結局姫様はチャド王子をお婿さんに迎えて、陸上防衛はマルゴーに頼る道を選んだんだよ。挙式パレードが終わってすぐモモたち王都を追い出されたし、来年は解散させられてるかもねー。海軍にばっかお金かけてる国だもん。経費削減とか言って用済みのモモたちはきっと……」

「わー! アル、耳を貸しちゃ駄目だー!」


 レイモンドたちの騒ぐ傍らでルディアはレイピアを鞘にしまい、深く静かに嘆息する。直接は政治に参与することのない平民でもこの程度の裏なら読めてしまうらしい。

 確かにモモの推測は当たっていた。防衛隊は元々長く存続させるつもりなく組織した新部隊である。かといって彼らがまったく無用の長物だったわけでもないが。


「……ま、初めから大規模陸軍を育てる予定ではなかっただろうな。要するにルディア姫は、アクアレイアは地上にも海軍並の兵力を持つかもしれませんよと仄めかしてマルゴーとの同盟強化を有利に運びたかったんだ」

「ブルーノもそう思うよね!? やっぱりモモたち使い捨てだったんだ!」


 少女はあーんと大仰に嘆く。そんな彼女を諌めたのはアルフレッドとバジルだった。


「おい、いくらなんでも言いすぎだぞ。仮にも俺たちはルディア姫直属の部隊だろう。主君を悪く言う奴があるか」

「そうですよ。大体この間までいつ戦争になってもおかしくなかったんですし、たとえ使い捨てだったとしても僕らの果たした役割は大きかったはずですよ」


 フォローが入るとは想定外で、おや、と思わず瞬きする。


「バジル、お前わかっているじゃないか。そう、王女は何も間違っていない! ジーアン帝国を寄せつけないためには必要な工作だったんだ。天帝の魔手から王国を守るためにはな!」


 ジーアン帝国――五年ほど前、東方に彗星のごとく現れた騎馬民族の新興国だ。常勝無敗の大軍団を率い、幾多の街を征服した。彼らが侵攻する様はまさに破竹の勢いだった。帝国の勃興以来、世界地図は年ごとに書きかわった。

 馬の蹄がアレイア海に押し寄せたのは一昨年のことである。東岸に点在した小国群はなす術なく滅ぼされ、北岸のマルゴー公国も防戦に追われた。西岸のアクアレイアはいつ彼らに攻め込まれるか気が気でない毎日で。幸いジーアン帝国はろくな軍船を持っておらず、騎兵が海を越えてくることはなかったが。

 とはいえ油断は禁物だ。山国の地の利を生かしたマルゴーがなんとか騎馬軍を追い返し、しばし休戦となったものの、またいつどんな形で帝国が牙を剥くかわからない。隣国とは手を取り合って難敵に立ち向かわねばならなかった。――そう、ルディアが王子との縁談を受けたのも込み入った事情があったからなのだ。


「けどよー、国としちゃそれでいいかもしんねーけど、俺個人としちゃ『陸の防備が整ったので防衛隊は不要になりました! ありがとう、さようなら!』なんて言われたかねーぞ。国営商船団だって再開の見通し立ってねーんだろ? ウチは貧乏大家族だし、解雇はほんと困るんだよな」


 レイモンドがしかめ面で腕組みする。「僕だって!」とバジルも不安を訴えた。


「僕だって、せっかくモモと一緒にいられる職につけたのに、防衛隊辞めたくないですよ」


 のどかな春の中庭に重い雰囲気が立ち込める。ハートフィールド兄妹も


「モモも実家の手伝いより斧振り回すほうが楽しいなー」

「ああ。できれば俺もこのまま堂々と騎士を名乗っていたい」


 と望み薄の防衛隊存続を希望した。

 皆それぞれ都合や思い入れがあるのだ。彼ら四人と同じ気持ちでルディアも告げた。


「私もだ。防衛隊がなんらかの重要任務を負うことになれば王や姫に接見する機会を持てるからな」


 外交カードとして利用価値のなくなった防衛隊をニンフィへやると決めたのはほかならぬ自分自身である。一年ほど王都から遠ざけて、陸軍設立の話ごとうやむやにするつもりだったのに、人生何がどう転ぶかわからない。こうして彼らと悲嘆に暮れる日が来ようとは。


