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魔王の器  作者: 月野文人
第四章 大陸大乱編
157/218

それぞれの動き

 着々と戦争の準備を進めていたルースア王国。それも終わり、いよいよ皇国南部に向かっての進軍が開始されている。編成した総兵力は十二万。ほぼ計画通りの数だ。

 侵攻軍は大きく三軍に分けられている。三万がニコライ王太子の直率軍。これはルースア王国内の城塞都市カニエーツに後備として配置される。残りの九万は半分に分けられて、それぞれボンダレフ将軍とロマノフ将軍に率いられる。この二軍が実際の侵攻軍だ。

 二軍は既に王都を発って国境に向かっている。そして、今日がニコライ王太子の出陣の日。ルースア王国にとって、大陸統一戦の記録の一行目に記されるはずの日だ。

 だが、その記念すべき出陣を前に、少しだけ揉め事が起こっていた。


「今日が出陣の日とは聞いておりません!」


 やや、いきり立った様子でニコライ王太子に詰め寄っているのは、真神教会の教皇だ。


「何故、伝える必要があるのだ?」


 ニコライ王太子の方はうんざりした顔で、それに応対している。いよいよ出陣となって、気持ちが逸っているところに教皇の来訪だ。個人的には会わないでおきたかったくらいだ。


「教会騎士団の同行を申し出ていたはずです」


「一緒に戦うのであればまだしも、怪我人の治療の為、それも敵味方関係なくと言われて、どうして同行を許す気になるというのだ?」


 真神教会が行おうとしているのは、金十字護民会の真似事だ。教義が嘘であると世間に広まったからには、これまでとは違う方法で存在価値を認めさせるしかない。そこで選んだのが金十字護民会に倣うこと。成功事例であるのだから間違ってはいない。

 ただ、活動支援をルースア王国に頼むのが間違いなのだ。


「戦争は悲劇しか生み出しません。その悲劇を少しでも減らそうというのが我らの目的です」


「心配するな。もう直ぐ戦争は無くなる。この俺が大陸を統一し、戦争のない世の中を作るのだ」


 教皇が理想を述べても、ニコライ王太子は自身にとっての理想で返して来る。ニコライ王太子には最初から真神教会の願いなど聞く気がない。何を言っても無駄なのだ。


「どうしてもお許し頂けませんか?」


「戦場に行きたければ勝手に行けば良い。それを邪魔するつもりはない。戦闘の邪魔をされれば。容赦なく踏み潰してしまうがな」


「何と!? それはあまりに無礼な言葉ではございませんか!?」


 利用価値があると考えてのことだが、アレクサンドル二世王はそれなりに真神教会に対して敬意を示していた。だがニコライ王太子にはそれが全く見られない。


「何が無礼だ。真神教会などと名乗っているが、中身は偽物ではないか?」


「な、なっ」


 無礼を通り越して、侮辱の言葉をニコライ王太子は教皇に投げつける。


「真神教会の存在価値などない。民が崇めるのは、大陸を統べる王となる俺だけで良いのだ」


「…………」


 神ではなく自分を崇めろとニコライ王太子は言っている。これは侮辱さえも通り越してしまっている。教皇から見れば神の否定という許されざる大罪だ。

 ただ言い方はともかくとして、ニコライ王太子の立場では、君主よりも神に従うような民が増えては困るのだ。かつて神教会が持っていた民への影響力の排除。これが真神教会をルースア王国が支援していた理由の一つだ。代わりになって欲しいわけではない。


「下がれ。俺が王都に戻ってくる時には、真神教会など必要なくなっている。下がって、さっさと荷物を纏めて王都を出て行け」


「……失礼します」


 がっくりと肩を落として去っていく教皇。カムイに警告されていたことが事実になっただけだが、それでも真神教会を立ち上げた身である教皇には、受け止めきれる事実ではなかった。


「……少々、厳し過ぎたのではありませんか?」


 教皇の姿が消えたところで、横に控えていたヴァシリーが声を発した。


「真神教会は共和国と接触しているから気を付けろと言ったのはお前ではないか?」


 真神教会と共和国の繋がりをルースア王国は把握していた。真神教会は、一国の諜報組織に探られて、秘密を隠し通せる様な組織ではない。


「その通りですが、同行を拒否するだけで充分だったかと」


 共和国が何を図っているか分からない。繋がりのある真神教会を戦場に同行させる危険を説いたのはヴァシリーだ。だが、これから戦争に向かうという時に事を荒立てる必要はないとも、ヴァシリーは思っている。


「変な事を考えないように脅しておいただけだ。さて、出陣がかなり遅れている。急ぐぞ」


 この日、ニコライ王太子率いる三万の軍勢が王都を出立した。ルースア王国は大陸統一という野望への第一歩を記したのだ。


◇◇◇


 ルースア王国が軍を動かした。この情報は瞬く間に大陸全土に広がっていった。ルースア王国はやがて動くと考えて、周辺国の全てが動向を注視していたのだ。情報の広がりは早かった。

