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魔王の器  作者: 月野文人
第三章 皇国動乱編
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皇国騎士団長の初陣

 皇国の重臣会議。この所は実の無い内容ばかりだったが、今日はようやく、いつもとは違った議題が上がってきた。

 教都の情報がようやく届いたのだ。


「教都の様子は特に混乱した様子は見られないようです」


「それはおかしいよ。この間は教都で戦闘があったって聞いたよ」


「戦闘があった事は間違いないようです。しかも神教騎士団同士の戦闘のようです」


「魔族とじゃないの?」


 教都での戦いの情報を聞いた時、クラウディア皇女だけでなく、誰もが魔族がいよいよ教都に攻め入ったのだと考えていた。


「はい。教都の住人に聞いた話ですので、恐らくは間違いないかと」


「一体、どうしてそんな事になったの?」


 教会内での権力争いは珍しい事ではないが、軍事的な衝突にまで発展する理由が分からない。


「それが……」


「分かっていないのね?」


「結論から言えばそうです。言い訳をさせて頂ければ、あまりにも情報が錯綜していて、どれが真実か分からないのです」


「……どうして? 間者の人たちは何をしているの?」


「教都に配置していた間者は未だに戻ってきません。これだけの事があって一人も戻ってこないと言う事は、恐らく消されたものと思われます」


「全員?」


「一人も戻ってこない訳ですから、そうなります」


「じ、じゃあ、さっきの情報は?」


「教都の様子は新たに送り込んだ者からです。それ以外は、教都周辺の街で情報を拾い集めて、分析した結果です」


「えっと、どういう情報かな?」


 聞いたからといって、何かが判断出来る訳ではないのだが、クラウディア皇女は、こうやって細かな所まで質問する。

 自分が中心で会議が回っているような気分になれるのが、これをする理由だ。


「突拍子もないものが含まれておりますが、それでもよろしいですか?」


 それが分かっているシオン宰相代行は、もう面倒になってきている。


「うん」


「まずは勇者選定の儀で奇跡が起きた。天から光の雨が降ってきて、人々の病や怪我を直したというものです」


「……そういう事があるの?」


「前回の選定の儀の記録を調べた限りは、そのような事は起こっておりません」


「そう。後は?」


「魔王が現れた」


「えっ?」


「教都に魔王が現れたとの事です」


「やっぱり、魔族が教都を攻めたのね」


「それが、続きがありまして」


「続き?」


「魔王が選定の儀に現れて、勇者に選ばれた、との事です」


「はい?」


「面倒なので一気にお伝えしても良いですか?」


「あっ、うん」


「真の勇者は魔王だった。神教騎士団は魔王一人に滅ぼされた。いや、そうじゃなくて、勇者に騎士団は滅ぼされた。魔王と神の御使いは友人だった。魔王には神の御使いが仕えている。教皇が魔王に懺悔して罪を許された。神教騎士団は魔王の配下になった。あとは……、ああ、そうだ。魔族って可愛い、なんていうものもありました」


「……何それ?」


「情報が錯綜していると申しました。噂が噂を呼んでよく分からなくなっております」


 シオン宰相代行が語った噂話は言葉足らずの所を除けば全て事実と言えるのだが、あまりに突拍子もない内容が、この場にいる人たちに事実であると認識させなかった。


「そう……」


「その中で確かな事は、魔族による教会への襲撃が止んだ事。そして教会の紋章旗が変わった事です」


「旗が変わった?」


「青地に黄色の模様は変わりません。ですが黄色の太陽は、黄色の十字に変わりました。一部では金十字と呼ばれているという情報もあります」


「それってどういう事?」


「教会の中で何か大きな変革があった事は間違いありません。そして、恐らく魔族の襲撃が止んだ事はそれに関係しています」


「……兄上?」


「きっ、聞いた、とっ、通り、だ」


「分からないよ」


 この場で与えられた情報から事実を正確に掴んでいるのは唯一テーレイズ皇子。テーレイズ皇子から言わせれば、まさしく聞いた通りなのだが、クラウディア皇女にそんな事が分かる訳がない。それは周りの者も同じだ。

