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魔王の器  作者: 月野文人
第三章 皇国動乱編
109/218

混沌を生む者

 全てはカムイたちの手の平の上で。

 そんな状況だと思っている者も居るのだが、実際には混沌に巻き込まれているのはカムイたちもだった。


「ちょっと動きすぎたな」


 珍しく後悔を口にするカムイ。


「それは言えてる。どうするよ、皇国は体制を整えつつあった。それは勝手に馬鹿皇女が崩してくれそうだが、あんまり動きが早いと、それはそれで王国が圧勝しちまうぞ」


 アルトの場合は、後悔よりもクラウディア皇女に苛立っている。意識しての事ならまだしも、何にも考えないで自分たちの策を台無しにされた事が許せないのだ。


「ここまで馬鹿だと思わなかった。あれはあれで読めないな」


 カムイたちの最大の誤算はクラウディア皇女だった。カムイたちが狙っていた皇国の分裂、それにクラウディア皇女も又、同じように動くとは予想していなかった。おかげで、状況が一気に加速どころか、予想以上の効果を発揮しそうになっている。


「確かに。せめて王国との勝ち目が出てから動けってんだ。それを知らずに、こっちまで動いちまって、内乱を加速させちまったかもしれねえ」


「西方伯は動くかな?」


 クラウディア皇女は、その行動力で西方伯家までディーフリートの暗殺を伝えていた。当然、嘘の内容だ。

 だが、それが結果としてデト商会の情報の裏付けとなり、疑念は確信にまで変わってしまった。


「動かない事をただ祈るってんじゃあ、芸がねえ」


「そうは言ってもな。あまり働きかけると、こちらの意図がバレる。オットーの所を使うのはもう止めた方が良い。そろそろ、商会の名が知れる頃だ」


「そうなんだよな」


「ちょっと情報を整理してみるか」


「どこから行く?」


「戦況だろうな。それがどう傾くかでこちらの動きは変わる」


「じゃあ、分かり易い南部から。ヒルデガンド妃殿下が南部を去って、東方に移動する。それで南部がどうなるかだが、まあ膠着だな」


 こんな情報もカムイたちは手に入れている。


「隠居の爺共が出てくるからだ。王太子を討ってしまえば、王国も後継争いの目が出てきたのに。下手に武に自信があるから、正攻法で動いてしまう」


「強者の理論って奴だな。おかげで、王国への打つ手が減っちまった。王国を混乱させるには皇国が戦争で勝つか……」


「そっちは?」


 打つ手が減っただけでない訳ではない。


「まだまだ、それこそ年の単位で時間が掛かる。絶対大丈夫って自信がなけりゃあ、奴らは動かねえ」


「だろうな」


「南方伯家軍は勝てねえか?」


「勝てなくはないが、王太子を討つことは難しいだろうな。あれはあれで、良く頑張ってる」


「それも意外だったな。もっと功に逸って動くと思っていたのによ」


「それだけ国王が恐いんだろうな? 前科があるしな。今度下手打てば、王太子の座を失う事になる。今の王太子は功をあげるよりも、失敗を恐れている」


 それが王国の王太子が、決戦から逃げまわっている理由だ。弱気で逃げまわっているのであれば、その状況を国王が許すはずがない。許すという事は、それが国王の指示、南部が陽動だという事だ。決着はあくまでも自身の指揮の下で。それがアレクサンドル二世国王の望みだった。


「それを失敗させると面白えけど、こちらでどうこう出来る状況じゃねえ。南方伯家軍はしばらく南部に張り付き。結局、東方の結果次第か」


「東方は東方伯家軍が予想以上に強い。実戦を重ねてきた強さだな。おかげで膠着しているのだから、良い誤算とも言えるが」


「勝敗の予測がつかねえ」


「それでも力押しすれば突破出来るはずだ。防衛線なんて言っても線といえるほど、兵の広がりはない。王国は何を待っていると思う?」


「分かってんだろ? 皇国騎士団が出てくるのをだ。皇国騎士団が大打撃を受ければ、皇国の士気は一気に下る。東方伯家軍がどんな強くても防ぎきれなくなる。実際はそうなるかは怪しい所だが、王国はそう考えていると思うな」


