パパとツンデレ~ゆるゆるな日
夢魔の卵 パパとツンデレ~ゆるゆるな日~
「バカだよね、君…」
「ん、良く言われてる。」
ピンク色の雲のベッドで、膝枕。
片翼の夢魔が、右眼の包帯を取り替えたところ。
「…痛い…でしょ?なんでこんな……」
触れたのは、包帯越しの…眼球だったところ。
夢魔を辞めてきた、バカな魔族が受けた無惨な洗礼…
抉られた片眼と、切り裂かれた片翼…
その光景を想像するだけでもゾッとする。
「ん、大丈夫。アイツ、綺麗に抉ってるから。後遺症とか無い様に…考えてくれたから。」
重ねた手。
ちょっと素直じゃないばくの柔らかな、優しい掌…
「ん~…ばくの膝枕、気持ち良い。」
「Σあっ!!退いてよっ…手当て終わったんだからッッ!!」
「ヤダ」
ころんと、ばくのお腹に顔を埋める形になると…
その細い腰を、キュッと抱き締める。
…立ち上がって、落とされない様に…。
「な…ッッ!!バカッッ!!動けな…」
「もうちょっと…このまま…」
服越しに、お腹にくちづけを。
「ッッ!!バカッッ!!!」
「ん…バカでも良い。…ばくの側で、生きられるなら……何でも良い…」
…にっこりと微笑みを浮かべた元夢魔…。
ばくの隣でゆるゆると進む時を生きられる幸せが、その笑みのすべて……。
支払った代償よりも、この『元夢魔』の中では尊い時間だから……。
だから、そのままで…
朽ち果てる、その時までは……そのまま……
緩やかな、幸せを……