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プロローグ
嫌だ嫌だと嘆いた毎日。
魔法を使うのは楽しかった。魔法を覚えるためならどんなことでも苦じゃなかった。でもただ一つつらいことがあった。人間界に行けないことが、人間界に憧れるあたしにとってはつらいことだった。
17歳以上が人間界の出入りを許可されるこの国のおきて。周りはみんな行けるのに、あたし一人だけ行けなかった。そんな掟が嫌いだった。
今日7月13日。魔法試験も合格した。ママからも褒められた。周りからも歓迎された。そしてなにより、あたしは17歳の誕生日を迎えた。
やっと…やっとあたしは……
人間界に行けるんだ!
新しい冒険の扉は
開かれた。