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その瞳の色  作者: 梅花
12/29

サレット

活報にも書かせて頂いたのですがストーリー上煮詰まってしまって次の山場に持っていくストーリーが纏まっていないので思い切ってはしょってここまで持ってきました。先に進みたくない、途中が完成してから読みたいと思われる方はここでストップしてください。

ここからは「ドラゴン」から2年後…物語の中は秋…村長の家の前から始まります・・・


コンコンコン・・・


「お爺ちゃん!?居ないの?」


村長の家の扉をノックする一人の少女・・・


ゴンゴン!!・・・


「・・・はいはい、今開けるよ。」村長は言って扉をゆっくりと開ける・・・


「サレット!よく来たね、思ったより早かったな・・・さあお入り。」


村長は笑顔で孫娘を家に招きいれた・・・サレットは馬車による長旅で疲れていたのと風に吹かれ冷え切っていたので不機嫌そうに祖父を見やると鼻息荒く室内へ入ってきた・・・


「何度も呼んだのにどこ行ってなのよ?今日到着するってお父様から手紙が届いてたハズでしょ?」


サレットは足音荒く家に入ると暖炉の前の揺り椅子に座って冷えた体を温めた。


「お前のお父さんからは今日の夕飯前に到着するって連絡を受けてたものだから・・・お前の部屋を整えていたんだよ。」


「外はもう寒かったかい?今温かいミルクを持ってきてやろう・・・」


サレットはフンと不機嫌そうに鼻を鳴らすとフォックスの毛皮を首からはずしパステルブルーの羊毛の上等なコートを脱ぐとソファに投げもっと暖炉に近づき冷えた手を火にかざし暖めた。


「お爺ちゃん、お父様から聞いてると思うけどお父様とお母様がセイレーン・ミュコスに行っている2ヶ月の間だけここでお世話になるわ。」


サレットは横柄に言って村長から温かいミルクの入ったマグを受け取ると荷物が重たいから部屋に運んで!と言ってミルクを啜った・・・


はいはい。と村長は優しげに言って孫娘の2ヶ月滞在するだけには多すぎる荷物を2階へと運んで行った・・・



サレットは両親の不在の間だけ母方の祖父の家に厄介になる事になっていた…両親は人魚の国セイレーン・ミュコスに新しい取引先を訪ねていったのだ・・・もちろんサレットも連れて行ってほしくて散々お願いしたが入国の厳しい国内に連れて行くことは出来ず祖父の家に渋々預けられ都会育ちのサレットにとってはこんな田舎退屈で仕方無く、都の友人達の流行や冬の間に沢山予定されている集まりにも参加できず我慢が出来なかったのだ・・・・



「サレット、2ヶ月の間家に閉じこもっているのもつまらないし、老人の相手だけでは可愛そうだと思って村の学校に通えるようにしておいたから明日から行っておいで…」


サレットの荷物を運び終えソファで一息ついた村長がニコニコと微笑んでいた。


「えっ!?田舎の学校に通えって言うの??」

サレットは驚愕して祖父の提案を急いではねつけた。


「嫌よ!唯でさえこんな田舎に送って遣されて友達にも恥ずかしくて言え無いってのに更にまだ恥ずかしい思いをしろって言うの?嫌よ!!」


「こんな田舎の子達となんか話が合うわけないし、勉強だってお作法だって違うわ!冗談じゃない!」


「私、ここにいる間は大人しく読書でもして過ごすつもり・・・疲れたから部屋で休むわ!夕食になったら起しに来てね!!」


サレットはびっくりして何も言えなくなっている村長をひとり残しズンズンと怒りで足音を立てながら用意された部屋へと行ってしまった・・・


「・・・やれやれ・・・あの子の気性があんなに荒いとは・・・さてさて明日の学校はどうしたものかな・・・」


村長は頭を掻きながら明日サレットをどうやって学校に行かせようかと悩んだ・・・






サレット:村長の一人娘と絹織物の商いを生業とする青年の間に生まれた一人娘。

     両親は貴族を相手に幅広い商売を行い成功していた。

     娘は17歳。貴族や金持ちの行くお嬢様学校に通っていて流行を追いかけ美しく着飾ることが好き。両親の都合によってクロス達の住む村の村長の家に2個月滞在予定。

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