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#21 群れで飛ぶのも、案外

歌い手グループ パラレリウム・フライト

最年長、メンバーカラー黒

芹香(せりか)



元々、俺はひとりで音楽を作る人間だった。

作詞、作曲、ミックス、動画作り、歌。

全部ひとりでやって、それで完成形だと思っていた。

仲間も多かったが、敵も多かった。異性問題で炎上し消えた者、謂れのない中傷で折れた者。裏の事情も見てきた。

でも他人は他人と割り切れる性格だから、俺はなんとかここまでやってこれた。

自分の音楽に絶対の自信があった。それだけが支えだった。


やしろからグループの話を持ちかけられた時、最初に頭に浮かんだのは拒絶だけだった。

俺一人で完成している世界に、5人も異分子なんていらない。そう思った。


けれど、やしろは本当に諦めが悪かった。

「いきなり大人数だと嫌がると思って」と言って、最初は別のメンバーひとりだけ交えてディスコードで話してきたり、また別の日は別のひとりだったり。

「グループの話はいいから、とりあえず一回飲もう。お前ん家でいい?」

とまで言われたときは、画面越しに殴ろうかと思った。

そこは俺ん家に来てよ、だろうが。


でも、その図々しさに笑ってしまったのも事実だ。

軽薄そうに見えて、活動に対しては誰よりも熱い。

人懐こいくせに芯が通っている。

やしろのそんな性格に、気づけば俺が折れていた。

なんだかんだ、今となっては笑い話だ。


いわゆるアイドル売りはしたくないと伝えたら、「それでいい」と即答してくれた。

活動5周年を迎える今も、そのスタンスは変わらない。

ありがたく思っている。やしろがリーダーで良かったと心底思う。


最初は、全て自分でやってきたことを他のメンバーに分散したり、専門のミックス師や動画クリエイターに外注することに抵抗があった。

けれど、完成したものを見たり聴いたりすると、自分だけの視点では到底考えつかない表現があったりして、新鮮だった。

「他人と作る音楽」に価値があるなんて、昔の俺には信じられなかった。


それに気づかせてくれたのは、パラレリウム・フライトだ。

だからこそ、これからも俺の経験と人脈すべてを使って、グループが羽ばたくために貢献したい。


普段は絶対に言わないが、みんなのことは家族だと思っているし、大好きだ。

この想いを言葉にする日は来るかわからないが、音に乗せるなら、きっと伝わるだろう。



#100日チャレンジ 21日目

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