 アーテンクロイツ共和国を除いて、真っ先に情報を入手したのはルースア王国に一番近い位置にある東部辺境諸国。皇国からの独立を明確に示すために、今は中央諸国連合を名乗っている。皇国視点では東部辺境でも、大陸全体で見れば中央だという表明だ。


「侵攻路は南らしいが、一応は警戒緩めるなってよ」


 今はプレシアード王国の王太子であり、中央諸国連合の取りまとめ役の一人でもあるラウールだが、そんな重鎮とは思えない軽い調子でトリスタンに話し掛けてきた。


「全体を警戒するのは厳しいぞ」


 ルースア王国と中央諸国はかなり広い範囲で国境を接している。それぞれ備えはあるが、ルースア王国が本気で攻めて来た場合は、連合で対応しなければ防ぎきれない。


「王国は十二万の軍勢だ。国内はかなり手薄になる」


「……東の防御を薄くしろというのか?」


 ラウールの意見に、トリスタンは眉をひそめている。

 十二万という軍勢は王国にとっても大軍だ。国内に残る部隊は必要最低限となる。攻める余裕などあるはずないのだから守りを薄くしても平気だ、というのがラウールの考えだ。

 理屈では分かる。だがこれまで一番警戒していた東の備えを緩めるというのは、精神的には不安が大きい。


「そうするしかないだろ? 北には二万。これへの守りは変えられない」


 北にはルースア王国に従った元東部辺境領主の軍勢が居る。今回の出兵に関係なく、中央諸国や東方伯家の反乱勢力などへの警戒から、ずっと臨戦体勢のままだ。これへの備えを疎かにするわけにはいかない。


「十二万を防げる数ではないな」


 中央諸国全体の軍を動員しても三万ほどだ。北に一万張り付かせたとして二万しか残らない。これで十二万の敵と戦わなければならないのだ。


「粘れば南の奴らが背中を突いてくれる」


 中央諸国連合が警戒するのはルースア王国が南から攻めると見せかけて北上する事だ。だが、これをすれば、南部諸国はルースア王国の後背を襲う事が出来るようになる。


「二万、南が全軍を出して三万というところか」


「それは無理だな。二万で見ておくべきだ」


 南部は南方伯に備えなければならない。全軍を動かすのは無理だ。


「南方伯も協力させれば良い」


「……なるほど。だが、誰が?」


 トリスタンの考えは、ラウールも良い案だと思う。南方伯家軍三万、南部反乱軍三万が合流すれば、ルーシア王国の後背を六万で突ける。だが、南方伯を対ルースア王国戦に引き込む算段がラウールには思いつかない。