「その皇国騎士団はまだ動かないのか?」


「何やら、ご立派な将軍様を待っていたみてえだな。老体に鞭打ってご苦労なこったと言いたい所だが……」


「勝ち目が出たか?」


「ああ。オスカーじゃあ、ムリだったろうが、歴戦の将軍様が率いるとなれば、そうなる可能性は高けえ。しかも、一番出て来られたくない将軍が前線に復帰した」


「エデュ・バンデルスだったな」


「ああ。先帝に関係なく、自身が優れた将才を持っている一人と見てる」


 カムイたちの調査は先帝時代の臣下にも及んでいる。追い詰められれば、いつかは出てくると予想しての事だ。


「そんな将が参戦か……。戦いの開始は?」


「予想では早くて一月後。王国本軍も南下の準備を進めてる。正面決戦って奴だな」


「それにどちらが勝つかで、大きく変わってくるな」


「優秀な将軍様の登場と言っても絶対じゃねぇ。動いてもらうか?」


 王国に傾いている流れを皇国に引き戻す、今のカムイたちの望む方向はこれだ。皇国と王国で力が均等のまま、潰し合ってもらう為には、そうならなくてはならない。


「今の俺はそれを頼める立場じゃない。東部辺境領は自由に動くべきだ」


「律儀だねえ。じゃあ、ただ結果を見守るだけか?」


「それもな」


「じゃあ、殺るか?」


「……無理だな」


「どうしてだ? 殺って殺れない事はねえぞ?」


 城の奥深くであれば苦労もするが、戦陣の中となれば侵入は比べものにならないくらい容易だ。カムイの無理は、実行の可否を言っている訳ではない。


「向こうに新たな非がない限り、手を出さないと約束した。それがなくても悪手だ。殺れば間違いなく俺たちだってバレる。皇国がそんな事をするはずがない。皇国ってのは、正攻法で動くってのは王国だって分かっているはずだ」


「下手に殺ると手を組まれるか。確かにマズイな」


「どこで失敗したかな?」


「皇国を買い被った所だな。どうしても俺らは皇国を王国よりも上に見ちまう」


「それだな」


 カムイたちから見て、皇国は失態続き。ここまで自分たちの策に皇国が嵌るとは予想していなかったカムイたちだった。


「王国をもっと考えねえと」


「……いや、いっその事、徹底的にやるってのも一つだ」


 少し考えて、カムイはアルトの言葉の逆を告げた。


「王国を勝たせるのか?」


「戦争に勝ったからと言って、すぐに統治がうまくいく訳じゃない。特に四方伯は抵抗を続けるはずだ。皇国は広い。王国の今の兵力で全てを抑えきれるとは思えない」


 皇国と王国の全面戦争の決着が一度や二度の戦いでつくはずがない。一代でも決着しない可能性だってある。


「……なるほど」


「それは王国だって分かっているはずだ。まずは東方を領地に治めて、そこからじわじわと。そんな考えじゃないかな?」


「そうなると……。引くに引けない所まで深入りさせる、か?」


「そこで初めて、東部辺境領に動いてもらう事を考える。後背を塞ぐ形に持っていければ」


「面白くなるな。となると……、完全な悪党だな」


 頭に生まれた策は実に悪辣なものだ。

 

「今更だ。標的はオスカーの所にいる将軍様。南方伯がその次。北方伯はどうでも良い。あれは戦場に出てくるつもりはなさそうだ。とにかく、ご老体には早々に退散願おう。一応、忠告はしたしな。少しは気は楽だ」


