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ローズ家の剣王  作者: kiki
第零章 神話の始まり
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剣と剣

大きく踏み込んで剣を振るう敵に対して剣体捌きだけで避けて相手の剣を弾くとコンパクトな突きを相手の顔面向けて放つ。

しかし相手もそれを予想していたのか、顔を軽く横にずらしつつ蹴りを入れる。

それに反応した剣は腰に着けた鞘を左手で抜き放ちつつ、相手の蹴りを受けバックステップで距離を取る。


「なかなかの腕だな。お前なんで人攫いなんかっやってるんだ?」


剣が疑問に思ったことを言うと相手は肩を竦め心外だと言わんばかりに答える。


「人攫いとは見くびられたもんだな。

俺はただの人攫い組織なんかに手は貸さねえよ。なんたって元Sランク冒険者だからな」


冒険者というのは中央大陸全体に支部のある冒険者ギルドに登録しているもののことで、様々な依頼を仲介する組織なのだが、勿論中には危険度に高い魔物の討伐や要人護衛なども依頼もあり依頼には必要な冒険者ランクが決まっている。

ランクは依頼に達成実績や実力などで上がり最初はFランクから始まりE,D,C,B,A,S,ナンバーと7段階に分けられていて、ナンバーランクはランキングになっていてナンバーランクの者の中でランキングが付けられる。

つまり目の前の男は相当強いということだ。

一般的にCランクで平均的な国の正規兵レベルAランクで精鋭部隊の騎士レベルと言われており、Sランクといえば騎士団長クラスとなり並の者ならば太刀打ちできない。

そのため敵が元Sランク冒険者だと知ったミレアは思わず茂みの裏で息を飲む。

ミレア自身は詳しくは聞いていないため分からないが剣は外見的に高く見積っても17歳前後だろう。

例え10歳の頃から毎日剣の鍛錬を積んだとしても、

年齢的にも肩書き的にも上の相手には経験で大きく劣っているだろう。

剣が天才だったとしても太刀打ちできるものでは無い。

そう考えたミレアは明らかな焦燥を顔に浮かべつつ慌てて剣を見る。

すると剣の顔からは完全に表情が抜け落ちており、


「はぁ........期待以下か」


ため息とともにかすかに呟くと手に持っていた剣を鞘に収めた。

そのまま相手に背を向けて、緊迫した表情を浮かべるミレアの元へとゆったりと余裕の風体で歩いてくると、ミレアをチラッと見て一言行くぞとだけ言って立ち去ろうとする。

その光景を呆けたように見ていた相手はその顔に嘲るような笑みをゆっくりと刻み込み、


「おいおいどこへ行くんだ?」


そう言って剣を振りかぶり後ろから距離を詰めて斬り掛かろうとする。

流石は元Sランクとでも言うべきだろうかその動きは

剣に対する油断を含みつつも常人には目で追えぬほどのスピードと鋭さだったが、剣にその刃が届く前にその体はガクリと傾く。

斬り掛かったスピードのまま苦悶の表情を浮かべつつ左肩口から右腰まで大きな切り傷を受けた相手は地面へとダイブした。

そんな光景を驚愕の表情を浮かべたミレアとは対照的に冷めきった目で見た剣は、


「もっとやれると思っていたのだがな........」


それだけ言って王国への道を再び歩き始めた。

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