南部戦線異常有り
皇国の南には険しい山々が連なる火山地帯がある。
その先には海があるはずなのだが、それを見たという者はいない。危険な活火山地帯を抜けて、そこまで行こうなどと考える者は誰もいないからだ。そこは人が足を踏み入れる事がない不毛の地だ。
一方で、その火山地帯の北には緑豊かな平野が広がっている。皇国では東方伯領に匹敵する豊かな土地で、それ故に昔から戦乱が絶えなかった場所でもある。
そして、今も又、その平野の東部では争いが行われていた。
「離脱! 離脱しろ!」
マティアスの怒鳴り声が響く。その声を聞いて、騎馬が一斉に、王国軍との前線から離れていく。
「密集隊形! 隊列を整えろ!」
「敵後方千! 追ってきます!」
「迎撃離脱!」
密集して王国軍から離れようとしていた騎馬隊が、その号令で反転する。馬首を向けた方向は、追ってきた王国の騎馬部隊だ。
その体勢から先頭を駆けるマティアスとランクが、それぞれ騎馬を率いて左右に分かれる。その後ろから機動魔導部隊が姿を見せた。
「放てぇえええ!」
マリーの号令と共に、一斉に魔法が王国軍の騎馬部隊に向かって、放たれる。
「反転離脱!」
その結果を確かめる前に、マリーは部隊を反転させて、後方に下がっていく。
前方には、すでにマティアスとランクが率いている騎馬も駆けていた。そのまま騎馬隊は、丘を越えて、王国軍との距離を引き離していった。
王国軍との距離を取った所で一旦馬を降りて、休憩を取る。
「きりがない」
馬を降りたマリーの第一声がこれだ。苛立ちが隠せないでいる。
「そうですね。まさか王国軍がこんな動きに出るなんて、思っていませんでした」
「目的を探らないと。このままじゃあ、振り回されるだけだよ」
「マリーさんは何か思い当たる事はありますか?」
「今の所は全く。もう少し情報が欲しい所だね。南方伯家からは?」
「斥候を放って探らせているようですが、北上する様子はないとしか」
「だったら、南下しろよ!」
ヒルデガンドたちに前線を任せたまま、南方伯は全く動く様子がない。その意図がヒルデガンドたちには全く分からない。
「伝令を送っても皇国を守る事が優先だと言う事を聞いてくれません」
「南部辺境領は皇国じゃないってか。これだから、方伯家って奴は」
「ごめんなさい」
ヒルデガンドもその方伯家の者だ。
「……悪い。忘れてた。しかし、辛いね。戦況が好転する気配がない。他の状況は?」
「同じようなものです」
「……もう一度整理してみようか」
そう言って、マリーは南部の状況を自らも再確認するように話し始めた。
皇国南部に侵入してきた王国南部侵攻軍は、東端の辺境領を占拠すると、そこを拠点にして、更に隣の辺境領に攻め込んだ。
辺境二領が占拠された時点でようやく、南方伯家軍が展開を開始する。だが、南方伯家軍は占拠された辺境領に踏み込む事をせず、南方伯領の東南に防衛線を張った。
東方での戦いと同じような展開だ。
異なるのは、王国軍が南方伯家軍と向かい合う軍をださずに、それを避けるように西に広がってきた事だ。
それを受け止める南部辺境軍にとっては堪らない。大軍を支えきれずに西に押し込まれていく。ようやく皇国にとって事態が好転しかけたのは、そこにヒルデガンドが来着し、南部辺境領軍を取りまとめたのがきっかけだ。
南部辺境領連合五千。それに合流したヒルデガンドたち、五百を中核として、更に西部の辺境領軍の集結を図った。
図ったのだが、王国軍は、その五千五百でさえ、避ける動きを見せる。いくつにも部隊を分けて、手薄になった辺境領を狙って、攻めてきたのだ。
そうなると、ヒルデガンドたちも一カ所に留まっている訳にはいかない。せっかく集結させた辺境領軍を、分散させて、それぞれ王国軍にあたる事になった。確かに戦場が分散すれば数に優る王国側が有利だが、分散させすぎて占領地を固める事も出来ていない。
