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<第一章 Slothの種> 第1部 家族の団欒8話

ワァ8話にもなって進行が遅いってホント!?


ウーゴが気を失ってから目を覚ましたのは、一度太陽が身を潜め、再び顔を出す。そして、人々の頭上で溢れんばかりの光を降り注ぎ始めた時であった。

その光がウーゴの部屋へと差し込み、彼の瞼に当たる。


「...うぅん、眩しい...。ん?眩しい?? ッ!太陽が天に⋯。なんってこった。いつの間にか眠ってしまったのか」


小さな呻き声を上げ、目覚める。そして、起きたのが朝では無く、昼頃だった事に驚いてしまった。


「昨日の夕食に出られなかった事を父上に謝らないといけないなぁ。いや、俺が寝ていたのは半日だけか?どれだけ寝ていたか確認しなければならん。あぁ起きた直後だと言うのにもう面倒臭くなってきたな...」


何時もの面倒くさがりを発揮しつつも、夕食に出られなかった件を、父であるアールバーロへ謝りに行こうと体を動かす。


「うん?なんだか体に違和感があるな...。それに空気も変だ。天気は晴れているのだから湿気っている筈もない。俺の気にしすぎか?まぁあいい。そんな事よりも父上の書斎へ向かうか」


ほんの少しの違和感に気が付くが、直ぐにそれを振り払い自室を出る。一階にある書斎へ向かう途中、階段でルナと出会ったウーゴは質問を投げかけた。


「あぁルナ、おはよう。少し聞きたい事があるんだが今大丈夫かい?」


「.....ッウーゴ兄様!おはようございます。えぇ大丈夫ですよ」


(なんだかルナの様子がおかしいな)


「実はつい先日気を失って暫く眠っていたんだがね、何日くらい寝ていたのか気になってしょうがないんだ」


「?ウーゴ兄様が眠られてから半日も経っていないですよ?でも良かったです!無事に回復なされたんですね!」


「?あぁ回復したよ。それはそうとルナ。気分が優れないようだが寝不足かい?」


(無事に回復?確かに昨日は大変だったが、病人にかける言葉みたいじゃあないか)


「そういった訳では無いのですが、何故か昨日から寒気等がしてしまうんです。多分風邪でも引いてしまったようで...」


「珍しいなぁ。お前は自己管理がしっかりしているから風邪とは無縁だと思っていたよ」


「それは言い過ぎですよウーゴ兄様!」


ウーゴの軽口に、それは心外だと可愛らしく怒るルナ。それを見たウーゴは苦笑いを浮かべ


「それは失敬。俺は父上の書斎へ向かうのだが介抱は必要かい?」


「必要ありません!全くもう!早く向かってはどうですか!?」


「ハハハ、悪い悪い。ではそうさせてもらうよ。ではな」


「意地悪ですね!コホン!では行ってらっしゃいませ。あぁ!後ウーゴ兄様は病み上がりなんですから無理は禁物ですよ!」


揶揄うウーゴに対して仕返しとばかりに釘を指して彼女は自室へ向かった。ルナはいつも通り(と言っても体調は芳しくないが)茶目っ気を出していたが、ウーゴには気がかりな点が幾つかあった。


(数日寝ていた、というオチでは無く助かるな。しかしルナの奴、風邪を引くだなんて本当に珍しい...それに最後、何故俺に向かって病み上がりと言った?俺が寝てしまったのは疲れからであって体調不良ではないはずだが?)


最後に放った言葉の真意を問いただそうとしたウーゴだが、風邪を引いた妹に無理をさせるわけにはいかないと思い、頭上にハテナを浮かべながら階段を下り、父の書斎へと足を運びそして着く。


-コンッコンッコンッ


「誰かね?」


野太く芯の通った声で問うアールバーロ。


「ウーゴです、父上。先日の夕食についてお話ししたいのですが、お時間よろしいでしょうか?」


「おぉ!構わないとも是非入りなさい」


ウーゴは鉛のように重たいドアを引き、謝罪を早く済ませるべく、申し訳なさそうな顔持ちで部屋に入った。

会話が噛み合わない。修正はまだ効く。しかしソレは望まない。

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