夢魔とばくと友情?!と
夢魔の卵 ~夢魔とばくと友情?!と~
夢魔の悪夢を食べるばくが、夢魔の悪夢を半分残す様になると言う生活に変わってから少ししてからの事。
万年最下位だった夢魔の成績が、下から数えて三番目位になったのだ。
『…あのばくを撃退しているのだな…少し、羽根が成長した様にも見える…』
「Σ!!…う…」
いつの間にか背後に立つ悪魔に言葉が出ない夢魔。
『…どうした?喜ばしい事では、ないのか?』
金の瞳を訝しげに細め、夢魔を見つめる悪魔…
「…そうだけど…違う…あー………なんかもぅっ!!!……仕事してくるっ!!!」
もやもやする頭を振り、部屋を飛び出した夢魔。
様子がオカシイのは悪魔にはお見通しで。
金の瞳を伏せて、少し考え込んでから大きく溜め息を吐いた。
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「俺の力じゃないんだよっ!!!でも、あいつ、絶対敵じゃないんだよな……ズレてるけど話せば解るっつーか…なんつーか…」
「~♪悪夢を食べたら眠りましょ♪ゆっくりゆったり大きくなろぉ~♪」
「あ、ばく…」
いつもの様に、変な歌を歌いながら悪夢を頬張るばくに遭遇。
「あ☆夢魔~ヽ(*´∇`*)ノ」
相変わらず緊張感の欠片すらない、のほほんとした顔で手を振る。
「あ~( ̄▽ ̄;)お前相変わらず間抜け面だなww」
「夢魔、黒い羽根少し大きくなった?」
「あ、それ、悪魔にも言われた!!!」
「やっぱり大きくなってるんだぁ(^^)むま、成長期♪」
極上の悪夢をペロリと平らげたばくの隣に腰掛け、
めちゃくちゃ平穏な時間が流れていく。
「…なぁ…」
「んにゅ?」
背中の羽根がぱたぱたと揺れる。
「もう一回聞くけど…なんでばくは、我慢して悪夢を半分残すんだ?」
「んにゅ?!…だって今度は夢魔、成長期…」
「Σそうじゃなくて!!!ばくと夢魔は敵だって言われてるんだって!!!敵を成長させるとか、なんでなんだっつー話!!!!」
バッと立ち上がり、ばくに詰め寄る。
間抜けな顔をしたばくに、真剣に、
このもやもやした思いが伝わる様に………
「にゅ~…?…夢魔は、ん~?…美味しい悪夢をくれる…夢魔は、たくさん話をしてくれて……んと………………?」
きょとんとした顔で、でも、真剣に答えようとしたばく……
そのばくが、たくさんたくさん考えて……
あっ!!!と、閃いた顔をした!!!
その答えは…
「夢魔は『友達』!!!」
「Σ?!………は?」
ドヤ顔で夢魔に届けた言葉に、夢魔本人は呆気に取られる他は無かった……。
「…いっぱい考えたら、眠くなっちった☆夢魔、バイバイ、またね(*´∇`*)」
「Σちょ…な…………」
そんな夢魔が振り返る間もなく、
ばくは手を振ってあっという間に還ってしまった…
「Σ友達ってなんなんだっ!!!!」
某島国の空の上、またもや夢魔の叫びだけが響いた……
~夢魔とばくと友情?!と~