これが今の状況である。
「やはり分からないですね」
「単純に考えれば、こちらを疲弊させて、抵抗出来なくさせようとしていると思えるね」
「各領地の物資を奪われ、軍をあちこちに移動させていては、いずれそうなりますね」
「やっぱり、これかね? ただ分からないのは、南方伯家軍をどう考えているかだね。南方伯家軍は一つ所に留まったまま。疲弊する事は無いよ」
「そもそも、今南下してくれば、横に広がって厚みを失くした王国軍は不利なはずです」
「だから南下すれば良いんだよ。全く何を考えているのかね?」
「それは王国も同じです。何を考えているのですかね?」
ヒルデガンドたちには、今の状況を招いている原因がいくら考えても明確にならない。
ヒルデガンドたちには理解出来ない理由で、こうなっているのだから。
そこにヒントを投げかけてきたのは、ニコラスだった。
「あ、あの……」
「どうしたのですか?」
「いえ、やっぱり良いです」
「遠慮しないで下さい。今は全員で考える時ですから、気になる事があれば、なんでも言ってください」
「そうですか……。その、馬鹿な考えだと思うのですが」
「はい」
「逃げているのではないでしょうか?」
「はっ、はい?」
「あっ、申し訳ありません。馬鹿な事を言いました」
「い、いえ。何でも話すようにと言ったのは私です」
「それでも……、すみません。忘れてください」
「はい」
勇気を振り絞って、口を開いてみたのが、ヒルデガンドの反応を見てニコラスはすっかり萎縮してしまった。内気なニコラスは元々、自分の意見を主張するのが苦手なのだ。
「逃げてるね……」
だが、マリーはこれで話を終わらせようとしなかった。
「マリーさん?」
「ニコラス、どうしてそう思ったんだい?」
「いえ、もう良いです」
「良いから話しな。あたしは、馬鹿な話だとは思ってないよ」
「えっ?」
「辻褄があってる。王国が西に移動しているのも、南方伯家が南下しない事も、戦いを恐れているって考えられなくないね」
「南方伯も?」
「ああ、そこまで考えてた訳じゃなかったようだね。王国が逃げていると思う理由は?」
「すみません。明確な理由は」
「まさか勘?」
「……なんとなく戦いは、やはり怖いかなと」
つまり勘だ。だが、ただの勘だと無視は出来ない。戦場で頼りにしているテイロンや他の元クロイツ子爵領軍の者たちの強さは、その勘にあるのだから。
「……強くなっても性格は変わらないねえ。でもこの場合はそれが役に立った。お互いに逃げている可能性は充分にある」
「マリーさん、本当にそんな事があり得るのですか?」
「あるね。南方伯は細かい説明はいらないね。理由を付けて、居竦んでいるだけさ」
「でも南方伯家は」
前南方伯は先帝と幾度も戦場を共にした武人だ。前北方伯と共に、皇国の武と呼ばれた先帝を支えていた存在だ。
「トンビが鷹を生むなら、その逆もあるさ。南方伯の噂は知っているよね?」
「……臣下に厳しい方だと」
「お優しい表現だね。あれは厳しいんじゃなくて虐め。公の場で怒鳴りつけるなんて、日常茶飯事。時には暴力を振るう事だってある。それは虚勢じゃないかい? そうやって自分の弱さを隠しているのさ」
「……あり得ますね」
「そして、王国の王太子様だ。性格は分からないけど同じだって可能性はあるね」
「それなら軍を率いるなんてしなければ良いのに」
「父親に逆らう勇気もないんだろうね。言われるがまま、軍を率いて皇国に来た。でも真っ向から戦うのは恐い。そうかと言って、父親の手前、逃げ出す事も出来ない。適当にお茶を濁して、父親が勝ってくれるのを待ってる」