「南の事は南で解決するべきだ」


「散々、敵対して……、そうじゃないと無理か」


 ずっと戦ってきた相手と、いきなりの和解は無理だと考えたラウールだったが、途中で思い直した。

 南方伯が仮に動くとしても、南部反乱軍が攻めてこないという保証が必要だ。これを約束するのは南部反乱軍であるべきだ。そうでないと南方伯が信じるはずがない。


「では南に頑張ってもらって、俺たちは俺たちで出来る事をしておくか」


 本来もっとも緊張が高まるはずの中央諸国連合は、まとめ役の二人がこんな調子なので、思いの外、落ち着いた様子で戦争準備に突入する事になった。


◇◇◇


 落ち着いていられないのは侵攻路に選ばれた南部。ルースア王国は途中から皇国に向かうはずという情報は届いているが、策かもしれないという話も届いている。

 十二万という軍勢は、南部反乱軍が単独で抗うには荷が重すぎる。


「カムイからの情報を信じるしか無い」


 カルロスも打つ手は見つからないという様子だ。


「その情報はルースア王国が南部制圧に動く可能性も示しているよ?」


 ディーフリートもこれという対策は思い付いていないのだが、ただ手を拱いているだけで終わらせるつもりはない。


「仮にそうなるとしても出来ることは限られている」


 勿論、カルロスも何もしないつもりはない。ただ、これで大丈夫という策が見つからないのが不満なのだ。


「その出来ることって?」


「防衛戦の選定と強化。どこでルースア王国を止めるか決めなければならない」


「出来るだけ手前……、とはいかないか」


「修復に時間が長く掛かる所は駄目だ」


 南部はずっと争いを続けている。今は反乱側がわざと決着を引き延ばしているところがあるが、この余裕が出来るまでは、それなりに激しい戦いだった。

 守るに適した場所は、激しい戦いの中で損傷が激しかったりするのだ。そういった場所を修復する時間があるなら、別の場所の強化を図った方が良いというのが二人の考えだ。

 一、二万の軍勢の攻撃を防ぐのと、十万を超える軍勢の攻撃を防ぐのとでは、求められる堅牢さが全く異なる。


「改めて現地調査が必要かな?」


「もう向かっている」


「早いね?」


 カルロスの打つ手の早さに感心したディーフリートだったが。


「共和国の者が」


「……負けたか」


 早々に手を打っていたのは共和国だった。南部の防衛に関してカムイたちに先手を取られたという事実は、ディーフリートとしては正直かなり悔しい。


「だが助かる。アンファングの戦いで、共和国はかなりの陣地を構築したらしい。皇国にほとんど付け入る隙を与えなかったそうだ」


「魔族の知恵だね?」


 皇国騎士団にも、戦いの歴史の中で蓄えられた知識がある。それが通用しなかったとなると特別な知識に違いない。


「だろうな。ただ十二万の攻勢を防ぐに充分なものになるかは保証出来ないそうだ」


「さすがに無理か」


「相当規模を大きくする必要があるが、それが出来たとしても守る人手が足りないと言われた」


 大規模な防御陣地を構築しても守る兵を配置しなければ、ただの障害物に過ぎなくなる。これでは意味はない。


「……こちらの問題か」


「落ち込む必要はない。作ってくれるというなら、作ってもらおう」


「……そうだね」


 カムイに甘えてばかりの気がして、内心では落ち込んでいるディーフリート。だが、これは私情であり、反乱軍の盟主としての考えは別でなくてはならない。


「次が、南方伯との停戦協定の締結」


「さて、出来ると思うかい?」


 ずっと戦い続けてきた相手。ルースア王国が現れたからといって、停戦に応じるかは微妙だ。それに心配は協定が結べるかどうかだけではない。


「交渉の前に工作が必要だ」


「ルースア王国は降伏は認めない。全ての国を滅ぼす為に侵攻してきたってところかな?」


「ちょっと大袈裟だな。でも、そんな感じだ」


 南方伯についての一番の懸念は、ルースア王国に恭順してしまう事だ。南方伯はかなり追い込まれている。一時は皇国に降るのも時間の問題と思われたくらいで、そうされては困るから、反乱側は決着の先延ばしをしているのだ。

