<第一章 Slothの種> 第1部 家族の団欒7話
昨日書けなかったのが悔しいです⋯
物語進むの遅いですね、自分でもびっくりです。
ウーゴが気を失ってから少したった頃。ルナは、ウーゴがまた夕食に遅れぬよう釘を刺すため彼の部屋へと向かい始めた。
一階にある食堂から彼の部屋がある二階へ行こうとし、片足を階段にかけた所で異変が起きる。
(⋯なんだかいつにも増して寒いわね。風邪でも引いてしまったのかしら?)
彼女は違和感を覚えつつも足を止めない。彼女は自身の理性によって行動するのだ。ナニカに感化された本能は顔を出さない。そうして二階へ着いた所でいつもなら覚えない感覚を覚えた。
(階段を上るのとっても疲れたわ⋯兄様のお部屋へ行くの面倒ね。ッゴホ!空気、悪くないかしら?それとも風邪?)
妙な気だるさは、重たく湿度のあるソレが彼女の体を犯し始めた証であった。彼女の本能が今すぐにこの場を離れたいと叫び、理性がそれに賛同する。
(早い所、兄様にお声掛けをして自室に戻りましょう)
ウーゴの部屋が近づくにつれて足は重くなる。しかし、ルナの検診的な優しさによる行動はその位では止まらなかった。
-コンッコンッコンッ
「ウーゴ兄様、ルナです。お時間よろしいでしょうか?」
『あぁ、ルナかい?今部屋が散らかっていて中に入れてあげられないんだ。何か用かな?』
「⋯?いえ、ただ夕食には遅れないようにとお伝えしたかっただけなのですが⋯」
扉越しでの会話だったのだが、いつもと様子が違う兄に困惑してしまう彼女。
『そうだったのかい、それは申し訳ない事をさせてしまったね。』
「私が自ら望んでしていることですので⋯ウーゴ兄様?何時もより声がなんだか-」
疑問を投げかけようとする彼女に対して食い気味な答えが来る。
『あぁ!気にしないでくれ。残念なことに体調を崩してしまっているだけなんだ』
「まぁ!そうだったのですね。夕食は如何なさいますか?」
『今日は欠席させて欲しいかな。食欲がないからね』
「分かりました。では、そのように皆様へお伝えしますね。ゆっくりとお休み下さい、ウーゴ兄様」
『そうさせてもらうよ』
何時もとは少し違う声音に話し方。それらに疑問を持っていたルナだが、体調不良という答えに納得しそのままウーゴの部屋から離れる。彼女自身、妙な気だるさと寒気を覚えていた為、家の中で風邪が流行りかけているのだと結論付けたのだ。
「この寒さに、空気。嫌になるわね⋯」
つい漏れ出てしまった言葉。そして、やや駆け足気味に一階へと向かうのだが、辺りに充満し始めているソレの力が彼女の体にちょっかいをかける。
「ゴホッゴホッ。⋯ッスーハー。ほんの少し動いたら息が乱れる、だなんて体力のない病人みたいね⋯」
少しだけ呼吸が荒くなってしまった自分に苦笑いをし、階段を下り食堂へと向かう。そうしてウーゴが体調不良で来られないという旨を両親に伝え、彼を除いた五人で夕食を食べ始めた。
重たく湿った空気は彼女に纏わり続けており、まるで蝸牛の歩みが如く少しずつ変化をもたらそうとしていた。
ソレの放った空気は早めに浄化しなければならない。