「……酷い評価ですね」
「可能性の話だよ。さて問題は、それが分かったからと言って、どうする事も出来ないって事さ。逃げ回る敵を変わらず追いかけるだけじゃあね」
「そうですね」
「こんな時は奴等ならどうするか……」
「マリーさん?」
「ああ、考えるときの最近の癖さ。特に煮詰まっているときは役に立つ。普段の自分では思いつかない非常識な事が、たまに浮かんでくるからね」
これで思いつくのであれば、自覚がないだけで、マリーも又、非常識なのだ。
「そう。あっ、テイロン殿」
「……何でしょうか?」
「何か思いつきませんか? どんな事でも良いのです」
常識人のヒルデガンドは、人の意見を聞く事を選んだ。
「それは私ではなく、あの方たちならどう動くかですか?」
「そうです」
「……具体的な事は無理ですが、どう考えるかは何となく」
「それは!?」
正直に言えば、期待して聞いた訳ではないので、テイロンの答えは、ヒルデガンドを驚かせた。
「相手の意図が分かれば、それを逆手に取ろうとするのではないでしょうか?」
「……逃げる相手であれば、逃がさないようにする、ですか?」
「少し違います。逃げるのではなく、逃げさせる、です。相手から主導権を奪って、自らの考え通りに相手を動かす。少なくとも戦術においては、これが、あの方たちの思考の原則だと私は思っております」
「なるほどね。それは分かるね。しかしね、どうやって」
テイロンの説明にマリーも興味津々の様子で話に入ってきた。
「マリーさん?」
「多分こういう事だよ。自分たちの思う場所に相手を逃げさせる。簡単に言えば、待ち伏せだね」
「それは……、難しいですね。待ち伏せしても、数の差が大きすぎます。兵力を分散させているから、個々の戦いでは戦えるのですから」
「南方伯の所に……。これも無理だね。それをやるには南方伯家軍を一旦、動かさないといけない。応じるとは思えないね」
「そうですね。でも南部辺境領軍を全て集めれば、万になります」
「……それでどうやって誘うか。結局、追っかけっこだね。テイロン、もう一つヒントはないかい?」
「さすがにそれは。私は広範な戦場での戦い、戦略に近い部分では何も出来ません。それを捨てて、部隊長に専念する事で、なんとかお役に立てていたのですから」
「具体的な策をとは言ってない。カムイたちなら、どう考えるか。そのヒントが欲しいだけさ」
「どう考えるかですか……」
少し考えた後、テイロンは何かを思いついたような仕草を見せた。
「何だい?」
すかさず、マリーが問いかける。
「お役に立つか分かりませんが。あの方がルッツ殿に教えていた時の話を思い出しました」
「ルッツに?」
「ルッツ殿は部隊長ではなく、その上に立たねばなりません。あの方と同じ視点を持つ必要があります」
「なるほどね。つまり、将軍って訳だ」
「まあ」
「それで?」
「こんな言葉です。点を線で結び、線を面で捉えろ。そうすれば、自然と広がる」
「……はあ?」
マリーだけでなく、他の者たちも、戸惑った表情を浮かべている。全く意味が分からないのだ。
「それに厚みを持たせ、時間の経過を加えて、眺めれば、一戦場とそんなに変わらないと」
更にテイロンは言葉を続ける。だが、結果は同じだ。
「……全く、分からない。なんだい、その抽象的な表現は?」
「あの方は天才ですから」
「そんな事言ったら怒るよ。才能の一言で片づけられる事を何よりも嫌ってるからね」
「知っております。ですが事実です。人一倍、努力をしている事も知っておりますが、あの方の努力の範囲は、政略、戦略、戦術、そして、個人の武。更に経営と多岐に渡っておりました。努力だけでどうにかなるものではございません」
