カルニン
「よしっ!!次の街行くわよ!!」
紫が次の街がある方向を指差して、高らかに叫ぶ。
その前に、俺の家がたまり場になっている気がする件について語り合いたいんだが。
次の街は《カルニン》、敏捷系プレイヤーのための街だ。
もっと分かりやすくいうと盗賊系スキルの人達のための街だ。
忍者もここに含まれる。
今、溜まり場と化している俺の家にいるのは、家主の俺に、デン、紫、アリスだ。
まだナツミはここまで来てないし、トミーは固定パーティがある。
それぞれが持ち寄ったお菓子や、食べ物、飲み物でキッチンが溢れかえっている。
「急にどうしたのですか?」
デンがお菓子をつまみながら紫に聞く。
「この前、私ベルちゃんにPvPで負けたじゃん?
あの時、魔法を潰すためにクナイ使ったんだけど、投げナイフ使うほうがいいことに気が付いてね」
それだけだと《カルニン》に行く必要は感じないが・・・
まぁ行ってもいいけどな。
一番最前線のトミーたちは、ボスにはたどりつけたが、まだ倒せていないらしい。
「あー、《カルニン》だと投擲系武器が安いのでしたネー」
なぜアリスは現実だと流暢な日本語話すのにここだと片言なんだ・・・?
まぁいいか。
《カルニン》って投擲系武器が安かったんだな・・・今まで気にしたことなかったわ。
MPポーションみたいに安いのかな。
「ポーションほどじゃないね。
大体1割引きぐらいだね」
それでも数が多ければでかいな。
「行くですか?」
デンが立ち上がる。
「じゃぁ行きますか」
「行くのデースッ!」
元気だな・・・
*
「ここのボスは?」
俺が《マジックアロー》で道中のモンスターをなぎ払いながら、ずんずんと森の中を進む。
「あの岩山の頂上ね。
たしかゴーレムだったはずよ」
ゴーレムねぇ・・・
あいつ物理攻撃届かないし、魔法でも状態異常とか効かないし、ダメージ軽減スキル持ってるし・・・
簡単に言うとめんどくさいモンスターだ。
βでは一応いたが、《カルニン》には別のルートでもいけるため、ゴーレムを倒す人は少なかった。
元々魔法使いの人口は少なかったから撃破が難しかったからな。
「あいつ物理効かないじゃん?
だからトミーたちのパーティーは足止め食らってるらしいわよ」
紫とトミーはあったことあるからな。
交流もあるんだろう。
というか何でトミーたちは、めんどくさいゴーレムを通ろうとするんだ?
「初撃破ボーナス狙いじゃない?」
あまりいいものじゃなかった気もするけどなぁ・・・
*
「ゴーレムってここでしたか」
デンが役に立たないのです といっている。
「いずれ魔法が効かないモンスターが出るかもしれないからそのときは、デンちゃん任せになるから、気にしない気にしない」
紫はデンの頭を撫でながら言う。
「私も物理攻撃型なのデス・・・」
アリスは魔法も使えるけどな。
*
「Fire!!」
「「ファイアッ!!」」
光の弾が、氷が、雷が、岩で出来た巨体のモンスターに殺到する。
「《ショット》ッ」
デンはダメージは入らないが、近付かせないようにノックバックが付くスキルで撃つ。
俺はいつもどおり《エネルギーボルト》を使って数の数増しして、《ロックゴーレム》に放ち、紫は《アイスストライク》を、アリスは《サンダーボルト》を使う。
今回は、魔法メインだからアリスも杖を持っている。
作戦は前にも使った気がするが《ハメて殺る》だ。
俺達が使う魔法には小効果ながらもノックバックが付いてるから出来る芸当だ。
それぞれがMPが切れるまで魔法を連射し、波状攻撃をする。
一番初めにMPが切れるのがアリスだ。
元々、近接プレイヤーだし、あまりINTに振ってないためMPが少ない。
この中で一番MP量が多いのは俺だが、《エネルギーボルト》と《マジックアロー》の合わせ技による消費は非常に多い。
アリスの次に俺がMP不足になり、後ろに下がってMPポーションを使う。
紫は俺達が戦線復帰をするとMP切れを起こして、後ろに下がっていく。
前でゴーレムを抑えているのはデンだ。
デンの銃には通常でも小効果ノックバックが付くように強化されているからMPがなくても撃てる。
一回MPを使い切るまで撃っても、数%しか削れていないのだからこのゴーレムのHPの高さと防御力の高さを物語っている。
この高HP、高防御力の代わりにゴーレムは動きが遅い。
魔法使いにとっては、魔法撃ち放題だが、物理攻撃職はまったく意味がない。
トミーのパーティーはトミー以外確か物理攻撃職だから中々倒せなくて接近されて蹴散らされているんだろう。
まぁ魔法主体の俺達のパーティなら時間はかかるが倒せる。
――――ズゥゥゥゥゥン
な。簡単だったろ。
ゴーレムには大量の焼け跡と、氷の矢が突き刺さっているが剥ぎ取ることが出来た。
ほとんどが鉄鉱石だったからライに売りつけるか。
俺の知り合いで鉄鉱石で装備作れる奴いないし。
初討伐ボーナスは、刀だったからアリスに渡しておいた。
*
「んーやっぱり何回来ても慣れないわね。
ここも」
紫が《カルニン》の崩れかけたビルの間にNPCの露天がひしめき合っている。
なかなかに窮屈感を感じる雰囲気だ。
誰かが数えて計算したらしいが、始まりの街であり、何でもあるといわれる《ヘネシリウム》よりもNPCの人口密度は多いらしい。
この街にもギルドがあり、《ヘネシリウム》のギルドよりも集まるクエストは多いんだとさ。
人が多いのが苦手だから俺はあまりこなかったけどな。
バレンタインネタを思いついたけど書く時間あるかな・・・
時間が出来れば頑張って書こうと思います。
間に合わなかったら普通の話を数日後に・・・




