オーク
「行く」
俺はライトと待ち合わせをし、合流するとさっさと森に入ろうとする。
「ベルちゃぁーん!
なんで無視するのぉぉ」
ライトの隣にいた紫が、声を上げている。
だが、無視はしてないぞ。
いるのをしっかりと確認したし、あえて放置しただけだ。
「それを無視っていうの」
あーはいはい。分かりましたよ。
相変わらず読まれる俺の心の声・・・。
「来る?」
どうせどこからか俺とライトの待ち合わせを聞いていたんだろ。
というか、普通に掲示板で待ち合わせしたし。
他の人も来てもいいよって感じで書いたからな。
まぁそこまでいける人が少ないし、紫が来たんだろうけど。
でも前、紫と一緒にゴーレム倒したんだよな。
「地下水路に出るモンスターのドロップ品って結構おいしいのよ」
へー・・・あまり気にしたことなかった。
「ライトもいい?」
今まで会話に参加してこなかったライトにも聞く。
順序が逆になった気もするがまぁいいだろ。
「むしろこっちからお願いしたいぐらいですよ」
なら行くか。
*
「《アイスクリエイト》!!」
見た目からしても人型の豚なオーク2体が凍っていく。
人食いという設定があるこのオークなためか、R-18が指定できそうなぐらい醜い。
凍りついたにも関わらず、氷がすぐに溶けていく様子からして、肌は高熱なんだろう。
「《マジックアロー》!!」
俺も、紫と同様にオークを2体相手取る。
《マジックアロー》を何度も途切らさずに、打ち続ければ俺には攻撃は来ない。
攻撃こそ最大の防御とはよくいったものだ。
「はぁぁぁぁ!!」
ライトが最後のオーク1体と素手で殴り合っている。
紫の《アイスクリエイト》の氷が溶けるぐらい熱いはずなのに、問題ないんだろうか?
本当に、ライトは1体1なら強い。
まぁPvPでは紫から遠距離で凍らされたから仕方ない。
このオーク5体討伐のクエスト、実はパーティーでの5体ではなく、自ら最後のHPを刈取った数が5体なのだ。
これに挑むパーティーの定番は、群れで現れるオーク(大体4~6体)をパーティーで殴って、弱らしてから残りのHPをクエストを受けた人が削りきるということが定番だ。
それを行うために、足止め要員として盾持ちがほぼ必須だ。
俺達に盾を持ってる人は一人もいないけどな。
*
なんか公式で、現在のプレイヤーランキングがあったから見てみたが、全体だと俺は3位、魔法使いランキングだと2位だった。
全体のランキングの1位はデン、2位はアリス、3位俺、魔法使いランキングは1位紫、2位俺、3位トミーとなっていた。
なんていう身内・・・
そしてまた身内の運営に聞いたが、この全体ランキングは、進歩状況、物理攻撃力、魔法攻撃力、レベル、現在の経験値数をある式で計算した値のランキングらしい。
魔法使いランキングは魔法攻撃力に重きをおいたランキングになっているそうだ。
デンとアリスはほぼ固定パーティーとして最前線を突っ走っていっているらしい。
デンからほぼ毎日のように攻略手伝ってというメールが来るが、まだそこまで行ってない。
《カルニン》から先はフィールドボスを倒さないと先に進めないシステムになっているから、まだ俺は進んでない。
むしろフィールドにいるよりも《プレイヤーホーム》でのんびりしているほうが多い。
トミーたちのパーティーもそのデンとアリスに負けないように付いていこうとしているが、6人パーティーなため、経験値の入りが悪く、死に戻りも何度かしているらしい。
学校で奈津美に愚痴ってる福富さんの言葉を俺は聞いた。
*
――――ドスンッ
「終わりました」
ライトの5体目のクエストが終わる。
俺達は今まで魔法で押し留めていたオークをそのまま倒してしまっているからもうクエストは終了している。
「このまま地下水道いっちゃう?」
「行ってしまいましょうか」
このオークのクエストの完了は、その場で出来るので、ライトが完了したのを確認する。
すると、森の中にひっそりと建っている神社が今まで広場になっていたフィールドに現れる。
これが地下水道への入り口だ。
外見は神社なのに、中身は地下に降りる螺旋階段になっている。
暗いな・・・
「《ライト》」
俺は長杖の先に明かりをともして地下に降りて行く。
最低限の明るさは地下だが持っているが、安心できないから自分で火を焚く。
《ライト》の魔法は杖を光らせる魔法で、流すMPの量で光量が変化する。
10秒5MPまで流せば、最高光量になる。
基本は10秒2MPで戦闘できる程度の明るさになる。
実はβを通しても俺は地下水道に来るのが始めてだったりする。
どんな敵が出てくるかな、ちょっと楽しみだ。
次話しばらくお待ちください。
作者多忙&話が纏まりません




