夢魔とばくと成長と。
夢魔の卵~夢魔とばくと成長と
夢魔とばくと成長と。
永久の夢を見る為に、ばくに喰われた夢魔のパパ……
「穏やかなばく…か、どんな奴か見たかった…かも…?」
未だ未発達な小さな翼をはためかせ、
悪夢を振り撒く夢魔。
自分を造り出した父親が、自らばくに喰われに行ったあの日………
悪魔から受けた報告から時間はあまり経過してはいないからか、まだ気になってしまう。
「…あのばくと似てんのかな?」
夢魔の悪夢を美味しそうに喰らうあのアホっぽいばく……
『♪ふんふんふ~ん悪夢を食べよ~食べちゃお~っ♪』
そうそう、こんな風に間抜けな鼻歌を………
Σって!!!!!
「Σばくッッ?!」
「…んにゅ?」
背後から聞こえたアホっぽい鼻歌の方へ振り向くと………
「…?!……ばく…?!」
「にゅ?…なぁに?…んと………むま…?」
伸びた髪…
少し大きくなって、ふさふさした翼……
そして……
「背、伸びた…のか…?!」
「ん☆美味しい悪夢を沢山食べて、大きなばくになりそうだよ~っ(ニパッ☆」
そう。
夢魔より小さかったばくの背は、既に夢魔と同じくらいか…もしかしたら…
(俺よりデカイ……とか?!)
「夢魔は変わらない?ん~?…もしかして、もぉ大きくならないの??」
「Σ失礼なッッ!!!まだ成長期だわっ!!」
キラキラした大きな瞳はそのままに少し大人びた顔つきになったばくではあったが、
中身は変わってない様です……
「ん~…夢魔、今日も悪夢美味しい~っ(*´∇`*)」
「Σあー!!!今作った奴ッッ!!!!つか目の前で食うなよッッ!!!」
もきゅもきゅとしあわせそうに悪夢を頬張るばくと、
相変わらず振り回されてる夢魔……
(あ、そうだ……こーゆー時は、最上級夢魔みたいに……)
小さな翼をはためかせ、キッとばくを睨む!!!
「かっ……帰れよッッ!!!じゃないと消滅させっぞっ!!!!」
「ん~……涼しい…」
「Σなっ!!!!」
夢魔の起こす風は、穏やかで、
消滅させる筈のばくは気持ち良さそうに目を細めるだけ←
「~っッッ!!!!クソッッ!!!今にお前なんかけちょんけちょんにしてやるからなっ!!!おっ……覚えとけよっ!!!」
「ん~?ばいば~い、またね~?ノシ」
「…次は容赦しねぇからなっ!!!!」
・
・
・
「~っ!!!!!」
布団を被ってじたばたする夢魔に、やれやれと見守る悪魔が一匹……
『また、喰われたのか?』
小さな溜め息と共に、声をかける。
と。
「…どうしたらもっと最上級夢魔みたいにデカい翼を持てるんだ?」
布団からじとっと赤い目だけで悪魔の翼を見つめる。
『…夢魔の成長は、悪夢の量と質を上げ、ばくに食われない様にすれば…自らの質も上がるが…』
金色の瞳が、チラリと赤い瞳を見下ろす。
『…あのばくに易々と悪夢を喰われている様では、これ以上成長するのは難しいだろうな…』
「…うっ……」
ピクリと動いた布団がそのまま固まる。
『…だから、我を眠らせられる様になれと言っているのだが…ヤレヤレ、その調子では無理か…やめてお…』
「…ふざけんなよ!!!誰が無理なんだよっ!!!」
バサッと勢い良く捲られた布団…
ちょっとだけ涙目の夢魔が、悪魔の首に絡み付く。
ちゅ……
軽い口付け…
『…ヤレヤレ。全く…いつまでも子供のままだな、貴様は…』
呆れた口調は始まりのサイン。
「ふざけんな!!これからが本番だっつーの!!」
ニヤリとほくそ笑む悪魔の思う壺です。
(…成長、か…小さき夢魔がこの腕に納まらなくなるとか、正直考えられぬのだが……)
「ん……ッッんっ…は…ッ!!」
濃厚な口付けを繰返し、いつしか快楽の宴を…
(いつまでこの戯れが続くのか……)
悪魔の想いも、いつしか悦楽の中へ………
~夢魔とばくと成長と~