氷属性強化
――――ドンッ
あ゛?
なんか山の下の方から爆音が聞こえてきたと同時ぐらいで振動も襲ってきたが、
流石にゲームだから雪崩は起きないみたいだ。
偶然起きなかっただけかもしれないが、今は起きなかった。
「あれ・・・」
俺達が下っていく斜面の下のほうに巨大な氷の柱がそびえ立った。んー生えてきたの方が正しいか?
とにかく氷の柱ができた。
場所は大体、《ホワイティア》の近くかな。
今さっきまであんなのはなかったはずなんだが。
「紫?」
ここまで来れるプレイヤーで氷の魔法を使う人なんて紫以外いないはずだ。
とりあえず、俺とデンはスキー用品を変更していつもの靴に変える。
「《飛翔》」
俺はデンを抱えて飛ぶ。
雪を歩くよりこっちのほうが早い。
*
「あっベルちゃぁーん、デンちゃぁーん!!」
氷の柱まで行くと、予想通り紫がいて、元気一杯な紫の横でアリスもいたが、アリスは紫の横で震えている。
まぁこの寒い中、《防寒着》なしは震えるよな。
紫も《防寒着》着てないが寒くないのかな?
「何してる?」
「狩り♪」
狩りか・・・?
氷の中にいるのって・・・
「「山賊」なのです」
いつも作る氷の倍以上の大きさの氷で山賊が固められていた。
山賊は山賊でもゴブリンっぽい感じの山賊だ。
モンスターで丸々人間といったことはこのMagiaOnlineではない。
PKとかPvPはできるんだけどな。
「いやーなんか気候で私の魔法って強化されるらしくて、いつもどおりやったらこれよ」
あっはっは、 とか言ってるが、強化ってレベルか…これ。
「ブレイクッ」
紫が氷を崩す。
崩すのに呪文なんていらないが、気分だそうだ。
氷が崩れるとともに凍っていた山賊がかけらとなって消えていく。
紫に経験値とドロップアイテムが入っていることだろう。
神秘的な光景だと思う。
実際人の感性によって神秘的とか変わってくるから断定はしないけど。
俺が見とれるぐらいには綺麗だった。
中身が山賊じゃなければ!
*
「暖かいのデース」
って…俺にアリスが抱き付いてきた。
近寄るまで気が付かなかった。
無駄にスキル使ったなこいつ。
む、胸が…とか、思って顔が赤くなるとかが定番なんだろうけど、なんだろう…この慣れてしまった感じは…
「《防寒着》は街で売っていたのです」
「私もそのコートにするのデースッ」
アリス・・・見てから決めようよ・・・
「そんなに寒い?」
紫が首を傾けながら聞いてくる。
「「「寒い」」」
紫がいつもの紫のローブしか着ていないというのにだ。
確かあのローブは紫がβから持ち越したアイテムだったはず。
何度か見せてもらったけど、《防寒着》なんて種類じゃないし、耐性が着いているわけではないローブだ。
一応レア度の高い装備品だったはずだ。
それに紫が寒さに強いってわけじゃないからな。
まてよ・・・装備の種類、耐性以外にも何かあったよな・・・
「・・・魔法耐性?」
「あーどうなんだろ?」
仕様なのかバグなのかわからないな…
*
「プレイヤーの持つ魔法属性による温度耐性?」
夕食を母親と二人で食べながら聞く。
一応バグとか不具合とかだったら問題だから聞いてみる。
「《氷属性魔法》で作った氷が魔法耐性でそんなに冷たくは感じなくなっているとか?」
「気温だよ気温」
うーん、とか言って腕を組んで考え始めた。
もしかしてバグか?
「ちょっと待ってて開発者と聞いてみる」
そういって母親は、携帯を取り出して電話をかけ始める。
俺は片付けでもするか。
片付けしたあとは、風呂入って待ち合わせがあるからログインしないとな。
「バグだったわ」
ありゃま。
「氷属性以外には気温への耐性がなかったわ」
で、どうするんだ?
「すべての属性に気温の耐性をつけることになったわね」
無属性は…はい。耐性なんてないのですね。わかりました。
ログインしよっと・・・