 わずかにカムイの紋章旗が銀十字である事を思い出した者はいたが、それを教会と魔王が結びついたとまで考えられる者はいない。


「皇都にいる大司教には何も聞けなかったのですか?」


 これに気付いたオスカーはまだクラウディア皇女よりはマシだ。


「話は聞きました。しかし、何も聞いていないと。教皇庁からは変わらず、さまざまな伝達が来ている。何も問題ないだろうという事です」


「そうですか」


 そんなものは教皇や他の高位聖職者の印があればいくらでも偽造出来る。署名だってそうだ。いちいち署名するのは面倒と別の者に任せるなんて当たり前なのだ。

 実際に金十字護民団は偽装の為にそれをしている。聖職者の衣を剥げば、モディアーニ会長は中々に曲者だった。


「そういう事で、神教会については、もっと情報を集めなければどうにも判断出来ません」


「そうだけど、結局、勇者はどうなったの?」


「それも、はっきりとは分かりません。続報を待つしかありません」


「そう」


 クラウディア皇女のヒルデガンド追い出し作戦は、本人の中では、まだ終わっていなかった。


「次に移ってもよろしいですか?」


「あっ、はい」


「皇都北部、北方伯領に近い所になります。そこで盗賊が暴れているようです」


「盗賊?」


「はい。かなりの暴れ方をしているようで、討伐依頼が届きました」


「でも領軍は?」


「それでは手に負えないという事での討伐依頼です。いかが致しますか?」


「もう少し情報を貰えないですか? それだけでは判断出来ない」


 問いを向けられたオスカーだが、いかがと言われても何も答えようがない。


「そうですね。盗賊の数ははっきりとは分かっていませんが、二千程いるようです」


「二千? 盗賊がそんなに纏まっているのですか?」


「以前にもありました。ただ、それは王国の草であった前宰相の差金であった事が後の調べで分かっております」


 カムイが討伐任務に向かわされた件だ。皇国軍を疲弊させる、それと共に軍費を消費させる目的で計ったものと結論付けられている


「つまり又、王国が?」


「それは分かりません」


「そうですか。その時はどうしたのですか?」


「辺境領主の叛乱という事になっていましたので、国軍が出ました。それとクロイツ子爵領軍も」


「カムイが……」


「いかが致しますか?」


「二千の盗賊ですか……」


「北方伯へ派兵をお願いするという手もあります。北方伯領軍であれば、十分に数を揃えられるでしょう」


「いや、皇国軍を出しましょう」


「騎士団長がおっしゃるなら私に異存がありません。他の方はいかがですか?」


 他の者も軍の事では騎士団長の言う事に異議を唱える事は余程でなければしない。無言を同意と取って、シオン宰相代行は話を進める事にした。


「派兵の数はどれくらいですか」


「二千、いや、三千」


 見栄を捨てて、盗賊の数より多い数を出そうというオスカーは、やはり武人としての才能がある。


「分かりました。では率いるのは将軍となりますね。どなたですか? 物資の準備等、相談する事がありますので、早めに決めて頂けると助かります」


「自分が行きます」


「はい……。えっ? 騎士団長自らですか?」


「そうです」


「盗賊退治ですが?」


「今の俺は経験を積むことが大切です。相手が盗賊であろうと自分で行きたいと思います」


「なるほど、そういう理由ですか。任命権は騎士団長にありますので、私としては問題ありません。他の方は?」


 任命権はオスカーにあるのだから、他の意見を聞く必要はないのだが、シオン宰相代行はあえて、それをした。会議の場での同意を得る事を慣習にする事で、オスカーが、実際にはクラウディア皇女が、騎士団長の権限を利用して暴走する事を少しでも抑止する為だ。


「ありませんね。ではオスカー騎士団長が自ら三千を率いていくと言う事で。準備については後ほど、個別にご相談させて頂きます」


「ああ、頼みます」


「次の報告は王国についてです」


「何かあったの?」


「はい。軍が動きました」


「えっ?」


「と言っても方向は東です。王国は東部方面に軍を発したとの報告が入っております」


「東には何があるの?」


「何がと言われても、いくつもの国がとしか説明のしようがありません。正直、皇国は王国の東にはそれ程注意を払ってきておりません。東部諸国連合とは交流はありますが、間に王国がありますので、緊密な関係という訳にはまいりません」


「東部諸国連合?」


「軍事同盟と考えて頂ければ結構です。王国の侵攻に備えたもので、小国の集まりとはいえ、侮れるものではありません。王国はそれがある故に東に勢力を伸ばせなかったのですが」


「そこを攻めようとしているのね」


「そうとは言い切れません」


「えっ、どうして?」


「今、この時期に王国が自ら戦争を引き起こすでしょうか?」


「……えっと」


 考えても答えは出ない。そもそも考えていない。誰かが答えを話し始めるのを待っているだけだ。


「王国も魔族にとって敵です。裏で糸を引いていたのが王国である訳ですから、首謀者と言っても良い。いつ魔族が戦いを仕掛けてくるか分からないのに、軍を東に向けるのは不自然です」


「その東部諸国連合が攻めてきたのではないの?」


「可能性はありますが、考えづらいです。守るとなれば利害が一致する連合も、攻めるとなれば、そうはいかないでしょう。王国の領地を取って、得するのは国境を接している国だけです」


