《アクアリム》と銃
「わぁー!!すごいのです!!」
デンが見えて来た《アクアリム》を指さしながら今までで聞いたことのないような大声で叫ぶ。
《アクアリム》は、まさしく水の都と言われているだけあって、街の中を縦横無尽に水路が通っている。
俺は画像でしか見たことないが、ヴェネチアみたいな街だ。うん…?陸地あるか?ここ…
ゴンドラだっけ?小さな長細い手漕ぎの船が主要な移動手段となっているみたいだ。
「綺麗ね」
「そうねー」
ナツミと紫も《アクアリム》を見ている。
海面に降り注ぐ強い太陽光が反射してとても美しい光景になっている。
『本船はまもなく着岸いたします』
あれ?
まだ街まで距離がある気がするんだが。
「多分、ここから先、浅いのよ。
だから大きい船入れないんじゃない?」
紫が指さすほうを見ると、海底が見えるぐらい透き通った海が見えた。
海底が見えるぐらいってことは結構浅いのかな?
*
そんなこんなで、船を下りてゴンドラに乗って、《アクアリム》の入り口までやってきた。
綺麗で落ち着いた雰囲気の街のようだ。
やっぱり陸地がない。
全部人工物でできた街だ。
「素敵ね」
「そうなのですねー」
女性陣は…
「あっ、あの串焼きおいしそう」
……一人を除いて風景を見ている。
*
「海獣?」
「そうさ!海獣さ!そいつから逃げるために私たちはこの浅瀬に街を作ったんだ」
浅瀬に街作るぐらいなら陸地に移住したらよかったのに…
話をしてくれているのは、街の観光用ゴンドラの船主さんだ。
一瞬いい体格したおっさんかと思ったけど、おばさんだったことに驚きだ。
水の中にまで建物が伸びてるんだぜ。
魔法で水抜き、補強をして地下にしているんだと。
だから地下が各家にあるらしい。
「はーこのあたりにお店持ちたいなー」
ナツミがそんなこといってるが、俺は信じないぞ。
お前今さっき串焼き見てただろうが。
「ナツミも店持つのー?」
「はははっやめときなっ!交通の便も悪いから客なんてほとんどこねぇだべさ」
確かにここに来るまで一苦労だもんな。
普通に《ヘネシリウム》から《アクアリム》に行くためには、船着場まで15分、船で30分はかかる計算になるからな。
俺は飛んでこれるから距離はあんまり意味ないけどな。
*
「海獣って鯨のことかもしれないわね」
ちょっと気になったから海獣について街の人に聞いて調べてみると、鯨である可能性が高いことが分かった。
鯨肉とかおいしいのかな・・・?
俺は食ったことねぇや。
「どこに現れるのですか?」
「この辺だってさ」
情報を集めてきた紫がマップのウィンドウを開いて《アクアリム》から少し離れた海を指差す。
どうやって狩ればいいんだか・・・
「私は自分の足場だけ凍らせることはできるけど」
どうやら触れた場所を瞬時に凍らせる魔法で、魔法対抗力が高かったら凍らないときがあるらしいが、ほとんどの場合凍るらしい。・・・なにそれ怖い。
でも、紫が凍らせるのなら・・・俺は、
「飛べる」
MP自動回復のおかげで何時間でも飛んでいられるからな。
「水の上走るのです」
いや、それはおかしい・・・
「私だけなにもできなーい」
普通はできないからな・・・
*
「アッハッハッハ!!」
!?
《アクアリム》から《ヘネシリウム》に帰ってきてから、一旦皆がログアウトして、俺は家事などをしかからまたログインする。
ログインしたらとりあえずナツミがよくいる共同作業場に行ってみると中からナツミの笑い声が聞こえてきた。
何をしたんだか・・・
――――タァン!!
建物の中から、銃声が聞こえてきた。
デンがよく使う回転式の銃声とは違うし、レアアイテムとして出回っている自動拳銃やマスケット銃の音でもない。
「何作った?」
よく俺はここに現れるからここにいる職人の人達は俺の出現には驚かない。
「ボルトアクション式ライフルなのですっ!!」
デンが高いテンションでライフルを持ち上げる。
狙撃でもする気か・・・?
金曜か、土日って言ってたのに月曜日になってしまいました・・・
3回は全部消して書き直しをしました・・・