今度は全員がカムイと自分たちのやってきた事のあまりの違いにあっけに取られている。
「……そう言えば領主だったね。まっ、それも超えているか。しかし、そんな言葉じゃ、ルッツは分からなかっただろ?」
「はい。かなり苦労しておりました」
「……ちなみにアルトは?」
「苦労しているルッツ殿をからかっておりましたので……」
「ああ、あれも天才だったね。ちくしょう」
「ちきしょう?」
「何でもないよ。あんたは分かったのかい?」
「さっぱり」
「結局、ルッツは?」
「それが、アルト殿に粘土を渡されて、それをこねたり、伸ばしたりしているうちに分かったようです。言葉ではうまく説明出来ないようでした。感覚的にでしょうか」
「あれも又、タイプは違うけど……。しかし、粘土。なんで、そこでアルトは粘土を渡した……」
そのままマリーは深い思考の中に沈み込んでいった。こうなるともう、マリーは考えが纏まるまで、自分の中に籠ってしまう。
「テイロン殿」
自分も考えるべきなのは分かっていても、ヒルデガンドには考え込むだけの材料も足りない。マリーの考えが纏まるまでと、テイロンの話を更に聞くことにした。
「何でしょうか?」
「マリアさんとイグナーツさんも、それを聞いていたのですか?」
「あっ、はい」
「二人は理解出来たのでしょうか?」
「イグナーツ殿は、ルッツ殿と同じく悩んでおりましたが、考えた末に理解したようです」
「そう。マリアさんは?」
「マリアちゃんは……。あれを理解したと言えるかは、微妙です」
「どういう事ですか?」
「マリアちゃんもルッツ殿をからかっていました。ルッツ殿が粘土の形を変えると、指差しては何でわからないのかと」
「どういう意味でしょう?」
「それが何を意味するのかは分かりませんでした。直感で何かが分かるのでしょう」
「マリアさんまで……」
ヒルデガンドにとってマリアは幼い少女のイメージしかない。そのマリアが自分が出来ない事を出来ている。それにヒルデガンドは少し焦りを覚えてしまう。
「見てみたいですか?」
「何をですか?」
「ああ、言葉足らずでした。彼等の戦いの形です。私が一緒にいた時は、完成形には程遠いものでしたが、もしかしたら、今はかなり出来上がっているかもしれません」
「それはどんな形なのですか?」
「我等は今、各部隊の動きを号令で指示しております」
「はい」
「それをしない」
「……はい?」
「指揮官の考える事を同調させて、伝令や、号令なしに、部隊間の動きを連携させる。目指していたのはそれです」
「そんな事が出来るのですか?」
「分かりません。でも、それを目指していました。そういう遊びみたいなのが好きなのです。ですが遊びといっても実現出来たら敵にとっては脅威です。太鼓の音や、号令の声から敵の次の動きを予測している部分はかなりありますから」
「そ、そうですね……」
「それを軍単位でやられると、敵は太刀打ちできるでしょうか? 離れていても、伝令のやりとりなど必要なしに、それぞれが状況に合わせて同じ目的で一斉に動き出す」
「…………」
ようやく実を結んできたと思われた自分たちの努力。だが、追っていた背中は、思っていた以上に先に進んでいるのかもしれない。この場にいる全員がそれを思い知らされた。
「皇国は対応を誤らない事です。私も一応は皇国の者として、それを願っております」
「それは……」
「分かった!」
ヒルデガンドがテイロンへの問いを重ねようとした所で、マリーが大声をあげた。
「えっ!?」
「そういう事か、なるほどね。テイロン、ありがと。参考になったよ」
「は、はあ」
「粘土ね、そして、それを指差す行動」
「聞いていたのですか?」
「何か手がかりがあるかもしれないだろ? 実際にあった」
「つまり、どういう事なのですか?」