「そうだね。じゃあ、シオン宰相代行は何だと思っているの?」


「魔族が王国東部で事を起こした可能性を考えております」


「あっ、そうだね」


「でも、何故、東部なのですか? 教都の事ははっきりしていないとはいえ、魔族はその周辺に集結するものと自分は思っていました。教都は王国北西部。そこから東に移動する理由が自分には分からない」


 クラウディア皇女の軽い返答とは正反対にオスカーの顔は厳しいものだ。魔族が動けば、それを相手にするのは自分だという気持ちがあるオスカーとしては、わずかな情報にも敏感にならざるを得ない。


「それについては情報分析チームも完全に結論付けられておりません。一つの仮定がありますので、皆さんのご意見を聞きたい所です」


「その仮定とは?」


「皇国を誘っているのではないかという事です」


「誘いですか?」


「はい。教会については、魔族側は一旦ケリをつけたのだと考えております。先ほど申し上げた通り、何らかの変革が教会内で行われた。それは魔族にとって、良いものであった為、魔族は教会への攻撃を止めた。そうなると魔族の標的は」


「皇国か王国ですか」


「はい。ではどちらかとなると、これは魔王に聞いてみないと分かりません」


「それは……、そうです」


 シオン宰相代行としては場の雰囲気を和らげる為の、軽い冗談のつもりだったのだが、その効果は全くなかった。オスカーを始め、会議室の面々は緊張した面持ちで、じっと話を聞いている。


「……魔王、魔族側から見れば、どちらでも良いという事です。では、どちらを選ぶかとなると、隙がある側、状況的に不利な側だと考えます」


「それがどう誘いに結びつくのですか?」


「今、王国の中央は手薄になっているのではないでしょうか?」


「皇国に侵攻の機会を作ったという事か」


「それが仮説です。東に王国を誘っておいて、西から皇国に攻めさせる。王国としては西の防備を固めなければいけませんが、東に軍勢を寄せている状況ではすぐに対応できません」


「東から軍勢を戻せば、魔族が攻勢に出る。挟み撃ちという事ですか」


「そうとも限りません」


「別の考えが?」


「別にというか、この辺からご意見を聞きたい事です。魔族の機動力の高さは、教会への襲撃で証明されております。襲撃された教会騎士団の位置と襲撃時期を分析して、それが分かりました」


