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Magia Online  作者: kame
β時代
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βテスト最終日

「ただいまー」


俺は誰もいない家の中に向かって声をかける。

両親は共働きなためまず家にいない。

朝は母親が始業時間をずらしてもらって俺のために弁当と朝食を作ってくれるが本当は会えないらしい。

父親は朝からいない。

妹は全寮制の高校に行っているため今家にはいない。


(まずは・・・洗濯物を入れて、夕飯作って風呂入って・・・ログインするか)


決めたら早く終わらそう。

俺はベランダに干してある洗濯物を取り込み、畳んだ後、父親、母親、俺と分類して分けておく。

俺のものは部屋に行くときに一緒にもっていくことにする。


今日の夕飯は麻婆豆腐にしよう。

ちょっと辛いのが食べたくなった。


適当に麻婆豆腐を作り、残ったものをラップをかけて冷蔵庫に入れておく。

後は自分のものを食べて、冷蔵庫横にあるホワイトボードに《マーボー 冷蔵庫内》と書いておく。

このホワイトボードは俺が家族の分の夕食を作り始めてかけたものだ。


後は、夕食を作る前に沸かしておいた風呂に入り、


「さぁ!ログインだ」


俺は自分の部屋で《VRメット》をかぶり、ベッドに横になる。

そして起動コードを入力する。


「《Magia Online》ログイン!!」


すると俺の意識は遠ざかり、一瞬のうちに眠りに付くこととなった。





ある一室のベッドの上に光が生まれ、しばらく立つと光は収まりそこには可愛らしいピンクのパジャマを着た小学校高学年ぐらいの銀髪の少女がそこに横たわっていた。


「ふぁぁぁ・・・」


なんて言ってみるが実際は俺、桑原響だ。

始めは他の人がログインしたときの様子を俺に当てはめてみただけだ。

実は休み時間に福富さんが何度も見ていたベルという女子プレイヤーは実は中身は俺だったのだ!

絶対に教えないけどな!


別に好きでこのアバターにしたわけではない、というかアバターは基本現実の体を基礎としてリアルばれが起きない程度に変化させることしか出来ない。

なぜ俺が数十センチも小さく、女アバターなのかといえばβテストの不具合というわけでもなく、《アルケミー》の母親に頼まれて現実と違ったアバターではどのような影響が出るかを調べるテスターの一人としてアルバイトしているだけだ。


始めのころは身長の差や、リーチの差で悩まされたが今ではゲームと現実の切り替えもすぐに出来るようになり問題はなくなっている。

まぁ他のアバターのテスターは日常に支障が出るほど影響が出てしまったらしい。

数日で影響は治ったらしいが、俺のように切り替えが出来るのはほとんどいないらしい。

らしいというのは母親から聞いているだけだから正確にはわからないってだけだ。

ちなみに、母親もアバターのテスターで今は、このゲームの中で雑貨屋を営んでいる。

ゲームをすることが仕事なんだと、いいよな。


俺は寝ていたベッドからたつと右手を振り、アイテム欄を出現させると、ある人物から送られてきたセーラー服の装備を変える。あとセーラー服にひざ上まである黒いソックスを合わせると俺の基本装備の完成だ。

地味にこのセーラー服が性能がいいんだ。


別にこのセーラー服のままログアウトのために横になってもいいんだが、気分的に落ち着かないからパジャマにしてある。


そして今俺がいる場所はプレイヤーハウスの一つで、ログハウス風の一軒家だ。

丸太の壁に、黒目の屋根、茶色い木の扉に日光をとりこむための大き目の窓、部屋は風呂、ロフトにある寝室、リビング、台所ぐらいしかなく、中心の街から少し離れた森の中に何軒か建っている中の一つで、売られているプレイヤーハウスの中でも安い部類の家だ。

家が建っているこの森はピースフル設定(モンスターが沸かない、HPが減らない、PKできない)になっている。



――――ピロンッ


ゲーム内のプレイヤー同士のメールの着信音が鳴る。

俺はメールを開き内容を読むと、どうやら今日でβテストが終わるから正式になるときに持ち越したいアイテムを一つ指定してくれというメールだった。

アイテムを持ち越して低レベルから使えるというのはよくあるβテスターの特権だろう。


(家っていけるのか?)


地味にこの家が気に入っている俺だったりする。

家具とかは自分で配置しなおしたがほとんどが初期からあるやつで持ち越す制限を超えないと願いたい。

聞きに行くか。


「《浮遊》」


俺は魔法の一つの《無属性魔法》を1000まである熟練度を100まであげると出てくる《浮遊》を唱えながら魔力を放出すると、体が浮き上がる。あとは中心のヘネシリウムに向かって飛ぶだけだ。

そうそうスカートの下には飛ぶなら履いておきなさいって言われたから、短パンを履いているから見えないぞ。


この《浮遊》βテスターの中でもまともに使えるのは5人といない。

空中での姿勢を維持するのが難しすぎるんだとさ。





「GMさん。少しいい?」


俺は《ヘネシリウム》に付くと上空から目的地の教会を見つけてそばに下りると中に向かって声をかける。

この教会はGMが24時間体制でつめている場所で、直接バグや、不具合を言えるようになっている。


中には何人かのプレイヤーとGMがいたが、一人GMが余っていたので声をかける。


「はい。なんでしょうか?」


俺の目線に合わせてかがんで話しかけてくれた。


「持ち越せるアイテムで《プレイヤーホーム》って出来る?」


別に装備だって金だってまた作ればいいし、集めればいい。

ただ今の立地の家が持ち越したい。


「少々お待ちください」


そういうとGMは教会の裏に入っていく。

多分、外のお偉いさんと話しているのだろう。



「ベルちゃん。こんにちはなのです」


俺がGMを待っていると教会に入ってきた今の俺と同じくらいの身長で、肩にかかるかかからないかぐらいの茶髪の活発そうな女の子が現れた。

服装は俺と同じセーラー服。後ひざ下の黒いソックス。


「こんにちは。デン」


この茶髪の女の子の名前は《デン》。

俺と同じアバターテストの一人だ。

そしてランキング2位のランカーの一人。戦い方は高いAGIで敵をかく乱しながら戦い、魔法は目くらましやはったりにしか使わない。基本の武器は短剣と、拳銃だ。


「持ち越しアイテム何にするのですか?」


「家の予定」


「へー、出来るのですか?」


「今、確認中」


ちょっと無口風が俺のベルというキャラ付けだ。

デンのですます口調も作ってるキャラだ。


「私は、この銃にするのです」


デンはスカートを軽くめくり太ももにつけていたホルスターから回転式の拳銃を取り出す。

確かプレイヤーメイドの銃で、何度も強化を繰り返してきた銃だったはずだ。


「お待たせしました」


やっとGMが戻ってきた。


「どう?」


「プレイヤーハウスの権利書を持ち越しアイテムにすれば問題ありません。

家具などは引き継がれますが、アイテムは引き継がれませんがよろしいでしょうか」


おろ、家具が引き継げるのか、ちょっと高級なソファー買って置いておくか。


「問題ない」


「分かりました」


よし。ソファー買ってこよう。


「じゃぁ次は私なのです」


次はデンがGMと話し始めたから俺はβ最終の露天を開いているプレイヤーのところに向かうことにした。


気が向くままに書いてます=ご都合主義、矛盾あると思いますが・・・


自己補間で!

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