気まぐれ企画 異世界で節分すると、思いのほか楽しかった件
掲載日:2026/01/31
久しぶりの気まぐれ企画は、超短編です。
鬼は外、福は内。
そんなことを叫びながら、銀髪の大男はこぶし大の塊を、鬼人にぶつけていた。
いや、ぶつけると言うより、ぶん殴っている。
「……料理、出来たんですね」
娘婿が、どうでもいい感想を投げた。
鬼人の里には、福は来ず。
同じ頃、同じ数の大豆を差し入れられた小柄な男は、同じように鬼人の里にいた。
「大豆を、そんな勿体ない使い方、出来ないな」
銀髪の大男の使い方を聞いた男は、そのまま使う事にした。
鼻くそをはじく仕草で、大豆を一つずつ、鬼人に打つ。
「……パチンコも、差し入れましょうか?」
遅ればせながら思い立って、女は呟いたが、もう遅いようだった。
こちらの鬼人の里にも、福は来ない。
二人とも、何を張り合ってるんでしょうね。
いや、銀髪の方は、相手の存在を知らないのですけどね。
ああ、銀髪の方の大豆は、使用後娘婿と美味しく頂きました。
黒髪の方は、あの世界で芽吹く、かな?