「東から別の場所に移動すると考えているのですか」


「はい」


「何故ですか? 挟撃となれば、戦いは容易になります」


「それは私たち皇国側も同じです。魔族が領地を求めない以上、皇国は王国のかなりの部分を、上手くすれば王国を滅ぼす事が出来るかもしれません」


「……それが出来れば」


「それを魔族が許すとは思えません。王国が滅べば、次の標的は皇国です。手出し出来なくなるまで、皇国が大きくなる事を黙って見ているでしょうか?」


「誘われているのは皇国も同じか」


「不利なほうを支援する形で皇国と王国の戦争に介入して、戦争を長引かせ、両国を疲弊させる。そこで一気に魔族が戦争の主導権を握るという策である可能性があります」


「ありえます」


「そう思われますか」


「かなり可能性は高いと自分は思います。この仮説のどこに問題があると?」


「皇国が王国に侵攻すると何故、魔王は思ったのかです。皇国は、何といいますか、再建の最中です。そんな余裕はありません」


「……でも、餌としては大きなものです」


「魔王にしては稚拙だと分析チームは言っております」


「稚拙? この策をですか?」


「はい。皇国が王国に侵攻しなければ、魔族は無駄に動いただけです。王国の軍費は少し消費させたでしょうが、王国にとって、大した事ではありません」


「買い被りではないですか? 魔王だって、常に良い策を思いつく訳ではないでしょう。うまく行けば良い程度で動く事だってあるのでは?」


「そう言う者も分析チームにはいるのですが」


 さりげなくシオン宰相代行はテーレイズ皇子に視線を向けた。策を稚拙と評価したのは、分析チームではなくテーレイズ皇子なのだ。

 だが、そう言ったテーレイズ皇子も、一緒に考えたヒルデガンドたちにも王国の動きが何を意味するのかは読めなかった。

 テーレイズ皇子たちには、致命的な情報不足がある。カムイとの密約から魔族の次の標的は皇国だと確信した上で王国が行動を起こしている事を。

 王国が魔族に備える必要性を感じていない事を知っていれば、事は又、違った形になったであろう。

 普段とは異なる議題が上がったにも関わらず、結局、会議で決まった事は、盗賊討伐への皇国軍の派遣だけだった。


◇◇◇


 軍の編制や物資の準備など、オスカー率いる三千の皇国軍が皇都を発するまでに二週間の時がかかった。そこから根拠地とされている現地までの移動に二か月。

 ようやく到着した皇国軍は、軍を休める暇もなく、いきなり戦闘に突入する事になった。


「陣形を保て! 勢いに押されるな!」


「騎士団長! 左翼への増援許可を! このままでは崩されます!」


「わ、分かった! 急いで回せ!」


「予備隊を回せ! 二百だ!」


「はっ!」


「右翼に伝令! その位置から下がるな!」


「はっ!」


 オスカーのいる皇国軍本陣は大混乱に陥っていた。襲いかかるってきたのは討伐対象である二千の盗賊の群れ。

 だが、その中に魔族がいたという事実が、このような状況を招いていた。


「魔族の数は!? 把握出来たのか!?」


「まだです! 混戦の中で把握しきれません!」


「……何故、ここに魔族がいるのだ?」


 オスカーの口から愚痴が漏れる。経験を積むための、実戦演習くらいのつもりでいたオスカーとしては、そう言いたくもなるだろう。


「それを言っても仕方がありません。今は勝つ事だけを考えてください」


 それを横で聞いていた副官がすぐに諌めてきた


「分かっている。しかし、勝てるか……」


「その言葉も余計です。軍を率いる者が、そんな気持ちを声に出しては士気に関わります。自重してください」


「ああ、すまん」


「幸いに魔族の数はそれ程多いとは思えません」


「数は把握してないのではないのか?」


「二千のうちの四分の一であったとしても、今の様に支えきれるとは思えません」


「そうか」


 副官の言うとおり、魔族の出現で最初こそ混乱したものの、今はそれも落ち着く、騎士や兵たちは、なんとか陣形を崩される事無く、攻撃を防いでいる。

 一番混乱しているのは本陣だというのが実際の所だ。それもオスカーの落ち着きのなさと、オスカーと同じように経験を積ます為に連れてきた若い騎士たちのせいだ。


「今は敵の勢いに押されないように、守りに専念する時です」


「うむ」


「攻める方には必ず勢いが衰える瞬間があります。その瞬間をとらえて、流れをこちらに引き込むのです」


「分かるものなのか?」


「全体の戦況を見ながら、それでいて、個々の場所でどちらに勢いがあるのかも見極めるのです」


「自分にはその勢いというのが良く分からない」


「それが出来るようになるには経験が必要となります。まあ、中には何となく分かるなんていう者もいますが、それは特別です。もし、そういう者がいるとなれば身分に関係なく重用するべきです。戦争の天才と呼ばれる者は、努力なんて関係なく、生まれた時から天才なのです」


「そうか……」


 どうやら自分はその戦争の天才ではないと分かって、オスカーは少し落ち込んでいる。


「落ち込む必要はありません。戦争の天才なんて滅多に現れるものではありません」


「……そうだと良いが」


 慰めるつもりの副官の言葉は、オスカーを不安にさせただけだった。その滅多に現れない天才が、この時代に現れているのではないか。オスカーの頭の中に、そんな思いが浮かんでいる。


「……予備隊を投入します!」


「どこにだ!?」


「左翼! 敵の勢いが落ちました! 一気に崩せなかった事で、士気が落ちたのでしょう」


「分かった! 予備隊を左翼に回せ!」


「はっ! 数は!?」


「数?」


「全部隊を回せ! 急げ、一気に敵を跳ね返せ!」


 戸惑うオスカーの代わりに副官が声をあげた。ここは一つ一つ、教えている場合ではないと考えたようだ。


「左翼が敵を押し込んだら、中央も押し出します。そのまま右翼を軸にして、回り込むように左翼を前に出す。それで一気に決めます」


「そ、そうか」


「出し惜しみはなしです。中央の全軍で押し出しますので、戦いの準備を」


「分かった!」


 オスカーの顔から不安の色が消えていく。軍の指揮とは違って、個人の武勇には自信があるのだ。


 中央から派遣された予備隊が合流した事で、左翼の勢いが一気に増した。徐々に敵を押し返して、前に出る左翼。それと同時に一部の部隊が更に左に展開していく。

 勢いと数の差を利用して、横から魔族へ圧力を加えようという意図だ。


「左翼の敵が、中央に流れたら本軍を押し出します。立て直す隙を与えない様に。ここで崩せば、半包囲に持って行けますので、ここが勝負所です」


「分かった」


「今だ! 押し出せ!」


 号令とともに、皇国軍の騎士団長直轄軍が一気に前に出て行く。左から押し込まれ、中央で態勢を整える間もなく中央を押し込まれた事によって盗賊、を装った魔族は、態勢を崩されていく。


「勝てます! ここが……、あれは?」


 勝利を確信した副官の目に映ったのは、黒地に銀十字の旗とそれを掲げて、戦場に突入してくる五騎の騎馬。先頭を駆ける馬に乗るのは銀髪の偉丈夫。

 遠目からでも、それが何者か分かった。


「ま、魔王だぁあああああ!!」


 戦場に皇国軍の兵が放った叫び声がこだました。

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