 共和国に敗れ、西方伯も独立した事で、南方伯が皇国に降る可能性はかなり減ったと思ったのだが、そこにルースア王国という巨大勢力の登場だ。

 長いものには巻かれろといった感じで、ルースア王国に従って生き残ろうと、南方伯が考えておかしくない。これは何としても防がなければならない。


「じゃあ、この線で情報の流布を」


 南部反乱勢力も独自の諜報組織を持つようになっている。カムイたちによって、その重要性を知らされたからだ。


「後は工作の状況を見て、交渉の開始だな。……実際のところ、どういう展開になると思う?」


 今回のルースア王国の侵攻に対して、各国、各勢力がどの様に動くのかはカルロスにも読み切れていない。


「……本当は全ての国と手を結んで、ルースア王国を袋叩きにするべきだと思う」


 ルースア王国軍が皇国中央に進出すれば、それは包囲網の真ん中に飛び込んでくるのと同じだ。だが、そうはならない。少なくとも共和国が皇国と結ぶ事はない。


「別に共和国に倣う必要はない。我々は南部に一番良い方法を選ぶべきだ」


 ディーフリートの意見にカルロスも同調してきた。


「そうだね。西は同盟を望むかもしれない」


 実際にオッペンハイム王国は望んでいる。ディーフリートたちはまだ知らないが、それを実現しようと動き出している。


「二方向。東はどうだ?」


「……東は分からないね。東こそ、ルースア王国を叩きのめす為に積極的に動くべきだと思うけど」


 ルースア王国と国境を接している中央諸国だ。ルースア王国が二度と侵攻など考えない様に完膚なきまでに叩き潰すべきだとディーフリートは思っている。


「中央諸国が駄目でも東方伯が居る」


「ああ。東方伯は今も皇国の臣下だ。これで三方か。包囲は出来ているね」


 共和国もルースア王国が軍を北に向ければ戦う事になるはず。包囲は出来ていると同じだとディーフリートは考えた。


「共和国は何故これをしないのだろう?」


 ルースア王国を叩きのめす絶好の機会。これを何故、カムイたちが見逃そうとしているのかカルロスには理解出来ない。


「逆にルースア王国はよく真ん中に進出しようなんて作戦を立てたと思うよ」


「……ルースア王国には確信がある訳か」


 共和国と皇国が組むことはない。これに余程の確信がなければ、包囲の真ん中になる皇都になど軍を進められない。


「テーレイズ元皇子の宣言はアンファングの戦いを助けたかもしれないけど、皇国との関係は決定的なものにしたね」


「共和国が求めても皇国が受け入れないか。しかし、滅んでしまっては意味がない」


「そう。さすがにここはお互いに妥協するところだと思うよ」


 ルースア王国という脅威を前にしては、さすがに共和国と皇国も手を握るしかない。ディーフリートはこう考えている。


 だが、これはクラウディアという人物を甘く見ている。甘くという表現が正しいかは微妙だが。


 そのクラウディアが居る皇都でも、ルースア王国に関する会議が行われていた。ただ、皇国のそれは他とは少し違っている。皇国はルースア王国の使者から話を聞いているのだ。


「えっ? だって王国は反乱軍と戦うんじゃないの?」


 共和国を初めとした周辺国と一時的にでも良いから同盟を結ぶべきだ。このカルク宰相の進言に対するクラウディアの答えはこれだ。


「その反乱軍が抑えている土地は我が国の領土です」


「そうだけど、今は共和国を倒すのが最優先だって言っていたよ?」


 これはルースア王国から来た使者の言葉だ。ルースア王国は皇国に共和国を討つために共闘しようと持ち掛けている。世の乱れの元凶である共和国は滅ぼすべきがルースア王国の言い分だ。当然、嘘である。

 だが、この嘘をクラウディアは信じている。もしくは信じようとしている。クラウディアにとって、都合の良い話だからだ。


「それは口実に決まっています」


 さすがにカルク宰相は、ルースア王国の嘘に騙されなかった。


「どうして嘘だって分かるの?」


「まず南方の勢力を駆逐すると使者は申しました」


「弱い所から攻めるのが常道だって言っていたね」


「その弱い所に、どうして十万を超える軍勢を送るのですか?」


「……それは絶対に勝つ為に」


 カルク宰相の問いに、どうやら自分は間違っているようだと、クラウディアも察した。


「そうだとしても多過ぎます」


「……あっ、共和国が反乱軍を助けに入った時の為」


 間違っていると分かっても、それを直ぐに認めようとしないのが、クラウディアの不思議なところだ。


「共和国と戦う覚悟があるのであれば、中央から攻めるべきです」


 使者は弱い所から攻めると言った。だが共和国はその弱い所ではない。使者の説明には矛盾がある。これがなくても共和国と戦うつもりであれば中央から攻めるべきだという位は、軍人ではないカルク宰相でも分かる。


「……どうして?」


 クラウディアには分からないが。


「ルースア王国にとって、攻め易く守り易いからです」


「ふ~ん。なるほどね」


 納得した振りをしているが、クラウディアは、何故、攻め易く守り易いのかは分かっていない。


「王国は我が国を攻めようとしております。もしくは我が国と周辺国の全てを」


「凄いね。王国ってそんなに強いんだ?」


「周辺国と協力すれば打ち倒す事は出来ます。ですから、同盟交渉のご許可を」


 単独で戦えば間違いなく負ける。しかも皇都を奪われての負けだ。皇国は滅びる事になる。この期に及んでは さすがにカルク宰相も魔族云々を言っている場合ではないと考え、最善の対応をとろうとしている。


「同盟すれば絶対に勝てるの?」


「戦いですので、絶対はないと思いますが、今のままでは絶対に負けます」


「絶対に?」


「はい。絶対にです」


「…………」


 カルク宰相の言葉に、クラウディアは不満そうな顔をして黙ってしまった。


「ご決断を」


 そんなクラウディアにカルク宰相が同盟交渉の許可を求める。状況は理解されたと思ったのだ。


「負けたら私はどうなるの?」


 カルク宰相にとって残念だが、クラウディアにはまだ聞きたい事があった。


「……皇帝陛下の地位にあるのですから、処刑という事態もあり得るかと」


「えっ!? 私、殺されちゃうの!?」


「皇帝である陛下は皇国の象徴です。皇国の滅亡を周囲に知らしめる為には、陛下を処刑する必要があります」


 こんな事は説明されなくても普通は分かる。処刑と聞いて驚いているクラウディアに呆れながら、カルク宰相は理由を説明した。

 自分が処刑されると知れば同盟交渉を拒否出来ないだろうという思惑もあってのことだ。


「……分かった。交渉しても良いよ。でも、王国の使者の人とも話したいな。話し合えば分かり合える事も、きっとあると思うの」


「それは……、はい。では伝えておきます」


 分かり合えるはずなどない。だがカルク宰相は面倒に思って、否定するのを止めておいた。


「うん。よろしくね」


 ルースア王国の作戦は騙す相手の皇国にまで見抜かれてしまっている。ルースア王国の使者は喋りすぎたのだ。与えなくても良い情報まで与えてしまい、皇国に矛盾を気付かせてしまった。殺されても構わない無能な人物を使者に選んだルースア王国の失敗だ。

 ルースア王国にとって幸いなのは、クラウディアは更に無能だという事。いや、能力以前の問題で、皇帝としての資質が皆無だったという事だ。

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