【第八話】
「それは、鈴花の料理を食べてどう思ったか。ただ美味しいだけの料理じゃなくて、何を思ってその人がその料理を作ったか。作り手の温もりを感じることができたり、その想いを受け取れるかどうか。鈴花が言うように、百点満点の回答ができたから百合は合格」
「蘭花の言うとおりよ。私達は、ここをそんな場所にしたいの。誰にでも、辛いとき、悲しいときはある。そんな時に美味しいものを食べて、幸せだって感じてもらえるような、誰かの心の拠り所となれるようなお店を開きたいの。今日も美味しいものを食べれて幸せだ。そう思ってもらえたら、きっとその人はまた明日を生きていけるんじゃないかしら?」
鈴さんのその言葉を聞いて、私は胸を打たれた。
誰かが、幸せになれる料理……。
「とっても……とっても素敵なコンセプトですね」
「あら、ありがとう」
「鈴花さんのおかげで、私も幸せになれました。本当に、ありがとうございます」
「いらっしゃい、百合ちゃん。『小料理屋・鈴蘭』へ」
「これからよろしく、百合。困ったことがあれば相談に乗る」
「よろしくおねがいします。鈴さん、蘭さん」
これが、私と鈴さん、蘭さんとの出会いだった。