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どうにもならない

作者: 朝霧幸太


地の文を一切書かずに、会話文だけで、情景・状況描写にチャレンジです。




「なんだい、晋ちゃん。まだ宵の口じゃねえか。付き合い悪いな。そんなにカミさんが恐いのか? かーっ、だらしねえ。情けねえなあ。そんなことだからカミさんになめられちまうんだよ」



「でもですね。早く帰るって……10時には帰るって言っちゃったもんですから」


「なんだあ? 新婚のうちから、もう尻に敷かれてんのか? いいか晋ちゃん、最初が肝心なんだ。はじめに、ガツンと、こう……つまり男の付き合いが如何に大切かってのを教えてやるんだ。それが出来ないようなヤツは、男としての見込みが……」



「わ、わかりましたよ。じゃあ、もう一軒行きましょうか。でも、どうせなら【やまんば】じゃなくて駅の向こうの【しらさぎ】のほうが僕としては……あれっ? 源さんの携帯が鳴ってますよ」



「んっ? もしもし……あっ! うん。いや、違うって。俺は帰るって言ってんのに、仲間が離してくれなくてさ。仕方がなかったんだよ。しつっこくって参っちゃうよ、もう」



「げ、源さん……」


「えっ? ももも、もちろんだよ。忘れてないよ。いや、だから……うん、わかった。すぐ帰るよ」



「源さん……」



「いいか晋ちゃん。世の中には努力して何とかなる場合と、どうにもならん場合がある。彼のソクラテスだって……」



「いいんですよ。早い話が、源さんも、やっぱり奥さんが怖いんですね?」



―了―


大哲学者のソクラテスでさえ、奥さんには、やりこめられて頭が上がらなかったというエピソードは有名ですね。



逆に言うと、最大の難物が身近に居た為に、思うに任せぬ人生の悲哀を強く感じて、普通に生きて行くことの至難さを想い、いかに幸せになるか、その方途を追求し、哲学を極めたのかも知れません。




いや、これは冗談です。


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― 新着の感想 ―
[一言] 私も最近試作的に「 」だけで作品を書いているのですが、この作品はその場の状況が目に浮かぶように表現されていますね。 男はみんな、妻の尻に敷かれてなんぼなのではないでしょうか。
[一言] ふふふ、これぐらいは世の男性諸君、言っているかもしれませんね。 でも、悪妻の方が夫は出世するって言いますね。 がんばってください(笑)。
2011/01/27 15:08 退会済み
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