夢魔の卵
夢魔の卵
「今晩は!俺、夢魔ですっ!!」
…
「なんてwとりあえず…」
今日は、とある島国の中間地点辺りでのお仕事だ。
今日の仕事もいつもと変わらず『人間を眠らせる。』と言う超初歩作業なんだよな~。
「チッ!!最近は簡単すぎて激つまんないっつーの!…いつになったら夢魔お得意の『悪夢』の仕事が出来るんだっ…」
ブツブツ言いながらもササッと仕事を終えた俺は、
むくれた顔をして魔界へと帰る。
『お帰り、…さぁおいで。』
魔界で俺を待つのはアニキ分の悪魔。
…夢魔だった俺の父を魔界の掟により追放させた奴…らしいが、全く記憶に無いんだなぁ~コレが←
…っつーか…それよりももっと気になる事っ!!
「なぁ…いつになったら夢魔の仕事させてくれるんだ?」
金眼の悪魔の傍らで、上目使いで膨れてみせる。
『ふっ…その唇で…俺を眠らせる事が出来るならな…。』
いつもこれだ。
金目の悪魔は、ニヤリと笑って夢魔を引き寄せる。
チュッ…。
そっと薄い唇に触れる。
でも、次第に絡まる甘美なクチヅケに…酔わされるのはいつも夢魔の方。
とろけるキスに、悪魔の手の中へ………
「いつか…眠らせてやる…ンンッ…ハァ…ッ!」
『俺の可愛い夢魔の卵…いつしかお前が飛び立つのが惜しい…。』
悪魔の淋しそうな呟きは、夢魔の耳に届いたのでしょうか?
「ふぁ…ンンッ…ァッ…」
悪魔の与える甘美な刺激に、きっと…聞こえてはいないのでしょうね(笑)
『では、な…。』
明日の夢魔のお仕事も、きっと『人間を眠らせる事』
明日は貴女が、眠らされるのかも知れませんね。