「点を部隊、それを結ぶと前線になる。それを、更に結んで面で捉える」
「面というのは?」
「敵の行動範囲だね」
「ああ、そういう事ですか」
「そこに厚み。これは恐らく兵数か強さ。それ全体の形を時間の流れの中で見ると」
「何が分かるのですか?」
「敵の目的が分かる。厚みが片寄って動いて行く所が、敵が重要だと思っている方向。薄くなる所は弱点となる場所。それだけじゃない。不自然な場所に厚みがあるとすれば、そこには何か意味がある。策があると言っても良い」
「でも、それは行軍の動きを……、そういう事ですか」
「そう。王国中央の薄さ、南部の厚みを把握出来なかったから南部侵攻を見逃したのさ。粘土の大きさは変わらないという前提だと、足りない分はどこかが厚くなっているはずさ。それは南部にあった」
「でも、それだけの情報を入手するのは……、そうですね。カムイたちには出来ますね」
情報収集能力、それがカムイたちの最大の武器である事をヒルデガンドたちは知っている。そして、それが決して真似出来ないものである事も。
「間者、戦場だと斥候と呼ぶべきだね。その能力では魔族は突出している。敵地の奥深くに踏み込んで、情報を得てくるなんて、平気でやるだろうね。しかも伝わるのが早い」
「魔族がいるからこそ、出来る事ですね」
「そうなるね」
「でも、それでは私たちは」
「いや、十分に役に立つ。いいかい。あたしたちが戦ってきた位置関係を考えてみな」
「……南北を行ったり来たり。出た所を叩いているのですから、そうなります」
「そう。厚みは見えないけど、形の変化で見えるものがある。伸び縮みしている先端を結んで、それと等間隔の所に何かがある可能性がね」
「敵の指揮系統の中枢」
「指差す場所さ」
「後方にいたのではないのですね?」
「一つ所に留まっている事さえ、恐いのかもね。いや、ここまで徹底するって事は、今の状況は意図しての可能性もある」
「いずれにしても、そこを討てば」
王太子の首となれば、一将軍のそれとは重みが違う。それが取れれば、南部の戦いはほぼ間違いなく決着がつく。
「やっぱり、そう考えるよね。しかし届くかねえ」
「この数では難しいですね。もう少し数がいないと」
「目標を見極めて、一気に南部辺境領軍を集結させる。薄い所も見極めたいね。そこを縫って奥に進めば、犠牲も少なく届くかもしれない」
「各地の辺境領に伝令を。まずは、敵部隊の位置情報を収集ですね。そこから目標地点を推察します。その上で、タイミングを合わせて、一カ所に集結。敵本陣を突きます」
「だってよ。伝令を飛ばしな!」
「はっ!」
マリーの命令を受けて、騎馬が数騎、この場から駆け去って行く。近接の辺境領主軍に向かう為だ。
「……うまく行くかしら」
「冒険だね。でも、ヒルダはうまく行くと信じていなければいけないよ。ヒルダの命令で兵が動くのだからね」
「はい」
「……皇国も見てるかね?」
カムイにとっての敵は王国だけではない。
「間違いなく見ているでしょうね」
「薄い所は?」
「……皇国騎士団がいなくなった皇都。軍が東に寄った事で南方伯領の西。西方伯領も恐らく薄いでしょう。皇国騎士団が抜けた分、中央に寄るはずです」
「……いきなり中央はないね」
「皇都ですか? 皇都を戦場にする事はしないと思います」
「どうして? 復讐相手は皇都にいるんだよ?」
「それが目的なら暗殺です。やはり戦場にはなりません」
「自信があるんだね?」
「はい。皇都にもカムイの守るべきものがありますから」
「そうかい。じゃあ、まあ、安心だね」
「今の所は、ですけど」
皇国が東部中央に余計な厚みを持たせる為、北部、西部を薄くしてしまっている事をヒルデガンドたちは知らなかった。




