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10 *飛鳥井 凛

 俺は、飛鳥井 凛。今年から、お金持ちの仲間入りをした6歳。許嫁は、いかにもお嬢様って感じの清楚可憐な女の子、白桜 姫香。彼女の欠点を言うなら、口調が可笑しい所かな? まぁ、それ意外は見た目も性格も完璧。

 でも、蓮の奴が独占してるのが気になるなぁ。俺の誕生日に、仲良くなっただなんて、ちょっとイラッとする。だって、俺が主役でしょ?


「暖かな春の訪れと共に……」


 そうそう、俺の許嫁は新入生代表挨拶に選ばれた。手を振ったんだけど、無視された。気が付かなかったみたいだなぁ。もっと、大きく振ればよかった。


 それで、急に視線を感じるなと思えば、真横で悠斗が居眠りしてる。肘でつついて起こすんだけど、ぐおーぐおーっていうイビキまで立てて寝てる。何だよ、こいつ。昨日何してたんだよ。一緒に居る俺が恥ずかしいって……。

 仕方ないから、蓮に助けを求めるんだけど、アイツ、涼しい顔して姫ちゃんの挨拶聞いてるの。我関せずって感じだなぁ。


 そのせいで、せっかくの入学式は嫌な思い出になった。終わったころには、姫ちゃんを先頭に順番で退出するんだけど、俺の後ろが悠斗。

 でも、直前まで起こしても起きないんだもん。後ろの人が、さっさと行けと合図するから、仕方なく前に進む。悠斗ー、お願いだからこれ以上問題起こさないでくれよ……。


「なんで、助けてくれなかったんだ!!」

「知らないふりしろよ。それより、俺と同じ顔なんだ。手を振ったりする行動を慎め」


 蓮のやつ、鼻で笑うように、俺をあしらった。性格悪いよなー。やっぱり、蓮の誕生日祝うのはよくないよ。パパにお願いしてクルージング行こう。


 それにしても、待っても待っても悠斗は出てこない。パパもママも居ないし、気がつけば姫ちゃんや蓮も見えない。置いてけぼりにされたって焦る。

 仕方なしに、会場の中を見ると……、悠斗がパパたちに正座させられてた。

 まぁ、そうなるでしょ……。暫くかかりそうだし、俺は自分の教室を調べることにした。

 俺の名前……、名前……。あった。なんと、悠斗と同じ組だ。しかも、蓮の名前もない。ラッキー!!


 嫌なやつから逃げられた。これが嬉しくて、俺は小躍りしながら教室に向か。

 その途中、ふと一組を見ると、なんと姫ちゃんと蓮が居た。あの二人が同じクラスだったなんて、迂闊だ……。


 遠くから、二人を眺める。蓮が一方的に喋ってるようで、姫ちゃんは静かに頷きながら、話を聞いてた。

 その時だった。姫ちゃんが、俺に気づいた。手を振ると、彼女も笑顔のまま小さく手を振り返してくれた。

 やっぱり、仕草とかお嬢様って感じ。しかも、色白で睫毛が長い。名前負けしないって、凄いなぁ。


「さっさと自分のクラスに行け!!」

「言われなくても、行くよ!!」


 何だよ、蓮のやつ。まだ悠斗が来ないんだから、少しくらい一緒に居たっていいじゃん。

 やっぱ、性格キツイよなぁ、蓮は。なんか、苦手だ。

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