「えっ? もしかしてブルーノ、ルディア姫に会うために出世したいの?」

「そこまで姫様を好きだったのか! ヒュウ! 恋は下克上ってやつ!?」

「ブルーノさん、この頃見違えるほど頼もしくなりましたし、やっぱり愛って人間を成長させるんですねえ!」

「そうだな。前は口調もおどおどしていたが、今はまるきり別人だ」


 先程までの陰鬱はどこへやら、隊員たちはわっと一斉に盛り上がる。そんな彼らを一瞥し、ルディアは「愛か、そうかもな」と冷たく笑った。憎めば憎むほど思う時間は増えるのだから、きっとこれも愛の一種なのだろう。


(覚悟しておけ、ブルーノ・ブルータス……! 貴様らが何を企もうと必ずや看破し、私の足元にひれ伏させてやる……!)


 王女のふりをして婚礼衣装を身にまとい、夜にはそれを脱いだのだ。断じて許しはせん。どこへ逃げても追いかけて、骨も残さず粉砕し尽くしてくれる。


「ふふふふふ、ははははは!」


 ルディアの笑い声に一同はびくりと肩をすくませた。深入りしたくなかったのか、アルフレッドが目線と話題をそっと逸らす。


「と、ところでルディア姫は体調を崩してずっと臥せっておられるそうだな。俺たちも許可が出ればお見舞いに馳せ参じたいところだ」


 ――そう、そうなのだ。どういうわけかブルーノは王女の立場を悪用しての政治行動を取れずにいた。今ならまだ巻き返すチャンスがあるかもしれない。グレディ家に評議会や元老院まで手中にされたらおしまいである。その前に、なんとしても返り咲かねばならなかった。


「そう言えば、害獣の件に関しては私も引っかかっていた」


 と、一つ思い出したことがあり、ルディアはぽつりと呟いた。


「え? お前もか?」


 アルフレッドに尋ね返され、神妙に頷く。


「昨日は大蛇、五日前は虎、二週間前は灰色熊を退治したが、どれもここらに生息する獣ではないだろう? 出没するのはうちの居留区ばかりなのに動物商が港入りしたとも聞かないし、ひょっとして密輸なんじゃないか?」


 ルディアの指摘に隊員たちはどよめいた。許可のない荷は船に積むのも売りさばくのも大罪だ。そんな不届き者が近辺に潜んでいるとすれば大事件である。


「……上手くやれば都勤めに復帰できるかもしれないぞ?」

「おお!? 給金上がるかな!?」

「最新式の装備も買ってもらえますかね!?」


 食いついてきたレイモンドとバジルを見やり、ルディアは薄く口角を上げた。なんと素直で乗せやすい男たちだろう。もっとも多少嫌がられたところでモモを頷かせさえすればなし崩しに了承を得られるのもわかっているが。

 この数ヶ月でブルーノ・ブルータスとしての生活にはすっかり慣れた。汚れ物はバジルに放っておけばいいし、食事はレイモンドに任せればいい。金銭が必要ならアルフレッドが小言を垂れつつ工面してくれる。ここではモモが姫君だから、彼女だけは丁重に扱うのが得策だ。

 将来はアクアレイアの女王として君臨するルディアにとって同年代の若者を御す程度わけはなかった。せいぜい良い働きをしてもらおう。今は彼らだけが己に与えられた駒のすべてなのだから。


「今度猛獣が現れたらわざととどめは刺さずにおくぞ。巣に帰らせれば飼い主は誰か自ずと知れる」

「おおー!」


 アルフレッドの「なんでお前が仕切るんだ?」と言いたげな表情は無視して稽古場を出る。「巡回に行くぞ」と短いマントをはためかせれば、モモとバジルの十五歳コンビが「はーい!」とルディアの背中に続いた。


「ねえねえ、今日はどこ回るの?」

「とりあえず山のほうだな。広場を抜けるついでに神殿にも立ち寄るか」

「あっ! ブルーノさん、もしかして恋の願掛けです?」

「恋の? はっはっは、それはいい! ルディア姫に私の情熱が届けばいいが!」


 軽口を叩きつつ仮宿舎のこじんまりした玄関を開く。心とは裏腹に浜通りを吹き抜ける五月の風は爽やかだった。が、その快さに気を緩めている場合ではない。

 グレディ家の無法を許せば厄介なことになる。さっさと元の肉体を、そして地位と権力を取り戻さなければ。




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