<第一章 Slothの種> 第1部 家族の団欒13話
枠に収まらない存在の扱いは気をつけて。
明日の予定を決めたウーゴは食堂へ行く前に今の能力を確認する事にした。
「この前行ったエイビスの森ではそこそこモンスターを倒したんだ、少しは強くなってるはずだろう。現世に表せ<ステイタス>」
『ウーゴ
男性 14歳 人類 LV 7
HP 17/17 F MP 12/12 F
VIT 11 F ATK 6 G
DEF 6 G AGI 4 G
INT 15 F RES 10 G
DEX 10 G LUK 13 F
SUM 103 (NAT ‐10)
<適正>
水魔法適正
・水魔法の消費MPが1/4になる。
理外適性
・それは常識に囚われない。
<スキル>
最下級水魔法 ウラ・アクア
・消費MP 1 小さな水の球を作り出す
理外魔法 ■■の■ ファティーグ・チルクム
・消費MP 最大値の半分 自■共に疲■■態にする 』
「ほうほうLvは変わっていないがHPやMPが上がったな。まぁ沢山魔法を使ったんだ、上がって当然か。AGIの上昇は逃げ回ったおかげか?」
前回よりもステイタスが上昇している事に確かな満足感を得たウーゴ。そのまま視線を下げていくと不可思議な文字に首を傾げる。
「NAT-10?初めて見るステイタスだな。それに理外適正や理外魔法なんて聞いたことないぞ」
NAT値はその人物の性質を示すものだが、本来この世界には無い概念である。その為彼の疑問に応えてくれるものは居ない。
「理外適正は、常識に囚われない…俺が非常識だとでもいうのか?まぁそこはまだ良い。問題は魔法だな。虫食いになっていてよく分からん」
最初に浮かべていた微笑みは無くなり、眉間に皺を寄せて考える。その文字は言葉では表しにくい忌避感を生じさせる。
「もし理外が理の外という意味なら使わない方が身のためだろうな」
そうやってしばらくステイタスと睨めっこをしていたウーゴだが夕食の時間が来た事に気づき、頭を切り替える。
「分からないものを幾ら考えた所で時間の無駄だろう。それよりも夕食だ。また遅れて父上に謝りに行くのは御免こうむる」
ステイタスを閉じ駆け足で食堂へ向かったウーゴ。妹に対して何事も無かったかのように振るわねば、と軽く意気込んでいたが空振りに終わってしまうのであった。
食堂に着き夕食を摂る前にふと疑問に思い父に聞くウーゴ。
「父上、ルナが居ないようですがどうしたのですか?」
「それは私が聞きたいくらいだよ。何時もなら誰よりも早くに来ていたからね。推測だが風邪で寝込んでいるのだろう」
「そう…ですか。確かに変な様子でしたね」
真面目なルナが黙って外出する訳が無いという思い込み。結果、父は風邪で欠席と思いウーゴは先の件が気まずいからだということで納得した。その後はつつがなく夕食を始めたディリジェント家であった。
理外魔法について
・4つの元素魔法でも、2つの相対魔法でもない魔法 扱えるのは限られている
・理解を深めない限り内容が秘匿される
・理解してはいけない魔法