「……そうか?」


「悪い。気休めだ」


 そして又、カムイたちの新たな暗躍が始まる。


◇◇◇


 皇国騎士団本軍の本陣。そこに突然、一人の使者がやってきた。薄汚れた鎧を身に纏った騎士に対しているのはオスカーだ。


「何卒、我が主の願いを聞き届けて頂けませんか?」


「気持ちは分かるのだが、自分の一存ではな」


「皇国騎士団長殿であれば、権限をお持ちのはずです。軍の編成は、騎士団長の裁量で出来るはず」


「しかし、反乱領主の残党を軍に組み入れるなど」


「それを悔いて、こうしてお願いに参ったのでございます。再度、皇国への復帰を、御家復興の機会を何卒、我等にお与え下さい! 必ずや武功を上げてみせます!」


「しかしな……」


 オスカーは使者に気付かれないように、そっと隣にいるバンデルス元将軍の顔色を窺った。

 今のオスカーはバンデルス元将軍の同意がなければ何も決められないのだ。


「その主は何故、来ていないのだ?」


 それに気付いたバンデルス元将軍が使者に問いかけた。


「主はシュトラッサー家の血を引く唯一のお方でありますので」


「命の保証がない、この場には来れんか?」


「その通りでございます」


「ふむ。信用ならんな」


「失礼ですが、貴方様は?」


 突然、割り込んできたバンデルス元将軍に、訝しげな顔で使者が問いかける。


「エデュ・バンデルスだ」


「……将軍様でございますか?」


 名を言われても、使者にはバンデルス元将軍が何者か分からない。


「……いや、将軍位は既に退役している」


「オスカー騎士団長殿。何卒、お許しを!」


 バンデルスが無役と聞いて、すぐに騎士は又、オスカーに向き直って嘆願を始めた。

 バンデルス元将軍の顔に不快の色が浮かんでいる事など全く気にしていない。


「バンデルス殿、自分は許しても良いと思うのですが?」


「辺境領主の力など不要。まして反乱を起こした辺境領主など、今すぐに捕らえて罪に落とすべきだな」


「何だと!? 何を偉そうに! お前にそんな権限があるのか!?」


「無礼であろう!」


「何が無礼だ! 無役の一騎士が騎士団長殿に意見する事の方が無礼であろう!」


「……おのれ、今すぐ此奴を捕らえろ! 反乱領主の部下だ!」


「卑怯者! 使者を害するとは、貴様それでも騎士か!? 騎士を語る老いぼれか!?」


「儂を愚弄する気か! 今すぐにたたっ斬ってくれる!」


「はっ! 剣を持たない相手だと強気だな!」


「貴様!」


「悔しければ堂々と勝負してみろ! この老いぼれが!」


「許さん!!」


 使者の挑発に完全にバンデルス元将軍は乗ってしまっている。歴戦の将軍という誇りが、この場合は悪い方に作用していた。


「ならばどうする!? 無手の相手に斬りつけるか!? 老いぼれ騎士は決闘も出来んのか!?」


「良いだろう! では決闘だ!」


「バンデルス殿、お止め下さい! ここは戦場です!」


「かまわん。この罪人に、儂の力を思い知らせてくれる!」


「誰か! バンデルス殿を止めろ!」


「止め立て無用! すぐに決着は付く!」


「老いぼれが調子に乗りおって!」


 バンデルス元将軍の言い様に、使者の方も怒気を強めてしまう。このままでは本当に斬り合いになると思って、オスカーは使者の方を止めに入る。


「お主も止めろ! これ以上、挑発するな!」


「しかし、オスカー騎士団長殿! 自分もここまで愚弄されては!」


「良いから止めろ! 参軍は許す! それで良いだろ!」


「本当でございますか!?」


「本当の訳が無い!」


「老いぼれは黙っていろ! 自分はオスカー騎士団長殿にお聞きしているのだ!」


「重ね重ねの無礼! もう許さん!」


 激昂のあまり決闘だと言った事も忘れて、バンデルス元将軍は使者に斬りかかっていった。

 それを慌てて後ろに下がって避ける使者。


「卑怯者! 決闘と言っておいていきなり斬りかかるとは何事だ!」


「お前ごとき、決闘の価値も無いわ!」


 そう言って更に使者に斬りかかっていくバンデルス元将軍。無手の使者は、ただひたすらに後ろに下がって逃げるしか無い。


「止めろ! バンデルス殿を止めるのだ!」


 その様子にオスカーが立ち上がって叫んでいるが、誰も動こうとしなかった。

 バンデルス元将軍には逆らえない。多くの者がそう考えているのだ。


「皇国騎士団とはこんな所か!? 無手の者が暴漢に襲われていても誰も止めようとしないとは!?」


「儂だけでなく騎士団まで愚弄するとは! 今すぐにその口を塞いでくるわ!」


 バンデルス元将軍は、益々怒りをたぎらせて、使者に襲いかかった。

 振りかかる剣を懸命に避ける使者。もう憎まれ口を叩く余裕もないのか、怒声を上げる事無く、逃げまわっている。


「もう逃さん!」


「それはこちらの台詞だ。この老いぼれが」


「何だと!?」


「燃え上がれ、死の炎に包まれて。パーガトリー(煉獄)!」


「なっ!? うっ、うおおおおおおっ!!」


 使者の詠唱の声と共にバンデルス元将軍の体が炎に包まれる。バンデルス元将軍は、叫び声を上げながらも、身動きもせずに、ただ燃え上がるに任せているだけ。


「バ、バンデルス殿!!」


「本当に老いぼれだったな、この魔法に耐える精神力もないなんて。さて、お迎えだ」


 周りが信じられない出来事に呆然としている中、騎馬が突然、本陣に突入してくる。

 その騎馬に引き上げられる使者。


「き、貴様! こんな事をして、参軍が許されると」


