謎の青年との質問コーナー
「まずは貴方のお名前は?」
「俺の名前は=ローズだ。
お前はセントシア王国の第2王女ミレア=フォン=セントシアだな?」
その問に頷く王女.....ミレアは頭の中で青年の名乗った名前...というより家名であるローズ家について考える。
(ローズ家なんて貴族、国に無かったはず)
そう思ったがこれに関しては今回の件に一切関係ない上国王から直々に依頼を受けていることから無理に探るのは悪手だと考えたミレアは次の質問に移る。
「ここはどこですか?王都の近辺ではないですよね?」
「ここはセントシア王国の西に位置する国
レザーノ帝国の辺境地帯だ。お前を誘拐した組織は本来この国で活動している組織のようだ。全員斬っても良かったんだがセントシア王家の命で動いている俺がこの国の人間を傷つけるのは不味いからなしょうがない。」
勿論先に手を出してきたのは帝国の非合法組織だが、もしここで国際問題になってしまうと両国が痛手を食う。
婚姻前の王侯貴族が誘拐されたという事実が
他の貴族に渡ればミレアは生涯結婚することは出来なくなっていただろう。
もし誘拐されていた時に子供ができていた場合結婚相手である家にも被害が及ぶ可能性があるからだ。
「なるほど、では今後は徒歩でセントシア王国まで移動するのですか?」
「ああセントシア王国まで行けば王城まで馬車で移動できる。ここからセントシア王国の東の都市ヘルスまでは徒歩で行くと俺一人なら1日もあれば着くがお前を連れていくとなると3日はかかる。」
覚悟をしていなかった訳では無いがミレアにとって徒歩で3日もの移動というには辛いものだった。
「まあ頑張りますよ
ところで貴方は父上からの依頼を受けたと言っていましたが詳細はどんな内容なのですか?」
「俺の受けた依頼はどこかの組織に誘拐されたお前を救出し無事に王様の前に連れ帰ること報酬として俺はレクス中央高等学院への推薦状を書いてもらう。」
レクス中央学院
そこにはこの大陸中から優秀な人間が集まる。
入学条件は世界で最も厳しいと言われていて
まず最初に大陸のいずれかの国の国王直筆の推薦状が必要になる。
これはあくまでも最低条件でありここまで来てようやく受験資格を得ることができる。
この時点で例年受験資格を得ることが出来るものは大陸に3000人程度に絞られる。
それがさらに試験を受けて入学できるのは
たったの100人程度である。
「なるほど納得は出来ますが、推薦状を貰うだけなら各国の国立学院で好成績を収めれば
貰えるはず....なぜそうしなかったのです?」
「家族との約束で来年には入学しなくちゃならないからな裏技を使うしか無かったんだ」