夢魔とばくと成績と
夢魔の卵~夢魔とばくと成績と~
頑張っても頑張っても、悪夢を喰らわれてしまう夢魔。
…最上級夢魔や悪魔の話から、ばくと夢魔の関係を知ってしまった夢魔は、
普段すれ違いばかりで顔も合わせないばくを待ち伏せする事にしました。
…伸び悩む成績にも身長にも、イライラ・もやもやしつつ…
『♪ふんふんふ~ん夢魔の悪夢は美味しい悪夢~いっぱい食べて進化しよぉ~♪』
「!!おいっ!!ばくっ!!!」
『んにゅ?』
目の前の美味しい悪夢に手を伸ばそうとした時、
夢魔が声をかけました。
『んにゅ?…モグモグ…』
「Σ無視して食うなよ!!!」
『ほぃひひあ…』
「Σ頬張ったまま喋るなっ!!!」
『ん~?…モグモグ…』
「Σハッ!!これじゃいつもと変わらないじゃんかっ!!」
『美味しい悪夢を前にしたら、取り敢えず食べる~♪だよねぇ?』
「Σんな事知るかっ!!つーか…」
ぺろりと指先を舐めてにっこり微笑むばくにイラッとしつつも…
「お前は…『立派なばく』のなりかたを、知っているのか?」
『んにゅ?…たくさん悪夢を食べると、大きくなれるんだよぉ?』
真剣な夢魔とは裏腹に、
にへらっと笑うばくの緊張感の無さ!!
「Σそうじゃねぇよっ!!」
ぺろりと舌舐めずりをしたばくに、夢魔が続ける。
「あー…じゃあ、俺とお前は敵だってのは、知っているのか?!」
『ん?夢魔、敵なの?……ん~…夢魔は小さいから、敵に見えないww』
Σ( ̄□||||!! ガーンッ!!!!!
「誰のせいでっ!!…お前の…お前が極上の悪夢を食べ尽くしてるせいで俺は…俺は成長出来ないで小さいままなんだよ!!!」
『…ばくが悪夢を食べるせい…?ばくが悪夢を食べると夢魔は小さくて可愛いまま…』
「Σ可愛い言うな!!お前のせいでいつも、俺は成績表が最下位なんだよ!!バカっ!!」
頭を捻るばくに、堪りまくった鬱憤をぶつける。
『成績表…最下位…ビリ?…夢魔、可哀想…』
首を傾げたまま、ぶつぶつと独り言を呟くばく…
最後の一言が夢魔の耳には届いてなくて良かったと、思う。
「お前のせいでっ!!背も伸びないし、最上級夢魔は疎か外の夢魔にまで白けた目で見られ、悪魔にも『力をつけろ…』とかバカにされて………」
ハァハァと、肩で息をしながら恨み辛みをぶちまけると、
『よしっ!!うん☆ばくは夢魔より成長したから、今度は夢魔が成長する番だね!!これからは夢魔が大きくなる様に、いつもより少し、食べるの少なくするっ!!』
「お前のせ……Σあんっ?!」
ポンとひとつ手を叩くと、
ばくがキラキラとした笑顔で夢魔に良い提案を出す。
「Σは?!…俺はお前の敵だぞ?!何を言って…」
『ね?ばく、偉いよね☆』
ふわふわとした羽根をはためかせ、ばくは夢魔を見つめる。
…誉めてくれ、と言わんばかりにww
「あー…あのさぁ、お前の中で俺はどんな立ち位置に居るんだよ?!」
『ん~?良く解んないけど、夢魔は夢魔☆ばくとおんなじ成長中♪』
「…解んねぇよ;;」
ばくの思考回路は、夢魔には全然解らず←
しかし、半ば呆れつつも、『敵』には見えないばくの屈託の無い笑顔と言葉に不思議と温かい気持ちになったのは確かで。
断る理由が見当たらないまま…目を泳がせる夢魔であった。
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『ね?今日はもう悪夢無いの?!成長するのにたくさん悪夢居るんだよね?!これから作る?!』
「…あ、あぁ…今から、仕事だ…」
『んじゃ、その半分はばくが食べる~♪』
「Σいつもと一緒じゃねぇか?!」
『…じゃぁ、もう少しだけ少なくする…』
しょぼん…なばくに振り回されつつ…
ほんわかとした雰囲気の中、
その日から、夢魔の仕事にばくがついて回る事となる。
『んま~☆(*´∇`*)』
「Σ遠慮しろや( ̄□||||!!」
夢魔の成績と体の成長の変化は、また今度解る事でしょう☆
夢魔とばくと成績と。