アルバイト
「ほらよ」
俺は家に届いた大きなダンボール二つを奈津美の家に持ってきた。
まぁ2軒隣だが。
ちなみにログインした一週間後だったりする。
「わぁ!
これが《VRメット》!?」
玄関で対応してくれた奈津美が一つダンボールを取ってその場であけだす。
「じゃぁ俺は渡したからな」
俺は家に帰って家事をしないと・・・
「ちょっと待って!」
そういうと奈津美は二階にある自分の部屋まで走っていった。
ドタドタと奈津美の部屋がある辺りから聞こえてくる。
足音は奈津美の部屋、階段続き、奈津美が玄関に姿を現す。
その手には茶封筒が。
「はい。これのお金!」
あぁ・・・何かと思ったら金か。
「ん。受け取ったぞ」
俺は奈津美から茶封筒を受け取り、早々と退散する。
設定を手伝ってとか言われてもめんどくさい。
*
『VRMMO《Magia Online》
ついに正式稼動!!
あなたもこのファンタジーな世界へ!!』
風呂から上がると、リビングにあるテレビから《Magia Online》のCMが聞こえてきた。
CMの映像には俺こと《ベル》と《デン》が共闘して戦うところや、レイドの限界人数60人が一斉にボス部屋になだれ込む映像。
βの利用規約にCMなどでプレイ動画を使う可能性がありますとかあったから使ったんだろう。
一応レイドの人達もβではトップの人達だし。
「響ー正式でもアバターあれでやってくれる?」
声が聞こえてくる方向に向くと、とても高校生の息子がいるようには見えないほど若い、俺の母親がそこにいた。
一度、俺の学校の文化祭に来たのだが生徒に混ざってもまったく違和感のなかった親だ。
「帰ってたんだ」
「まぁねー
とりあえず不具合はないし、どこかの誰かさんが特典として選んだ家の引継ぎ作業も順調に終わったしぃー」
はい、俺がどこかの誰かさんです。
「そんなことはどうでもよくて、
響、あのアバターでまだアルバイトする気ある?
うちの広報から、やって欲しいっていう要望があるのよ」
今までの時給の1.5倍出すわよ とかいいながら俺に聞いてくる。
おいおい元々高かった時給にまだ上乗せされるのかよ。
「別にいいけど」
特に断る理由もないからな。
「決まりね!
ふっふっふ。私は引継ぎアイテムをお金にしたし、また雑貨屋でもやろうかな。
初日から店舗を買ってやるわ!」
本当にこの母親は仕事をしているんだろうか。
後から聞いた話だが、母親の仕事はプログラマーで仕事が物凄く速いんだと、だからやることやったら会社でいるだけ無駄、ならゲーム内で情報収集でも任せておけばいいのでは?となり、今の状態なのだそうだ。
すみません。
今から(1月1日1時半)から初詣行くので短いですが投稿しておきます。
帰ってきたら忘れてそうなので・・・