「はあ!? まだそんな事言っているの?! 鈍いな、僕はシュトラッサー家の人間ではないよ!」


「何だと!?」


「すぐに戦場で会おう! 皇国騎士団長殿!」


「き、貴様! 王国か!?」


 それに答える事無く、使者を乗せた騎馬は騎士の列を突き破って、本陣を駆け抜けていく。


「追え! 逃すな! 王国の刺客だ!」


「逃すな! 追え! すぐに騎馬を出せ!」


 参軍したばかりの重鎮を失うというまさかの失態に皇国騎士団本隊の本陣は大混乱に陥った。

 それでも急ぎ差し向けた追手が見つけたのは、乗り手のない馬が一頭だけ。王国の刺客の姿など、どこにもなかった。


 その本陣から少し離れた位置に布陣している辺境領主軍の陣地では、ラウールが呆れた顔で、突然の来訪者を見つめていた。


「……全く、無茶するもんだ。四柱臣が自らこんな所へ」


「何、その四柱臣って?」


「誰が言い出したか知らないけど、お前ら四人はそう呼ばれてる。支える柱と忠義の忠。この二つの意味を引っ掛けての造語だな」


「へえ。何だか恥ずかしいね」


「ああ、俺なら恥ずかしくて表を歩けない」


「……言い出したのは君たちだよね?」


 軽く怒気を込めて睨まれたラウールだが、そんな視線は少しも堪えないようで、笑みを浮かべて問いを返した。


「どうして、そう思う?」


「僕たちの事は、広く知られているはずがない。四柱臣なんて呼ぶのは、内部を知っている人たちしかいない」


「……正解」


「全く。まあ、今は文句は言えないか。悪いね。陣に逃げ込んで」


「別に俺は何も知らない。たまたま知り合いが近くに来たから陣中に招き入れただけだ」


 少し離れた場所にある本陣の騒ぎはここまで聞こえてきている。それに少し目を向けながらも、ラウールはそう言った。


「ああ、そうだね。じゃあ無茶じゃないね」


「戦場をふらふらしているのは無茶だろ?」


「まあ、そういう事で」


「また新しい動きか? 今度は何を企んでいる?」


「それがさ、少し動きすぎたみたいで、こっちも混乱しているんだ」


「はあ?」


「アルトの馬鹿は、これまた馬鹿な皇女のせいだって言い訳してたけどね」


「何かやらかしたのか?」


「まあ、その内分かるよ。今言えるのは、落ち着きかけた皇国は又、混乱するだろうって事かな?」


「……どうしようもないな」


「それで、ちょっと状況の整理の為に動き出した。右か左か分からないよりは、どっちに振れるかはっきりさせた方が良いだろうって判断」


「あいつのか?」


「そう」


「……なるほどな。しかし、その情報だけだとやりにくいな」


 情報が足りない。遠回しにラウールはこれを言っている。


「じゃあ、もう少し。王国は待ってるよ。準備万端整えてね」


「やっぱりな。バレない訳がないと思ってた。大将までも馬鹿って事かよ」


 全軍の大将は皇国騎士団長であるオスカーだ。そのオスカーの命令で戦う事になるラウールとしては堪らない。


「そうでもないらしい」


「おや?」


「王国に攻め込むのは悪くない策だってさ。皇国がそんな馬鹿な事をするなんて、王国も考えていなかったはずだって言ってたよ」


 王国の備えが充分でない事をカムイたちは知っている。あまりに無謀な作戦だからだが、だからこそ奇襲となるはずだった。


「じゃあ、誰が馬鹿なんだ?」


「お年寄り。未だに皇国は最強だなんて思っている爺の考えだろうって」


「それで、あそこか」


「一人、退場。でもきっと進路を変える度胸は騎士団長にはない」


「それ最悪だな」


 歴戦の将軍を失って、待ち構えている王国に戦いを挑む。もう勝敗は見えているようなものだ。


「そうだね。という事で、戦いは程々に。被害を出さない事だけを考えたほうが良いね」


「そうする。その後は?」


「こちらの思う通りに行けば、王国は皇国中央に進出する」


「後ろを塞げって?」


「さすが。そこからが本番だね」


「……しかしな」


「何? 何か気になる事がある?」


「思ったよりも強い。あの姫様は」


 共に戦ったラウールだから分かる事もある。ヒルデガンドに対するラウールの評価はカムイたち以上に高い。


「おっと、それ程? そうか。それを聞いたら、どう思うかな?」


「強くなった事を素直に喜ぶか、策に不確定要素が出た事を悲しむか、か?」


「喜びそうだね。そうなったら、そうなった時だ。それに、案外、アルトは分かっていて、この状況に持ち込んだような気もする」


「それってアルトの独断って事か?」


「そうなるかな?」


「……大丈夫か?」


 臣下の暴走が良い結果を生むはずがない。そう思って、ラウールの顔に不安の色が浮かぶ。


「平気。アルトが何をしようとそれはカムイの為さ。皇国と王国の勝敗なんて、どうでも良いことだね」


「……それをさらっと言うお前も、とんでもない臣下だな」


「僕だけじゃない。皆がそうさ。さてと、そろそろ行くかな?」


「平気か?」


「平気。仲間が近くまで来てるはずだから」


「そうか」


「じゃあ、又いつか」


「ああ、その内な。イグナーツ殿」


「その名はここでは呼ばないで欲しいな?」


「……悪い、じゃあな」


 結局、カムイたちの思惑通りにオスカーは、将軍を失っても、決戦に臨む事を決断した。

 それは当然だ。騎士団長が敵との戦いから逃げ出すわけにはいかない。

 皇国にとっての受難は、まだまだこれからだ。

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